涼しい清里から高原列車で甲府に下りてくると、まさに「下界」という感じで、盆地の暑さがこたえました。甲府といえばワイン。このチェックも欠かせません。
サドヤ醸造工場の見学をした後、敷地内のレストランでランチをと考えていましたが、どうしてもスケジュールが合わずに、見学を断念しランチだけになってしまいました。でも、牛肉のワイン煮込み、モッツァレラチーズのデザートは、ワインと牛乳のご当地らしいメニューで納得。豚のワイン煮込みなんていうのもありました。醸造元のプライドでワインにはこだわっているようです。
JR中央本線で山梨に入り、長ーい笹子トンネルを抜けるとそこは一面のブドウ畑。ぱっと視界が開け緑が飛び込んで、なるほど文学的な景観です。勝沼ワイン、甲州ワインと国産のワインが多く出回るようになったのはそんなに昔ではありません。山梨の風土がワイン造りに合ったのでしょう、今では貴腐ワインもあるようです。前日泊まったペンションでは、国産は高いということで輸入ワインを使っていました。
★山梨県立美術館・・・ミレーの美術館として有名なこの美術館には、今年の一月に新たに「ミレー館」が誕生し、ミレーとバルビゾン派の作品が展示されています。ミレーの作品が15点とは素晴らしいコレクションです。「眠れるお針子」と他3点は不況の昨年購入されたもの。山梨の文化に対する姿勢に、地方の美術館の使命と誇りを感じました。
この美術館は広大な芸術の森の中にあり、向かい側が県立文学館。手入れの行き届いたバラ園や池や茶室、音楽堂があります。その間に点在する野外彫刻が見ものです。これだけを一堂にさりげなく備えているその意気込みに脱帽です。山梨県の精神文化の豊かさでしょうか。ここをジョギングしている人のなんとも幸福そうな顔をうらやましく思いました。
佐藤忠良と奥のリンゴの佐藤正明、岡本太郎、船越保武、ザッキン、ムーア、ロダン。ほかにマイヨール、ブールデル・・・と、屋外にこれだけの彫刻を備えているところはそうはないと思います。
夕食には、郷土料理の「ほうとう」をと思って、3人に聞いたところ、各人が「山梨の人は、ほうとうは食べませんよ。」とそっけない返事。確かにメニューの写真をみても食指が動きません。ぐるぐる回って探し当てたのが、手作り居酒屋「かっぽうぎ」。店をのぞいてみて若い女性のいるお店はだいたい美味しい証明です。薄味がよく浸み込んだ居酒屋メニューにはなまる!
ホテルに戻ったら、多分ウェルカムドリンクに地元のワインが提供されるはず。そう思って、タコの唐揚げをテイクアウトすることも忘れませんでした。