うきうき連休のスタート日に、テレビでは東北新幹線のトラブルの深刻な場面が映し出されていました。「時間がたくさんある年寄りは、わざわざ連休に動くものではないよね」と言っている所へ、夜遅く息子から電話が入りました。
「温泉に行こうと思って、明日10時に迎えに行くからすぐスタートできるように用意しといて」ということで、行先は九州のどこからしく、宿は今から探すとのこと。
前言はどこへやら、もちろん喜んで連れて行ってもらうことにしました。
という事で着いたところは、薩摩郡さつま町宮之城温泉「手塚ryokan」。横文字入りの宿の名にふさわしく、スタッフ全員が真っ白いシャツと黒のベスト&ギャルソンエプロンで、きりりとした立ち居振る舞いが新鮮でした。
塀と新緑の木立で囲まれた敷地は久しぶりの非日常の別世界!その雰囲気に心地よく入っていきました。
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部屋の種類が「デザイナーズ和タイプ 101 露天風呂付」のとおり、和のテイストの部屋は抑えた色調の和風モダン。インテリアも素敵でした。
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部屋には露天風呂が付設されていて、源泉かけ流しのお湯のあふれこぼれる水音が旅情をつのらせてくれます。オープンテラスにはメッシュ素材の椅子が置かれて濡れた儘でも使用できるようになっています。単純アルカリ泉のとろ~り美肌の湯です。お肌つるつるで何だか肌が若返った感じo(^-^)o
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大浴場の脱衣場。広いガラス窓からは目にしみる新緑と鳥の声が聞こえます。右の写真は岩盤浴の部屋。あの吉田松陰の野山獄???を彷彿させて思わずクスリ・・・。初めての体験で、私にはサウナよりも快適でした。
夕食は人気の「黒毛和牛しゃぶしゃぶ会席」。これでもかというほどにご馳走が次々と、しかし程よいペースで食卓に運ばれてきます。
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ヤマトイモのチョウチョとミニトマトを使ったテントウムシ。この発想に思わず感嘆の声が!右は真子、タコ、エビをトマトと白子のソースで煮込んだもので絶品でした。創作料理には味ばかりでなく、キャンバスに絵を描くような料理長のセンスが光ります。
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ブーケのように野菜をしっかりとくるんだサラダ。右は特選黒毛和牛のしゃぶしゃぶ。口の中でトロトロに溶けるお肉でした。
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「おしながき」のメニューの多さ・・・、でも完食でした。利用者のクチコミ評価で食事はほとんどが5つ星になっています。納得納得!
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チェックアウトの前に、スタイリッシュで居心地の良いカフェ&バーでケーキセットをいただきました。レモンタルトの傍にはカブに見立てた生クリームが!こんな細かい心遣いに少女のように喜びました。
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ここから霧島まで1時間ほど。霧島温泉は何度か訪れましたが、そこからさらに奥に入って霧島神社に足をのばしました。このあたりは眺望が開けて錦江湾、桜島、開聞岳を眼下に見下ろす絶景ポイントが何か所かあります。
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朱塗りが真新しい神社ですが、杜の大木に囲まれて霊験あらたかな空気が漂っています。
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この神社は噴火による火事で何度も焼失しその都度再建されたとのことですが、樹齢800年という御神木には近寄りがたい神々しさを感じます。
昨年は娘の出産、孫の入院と体と心の休まらないことが多かったのですが、1年経ってやっとのんびりできました。家事を離れて上質の時間空間の非日常の世界に入れたことに感謝しています。