第23回北九州市自分史文学賞大賞受賞作品です。森鴎外記念事業として始まり、全国から寄せられた作品の審査員は柴田翔、久田恵、佐木隆三の三氏です。
著者は、古文書サークルの同じテーブルの方で、私が文学賞受賞のことを知ったのはつい最近でした。受賞から5年も経つのに温厚な紳士は、まさに武士は語らずで謙虚な方でした。
20名ほどのこのサークルはもう10年になるのに、不思議なほど個人情報がわかりません。それぞれが『爪』を表に出すことなく、古文書の静かな世界に浸っておられるようです
著者はマルチな能力で誰が見ても人生の成功者と思えるのに、タイトルの横の「─ある婚外子の自叙伝─」 の文字に違和感を覚えるほど強く心が捉えられました。
過去を剥き出しにする自分史はどちらかといえば暗くなりがちですが、子供時代ころから悲壮感がありません。
戦中戦後をたくましく生き抜きそこにはいつも笑いがあり、県下最難関といわれる修猷館から早稲田の政経学部に入学します。
子供時代から大学まで父と同じ柔道に励み、試合では群衆の中にいつも動きまわる父親のソフト帽がありました。それが精一杯の父親の愛情表現であり、その動く帽子が子供の心を支えたのだと思います。
私にとっても5、6数年の差はあるものの、克明に書かれた高度成長期のあの時代を実感しながら、学生時代の東京を懐かしみ身近に感じながら、同時代史として精神的にも共感しながら読みました。
帯に書かれた審査員の言葉を書いておきます。
柴田翔:『父親は毎日、夕食後に姿を見せて、九時には本宅へ帰っていく人だった。特にこの本が印象的なのは、事故で柔道を断念した主人公が大学卒業後に辿る人生を現在に至るまで、自分の職業生活と父の本宅の家族との関係の両面にわたって、しっかりと描ききっている点である。』
久田恵:『非嫡出子だった著者の「父を恋ふ」思いをテーマとした作品で、柔道を通して、自分のアイデンティティーを確立していった経緯が書かれている。著者の人生のハイライト場面に現れる父の中折れ帽、この構成が文学的な効果を産み出していて、胸を打たれた。』
佐木隆三:『作品のなかで、柔道の試合場面よく描かれている。柔道に不案内だけれども、興味津々で引き込まれた。中折れ帽をかぶった父親と、どこかで重なる気がしたから、文章の力というのは恐ろしい。良くできた作品で自分史を書く人の参考になる。』
午後からボランティア。ちゃちゃっと昼御飯は麻婆ソースを使った簡単アレンジメニューです。生協の商品は薄味だから、醤油・塩・砂糖の足し算をして好みの味に整えます。
作り方は、フライパンにごま油大さじ1を熱して、大根・きくらげ・シメジを中火で炒め、水300mlを入れて柔らかくなるまで10分ほど煮ます。
ここに麻婆ソースを凍ったまま入れてぜんたいにからめ、水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1・水大さじ2)を回し入れて、塩・こしょう、醤油などで味を整えます。
これをご飯にかけて、上にネギを散らします。
ごま油風味の中華丼は、癖のない食べやすい丼になりました。少し大きめに切った大根は歯応えもよく、ご飯は少なくてもたっぷりの具材でお腹はふくらみます。
まず、大坂なおみ選手優勝おめでとう!もうはらはらドキドキで見ているのがしんどいほどでしたが、なおみ選手はずっと冷静。試合ごとにメンタルの成長を感じて、これからももっと楽しみです。
体操教室カーブスが「フードドライブ」で今年も食品を募っています。ただし賞味期限が5月以降という制限付きです。
床下収納庫を見るとトマトジュース半ダースが目につきました。しかし制限をクリアできるどころか今使わないと期限切れ。ということで早速お昼にトマトスープを作りました。シーズンパックだから美味しいスープになりました。気づいてよかった!
夕方からこの冬始めての雪模様。音がするところからみると雹です。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
Google Home Miniに呟いた言葉が、スマホのショッピングリストに入るようになりました。今まで使っていたアプリは必要なくなり削除。
Home Miniは単語の訳もできます。質問しても答えられないときは『すみません。お役に立てそうにありません。もっと努力します』と諦めが早い?正直?
Home Miniに向かってお願いや質問をすると4つの光が点滅し、それがThinking time。なかなか愛嬌があります。
T夫人から使う予定がないからと未開封の「Google Home Mini」を頂きました。話には聞いたことがあるけど、開封してみて余りの可愛さ、余りのシンプルさに、ほんとに機能するのかしらと疑ったほどです。
説明書には、電源につなぐ、アプリを入手する、と書いてあるのみ。あとはオンラインヘルプなどで・・・ということで、私なんぞの手に負えるものではない!でも気になる・・・。
お風呂のあと試行錯誤してやっと接続成功したのがもう真夜中でした。
「OK Google、ショパンの曲をかけて」と話しかけると、何とほんとに美しいメロディが流れてきました。メドレー形式で曲は次々に変わり、「ねぇ Google、この曲名は何?」と尋ねると「ベートーベン作曲のテンペストです」と素晴らしい!でも消しかたがわからなーい・・・。
曲が流れるまま「OK Google、明日の天気を教えて」と話しかけると「金曜日の福岡の天気は最高気温13度、最低気温5度で、晴れ時々曇りでしょう」と答えてくれ、そのあとまた音楽の続きに戻りました。
「OK Google、買い物リストに牛乳を追加して」と呼び掛けると、「はい、牛乳をショッピングリストに追加しました」と答えてくれましたが、私のスマホの買い物アプリには追加されていません。まだ細々と手続きが必要なのでしょう。
10センチほどのマカロンの形でスイッチらしきものもなく操作方法は明日に持ち越し。
BGMとして役に立ちそうだし、曲名が分かるのがスゴい!ちょっと楽しみです。
同じ古文書のサークルの方の小説「ほくろ」が載っているということで「九州文学 第44号」を入手しました。
それよりも表紙を開いて先に飛び込んできたのは『置いてきた』という松野弘子さんの詩でした。衝撃的で心のなかで号泣・・。
~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜
『置いてきた』 松野弘子
置いてきた
病院のベッドに
ただひとり
胎児のように縮こまる
白髪の母を置いてきた
見知らぬ人達の中に
置いてきた
目も開かず
口を開けたまま
たったひとり
置いてきた
今ごろは
ひとりぼっちの夜の底
~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜~゜
「置いてきた」というぶっきらぼうな言葉の中に、作者の娘としての母に対する深い愛情、自分の孤独、どうしようもない現状、懺悔の心を痛いほど感じて辛すぎる詩でした。
母の三年忌を終えた今も、なお私の心に引っ掛かるのは母の最期の虚ろな表情です。
何度も旅した仲良し母娘4人ですが、旅の楽しい記憶よりも、介護施設や病院での表情ばかりが胸を去来します。
『置いてきた』という赤裸々な言葉はグサッと胸を刺しました。母の老後生活を正面から見るのが怖くて目を背けようとしていた自分の心を、この言葉が容赦なくえぐり出したのです。
92歳まで独り暮らし、それから介護施設と病院での5年間。母の元をたびたび訪れることで自分を肯定しながら自分だけを見つめ、母の心をないがしろにしていたのです。
気丈な母は「娘たちにはそれぞれの生活があるから」というのが口ぐせでしたが、きっと孤独だったと思います。その現状をどうにか出来たという自信は無いものの、とにかく正面から受け止めないできた私の心に刃は的中したのです。
置いてきたんだ・・・、間違いなく置いてきた。よどんでいた私の心の澱をすくい取ったかのように強い言葉はショックでした。しかしこの正直な言葉に私は救われた思いです。何か正面から刃を突きつけて欲しかったのかも知れません。ふしぎに清々した気持ちが残りました。
台所に立つとき、ひとりで静かな時間を持ったときに、この詩を口ずさんでまた泣くでしょう。
文学は強いメッセージを放つものですね~。
晩秋に咲いた皇帝ダリア、その竹みたいな節を輪切りにして冬眠させました。
節を挟んでカットし、水で戻したミズゴケをしっかり絞り茎に巻き付けます。箱に入れ光が当たらないように保存し、霜が降りなくなるまで待ちます。「皇帝サマ、おやすみなさい」
大好きな小花、教えてもらった名前は忘れました。アリッサムではなく、薄紫の十字花弁の可憐な花で、こぼれ種が毎年庭のあちこちでかなり長く咲いています。
同じこぼれ種のサクラソウ。花壇で、ポットで、たくさん咲き始めました。
ポットに植えたラナンキュラスとアネモネの球根が全滅。花壇に植えたアネモネは芽を出したところをみると、ポットには水のやり過ぎかも。ラナンキュラスは苗を買う方がよかったかな・・・。
ネモフィラの地面にへばりついたようにしていた葉が、光に誘われて少しずつ万歳を始めて春近し!チドリソウもしっかりした葉に育っています。
カレー鍋、スープカレー、サバ缶カレーのご飯と続けば、カレー味好きの私ももう結構、食傷しました。しばらく遠ざかりたい・・・。
真っ白いご飯の和食が食べたいと冷蔵庫を探してなんとか夕食が出来上がりました。
一番美味しかったのは、唐津で買ってきた海舟の『あっ!!これいける』、いかのもろみ漬けです。さすがいかの唐津です。 お取り寄せしたいと二人の意見は合致しました。ご飯にも酒の肴にもピッタリ。お酒は久保田の千寿です。
最近、テレビの影響で店頭のさば缶が品薄。カレー煮は残っていたので、閃いたのがこれを使った炊き込みご飯。
◆きのうの夕食
味が薄い、色がよくないということで再度挑戦しました。
◆今日のお昼
まずバターで玉ねぎを炒め、米も炒める。
炊飯器に米を入れ、サバ缶カレー煮を入れ、トマトとピーマンを入れ、ターメリックで黄色味を増し、塩で味を整えて「かため」でスイッチオン。
出来上がりはこうなりました。若干アルデンテ・・・。
米を炒めたときに、そのままフライパンで炊き上げた方がよかったのかも。そっちの方が美味しいに決まっている・・。
まだまだ改良の余地あり。
デザートはまだ残っている正月のアイスクリームで。パウダー状のほうじ茶を振りかけるとレストランの味になります。
昨日のカレー鍋の残りと冷凍グリーンピースの豆ご飯が残っているのでお昼はこれを使おう、と11時50分に家を出てカーブスへ。1月はまだ三回目。なかなかもとのペースに戻りません。快晴の今日は快適で、体が軽くなりました。
ということで、1時過ぎての昼食になりました。
残ったスープに豚肉やブロッコリーを入れているので目新しいメニューに見えるようで、スープカレーが好みの夫は喜びました。鍋にはいろんな味が染み込んでいるので深い味になっています。糸こんにゃくが見えるのはご愛嬌。
ごまかすのは「ちょろい」・・・。美味しければ、それに手間もかかっていないとなれば上出来のお昼です。
常夜鍋に、今日は目先変えてしょうがの薄切りに加えて潰したニンニク15gを入れました。新聞の「セリの常夜鍋」のレシピがニンニクを使っていたのでそれを応用したものです。
つけだれはポン酢でなく、4人分でみりん50cc、しょうゆ50cc、おろしニンニク10gをひと煮たちさせたもの。
つけだれのメリハリが味を深くして、ちょっと新鮮でした。セリは手に入らずにやっぱりホウレンソウを使いました。
夫の書斎にはもう使っていないWindows98があります。Windowsxp、Vista、今のWindows7になっても、古いパソコンのwordとExcelは使い勝手がいいとかなんとか、なかなか手放しませんでした。
孫娘が夫の書斎から戻ってきて、私に小声でささやいた言葉「おじいちゃんのお部屋はジャングルジムみたい」。私はこの素直な的を得た表現に「大賞」をあげたいほど喜び早速夫に伝えました。効果あり!
やっと行動を起こしてくれメーカー引き取り7000円を覚悟していましたが、偶然日経新聞で、自治体と連携している無料引き取りの広告を見つけました。
一頁広告で『パソコンの宅配便回収にご協力ください』というもので、福岡市も協定を締結しているリネットジャパンは信用できると思い早速手続きをとりました。
ハードディスクを叩き壊しデータを消去して回収を待つパソコンです。購入した専用段ボール(398円)に入る分だけ回収してもらいます。回収日まであと10日!
以前はパソコン本体とモニターは別々で、3段になっているパソコンデスクが本棚と共に6畳の一部を占めていて鬱陶しく、私も用がない限り書斎に入るのを避けていました。人の部屋だけど少し広くなると想像しただけでうれしくなります。
2か月前に取れていたチケットの座席はピアノに向かって右手。同じグレイドでも売れ残っていた分でピアノを弾くあの魔法の指はもちろん見えません。
今日はオール・ショパン・プログラムです。モスクワ音楽院を経て今はポーランドの大学でショパンを勉強中。その成果を全国ツアーで披露したいとのことでした。
プログラムはノクターンに始まり、幻想曲、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。
ここで15分の休憩。トイレも立ち飲みの喫茶も大行列。暑いほどだったので、やっとジュースをゲットした時はほっと一安心。
後半はマズルカが3曲続き、最後にピアノ・ソナタ第3番でした。
前回のコンサートはロシア・ナショナル管弦楽団との共演で、精力的な演奏が印象的で深く感動しました。
今回はどちらかと言えば静かで暗い感じで(Youtubeで暗い曲は今の自分とソックリだと笑って対談されてましたが)、弾けるようなダイナミックな響きは最後の曲だけでした。
ショパンを極めるためにポーランドへ行ったと聞いた記憶がありうまくいっているようで、ツアーの後半に向けてまだまだ熱い思いがあるようです。
とにかく人気がありアクロスコンサートホール1800席は、バルコニー席までほとんど埋まっていました。昨日は名古屋、今日は福岡と精力的にこなされています。最後のアンコール曲の写真が今日の記録です。
10月には同じアクロスシンフォニーホールで、ポーランド国交樹150周年を記念して、反田恭平&ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の共演で「ショパン∶ピアノ協奏曲第1番」の予定という速報を入手しました。
60~70代の主婦は、若い頃から「米を研ぐ」ことにかなりうるさく言われてきた年代だと思います。
テレビの料理の先生は「米は洗うのでなく研ぐのです」。その指導もありました。
それがいつの頃からか精米技術が進んで米は軽く洗えばいいことに変わってきました。
さらには洗う必要のない「無洗米」も登場しています。味は落ちても私も利用してます。楽だから。
もちろん普通米も使うし特に新米は逃せません。佐賀の棚田米「夢しずく」を買ってきました。洗うのは楽チングッズ。
T-FaLのボールのくぼみ具合とシリコンの泡たて器がピッタリ馴染んで相性抜群です。金属の擦れ合う音がしないので、道具を使う後ろめたさを感じさせないほどです。
シリコンの泡たて器を探していて、やっと見つけたのは100円ショップでした。
ONCRIの夕食の前菜に羽子板の羽根のような形のものがでました。飾りではなく食べてもいい「ツクバネ」と言う植物でした。
といっても、どう見ても紙細工にしか見えません。でも透かしてみると細い葉脈も見えます。納得いかなくて給仕の人に聞いてみました。
「本物だったらタネを植えたら芽が出ますか?」
「年に一度こちらにみえるお客さんが、ツクバネを持ち帰ってタネを蒔いたら芽がでたそうですよ」
ということで、このツクバネは本物!挑戦すべくそのまま大切に持って帰りました。
愛おしいほどに可愛い植物ですが、今まで見たことがありません。どんな木にどんな風に実をつけるのか調べてみました。
三省堂の植物図鑑からの写真ですが、雌花は枝の先に1個咲き、羽根状のものは苞。半寄生植物でマツやツガの根に寄生して養分を吸収するのだそうです。この形の完成度にもかわいらしさにも「意志」を感じてしまいます。まさに自然の妙といわざるを得ません。健全な宿主の木を探すところから始まり、育て方は結構難しいようです。ちょっと無理かな~・・・。
7日のホテルの朝食に七草粥が出ました。わが家では前倒しで前日に食べていましたが、どうしても草の名が特定できないのがありました。
それぞれの花が咲いたら分かりやすいと思いますが、小さくてナズナ、ハコベラ、ゴギョウ、ホトケノザが正確に把握できません。たまたま祐徳神社で七種類の実物と説明がされていてたのでうまく解決しました。
オギョウは「ハハコグサ」のこと。ナズナは子供の頃、三角形の小さな実の部分を揺らして耳元でシャラシャラと音を出していた草でした。ホトケノザも草取りで見る黄色い花の草。ハコベラは子供の頃飼っていた十姉妹の餌、今は庭の草取りで厄介ものです。
七草は大根、カブ以外は結構癖のある味で粥にもちょっとだけ入れています。一つひとつが薬草の意味もあるようですが、やっぱり雑草のイメージが強くて馴染めない気がします。
息子が私の希望を入れてとってくれた宿「oncri」は山峡にあり、予想をはるかに超えた納得のいくものでした。口コミもかなり良い評価で、隣県にも関わらず私の情報不足でした。
数年前にリフォームされたようで、インテリアもセンスが良くて素晴らしい!
山あいの冬、都会では見られない星空に息子が感激していました。
温泉棟は別棟になっていて大浴場、露天風呂に趣向が凝らされて、全種類を満喫しようと意欲満々。38℃のぬる湯は長時間入っていても不具合はないという事で、山と空を見ながら露天風呂に30分もただ浸かり続けていました。
食事前、食事後、翌早朝と満足の行くまで温泉を味わいました。歩行湯、足湯、サウナ、砂蒸しもありますが、時間足らずでパス。(写真はONCRIのHより)
食事処の膳座敷の玄関口は意匠が実に好ましくシンプルです。夕食はここで睦月の和会席を頼んでおきました。(写真はONCRIのHPより)
奉書巻、松風、土佐煮、嬉しくなるほど丁寧です。 椀のしんじょの下には「寿」と切り抜かれて昆布が隠れていて、その趣向が素晴らしい!
ヨコワとはクロマグロの若い魚のことだそうで、初めて知りました。ぶりの経木焼き。ふっくらとしたぶりの食感と経木の香りが合っています。薄桃色のユリ根のきめ細かい茶巾絞りに金粉が乗ってお正月めいています。
海老芋饅頭にカラスミが乗っています。絶妙のおいしさでした。当然ながら地元伊万里牛の焼きしゃぶ。
最初の前菜で料理人の腕と、見えないところにも手を抜かない誠実さが伝わりました。どれも佐賀県産の食材です。洋か和か迷いましたが和食にしてよかった!
一皿ずつ運んでくるたびに丁寧に料理の説明をし、こちらの質問にもきちんと答えてくれた給仕の男性は勉強中だという韓国から来ている若者でした。的確で流暢な日本語と誠実な接客に感心しながらも、何やらきな臭い日本海のニュースが頭をよぎりました。民間交流はこんなに自然にうまくいっているのに。
朝食はレストランでのバイキング。インバウンドで日本語以外が飛び交っています。フロントのスタッフには欧米人・アジア人もいて各国語に対応できるように配慮されています。こんな山峡の宿の情報も今はネットで簡単に手に入れることが出来るし、内外を問わず温泉の良さを分かり合えるというのも素晴らしいことです。
チェックアウト後は有明の海沿いをひた走って祐徳稲荷神社に向かいました。山門は美しく、カラフルだけど嫌味はありません。
近年、タイ映画の舞台になったそうでタイからの観光客が増えたことをテレビで知りました。朱色の神社は特に初詣にぴったりです。
舞台の美しい組み方が特徴です。拝殿へは100段ほどの階段を屏風畳みのように折れ曲がりながら上ります。
エレベーターも出来ていますが、お一人様300円とはちょっと高いかな。
拝殿の奥にさらに奥の院があり、数えきれないほどの鳥居の中を登っていきます。
最後は手すりのない岩石の急な階段に変わりました。後悔するとは思いましたが、あと150mというところで危険を感じて断念し息子だけ登っていきました。佐賀平野が一望できたそうです。
神社の外に出るともう梅が色づいていました。特に暖かかったこの日、春はすぐそこという感じです。明るい正月は希望が持てます。
更に西に向かって走り、海中に鳥居があるというところへ。大漁神社・海中鳥居です。テレビで見たことがありましたが、こんなところにあったのです。
「月の引力が見える町」というキャッチフレーズの太良町の干潟は干満の差6m。満ち潮になると鳥居が海の中に浮かぶことになります。幻想的な光景はイメージだけで・・・。
突堤の電柱は2mの高さまでフジツボがびっしりくっついています。この高さまで海水が満ちてくるのです。
突堤の縁に牡蠣やアサリなどの貝殻が堆積してうず高く積もっています。棒で掘ってみましたが、しっかり堆積し固く深さは1~2mはあり、長い長い年月を感じます。
先ごろ行った世界遺産の三重津海軍所跡で、日本最初のドック建設に使われたのがコンクリ―トでなく軽い牡蠣殻でした。大量の牡蠣殻をどうやって調達したのか・・・、その疑問の答えを見つけました。ここでやっとつながり納得しました。
佐賀県は福岡県以上に観光地があるのに、なかなか表に出ない気がします。宣伝の仕方が足りないのかな・・・。もったいない。隣県人として「佐賀県」を大いにPRしておきます。
今度の正月で大量に残ったおせち料理と食材について皆の意見も聞いて、来年からは数の子、黒豆、雑煮、お屠蘇と超簡単にすることに決まりました。私もあまりお節料理は好きでないけど、今までの努力は何だったんだろう??? でも楽になることだけは間違いなし!これは伝統の「無視」ではなく「改善」という事ですo(^-^)o
お正月の後片付けに何日もかかり気が滅入りがちでしたが、静かな温泉宿でおいしいものを食べて、初詣も出来て、私には遅れてきた嬉しい正月になりました。思い立ってくれた息子に感謝しています。ありがとう!