10月25日から東京国立博物館で「北斎展」が開催されます。そこにギメ美術館蔵の「凱風快晴」が出展されるのです。東博蔵のそれとは明らかに違う深い味わいの富士山で、それを新聞で見たとき思わずアッと叫んでしまいました。とにかく美しい!見てみたい!今回の上京があと十日遅かったら・・・と残念です。
ということで今回は、世田谷美術館と静嘉堂文庫美術館を訪ねました。
★世田谷美術館では「宮殿とモスクの至宝」というテーマでヴィクトリア&アルバート美術館蔵のイスラム美術展が開催されていました。
偶像崇拝を否定するイスラムでは、宗教の場で具象的図柄の装飾を用いることが禁じられているため、アラビア文字が装飾デザインとして発達し厳かな美術品が生まれたそうです。
彩り豊かな植物文様のイズニク陶器、ラスタ-彩陶器。壮麗なコーランの写本は緻密なデザインと美しい色彩でため息が出るほどでした。
アジアとヨーロッパが交わる場所に位置する中東。経済的な交流だけでなく、職人による文化的な交流も活発に行われ、イスラムの文化がアジア、ヨーロッパの美術工芸技術の発達に影響を与えたことに納得しました。
世界4ヵ所を巡る国際展ということ、閑静な砧公園の一角にあるという場所がらか、かなりたくさんの人が入っていました。見る機会の少ないイスラム美術を新鮮な思いで見てきました。
★静嘉堂文庫美術館では「明清の絵画と書蹟展」が開催されていました。有名な国宝の、しかも世界に3つしかないというあの「曜変天目茶碗」を所蔵しているところです。残念ながら数年に一度しか展示されないとのことで見ることはできませんでした。
岩崎家(旧三菱財閥)が収蔵していた東洋古美術、古典籍を展示した美術館は平成4年にオープンしたもので、庭内の豊かな自然に囲まれて、東京とは思えない閑静な場所でした。