8時15分、予定通りの早い出発。みんなの呼吸はぴったりです。目指すはスフォルツェスコ城。
14世紀の終わりに野武士の中から台頭し、1450年にはミラノ公国を建ててイタリア四大勢力の一つにまで成長したスフォルツァ家の堅牢な造りの城です。10年前には予備知識もなく、大砲の石の玉が積んであっただけの印象でした。
でも、今回は塩野氏の『ルネッサンスの女たち』をもう一度読み返していたので、イメージが膨らんで一人悦に入っていました。“イタリア第一の女”といわれた女傑のカテリーナもここで育ったのです。本と歴史と建物がぴったり重なる快感は本人だけの喜びで充分です。
![071113italy_040 071113italy_040](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/a3/857afe33d4dbd6bec9cd00a37656490b.jpg)
写真はスカラ座。スカラ座広場からヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリアを通ってドゥオモ広場へ。
ヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリアは、芸術的な美しさのアーケードです。巨大な鉄枠のガラスのドームの天井はアールヌーヴォー様式です。その大きな壁面には四大陸をイメージしたフレスコ画が描かれて見事なものです。高級ブランド店やカフェが立ち並ぶガレリアで使ったのは地下のトイレだけ。有料かな・・・と思ったけど、係りの人がいなくて無料でした。
![071113italy_053 071113italy_053](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/75/13dbf7a0437fc263665a438efa4ac77a.jpg)
ドウォモは、イタリア最大のゴシック建築で完成までに500年を費やしたという気の遠くなるような建物です。
天に高く伸びた尖塔は135本、彫像は2245体もあるとか。
美しいステンドグラスは、大部分が15~16世紀のものです。
黄金のマリア像や、生きたまま皮を剥がれたという聖バルトロメオが、その皮膚を体に巻きつけている生々しい彫像もありました。
リゾットの昼食の後は、ロミオとジュリエットの街世界遺産ベローナへ。ここはミラノとヴェネチアの中間地点で昔から交通の要所です。
![071113italy_089 071113italy_089](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/03/5116bdd4520ff5de1e488fb495b05435.jpg)
古代ローマの植民地だったことから、2000年の風雪に耐えた円形競技場「アリーナ」があります。ローマのコロッセオより保存状態がいいとか。
今もオペラの公演に使うそうで、収容数は22000人とか!すごい!土木建築がいかに進んでいたかがわかります。2000年前は日本は弥生時代・・・。
14世紀の街並みがそのまま残っていたり、右上の写真は、エルベ広場の16世紀のフレスコ画が残っている建物です。何気なく残っている中世の趣が感動です。
人気のジュリエットの家。このテラスから「ロミオさま、どうしてあなたはロミオなの!」と苦しい恋の声が聞こえてきそう。ヨーロッパ中からの観光客で混雑していました。
ダンテが「神曲」を書いたところということで、シニョーリア広場にはダンテの彫像もありました。
各時代の足跡を大切に残していて、さすが世界遺産の街でした。
1時間半ぐらい走って、ヴェネチアへ。今は街に入るために許可書がいるそうでドライバーさんが小さな事務所に入っていきました。
夕食の舌ビラメの料理を食べたあと、戸外で迎えのバスをかなりの時間待ちました。世界遺産の街は道路が一方通行で、タイミングが合わないとなかなかバスと出会えません。温度は手持ちの温度計でなんと6℃。寒~っ!
今日のバスの走行距離は4時間あまり。私にとっては、車窓の景色も本と重ね合わせて楽しいひと時です。明日はまた早起きです。