丁度1年前、新聞で若手男性ピアニストの記事が載りました。
突出しているのが藤田真央、反田恭平、角野隼斗。続いて亀井聖矢、三浦謙司、務川慧悟、阪田知樹、牛田智大の名前が挙げられていました。
その中でまだ生で聴いたことがないのが、三浦さん、務川さん、阪田さん。三浦さんも務川さんも拠点が海外でなかなか地方では聴けません。そんな時に阪田さんのコンサートのチケットを手に入れました。
「モーツァルトをあなたに」というお昼のクラシックにピッタリの趣向。指揮者もピッタリの鈴木優人さんです。そして今日27日はモーツァルトの誕生日という粋な計らいです。
10年前にも同じ会場で同じ日に、モーツァルトの指揮をしたというトークで盛り上がりました。
だからモーツァルト一色。阪田さんはピアノ協奏曲第20番。リスト国際ピアノコンクールの優勝者です。身長が高く安定した姿勢での打鍵にはゆとりも感じられました。
テレビではテンポの速い難曲を聴いていたので、モーツアルトの澄んだメロディーが新鮮に聞こえました。
アンコール:アーン(阪田知樹編曲)/「クロリスに」は初めて聴く曲でした。最近のピアニストは作曲、編曲と多才です。
後半は、演奏回数は少ないというモーツァルト/セレナード第9番。ここでポストホルンという珍しい楽器が出てきました。
(写真はネットより)
ホルンの形をしながらホルンではなく、トランペットと同じ様に右指で動かすので、トランペット奏者が吹きます。郵便ラッパののどかな、心温まる音色でした。
アンコール曲として、モーツァルト(鈴木優人編曲)/フィガロの誕生日。これはモーツァルトの誕生日を意識して、最初からプログラムに組み込まれていた曲でした。
「フィガロの結婚」メドレーで、途中にハピーバースデーのメロディを組み込んでモーツァルトへの畏敬を表した楽しい曲でした。
『知的好奇心を刺激するカジュアル体験』とうたっているだけに、音楽愛、演奏者愛、聴衆者愛に溢れた鈴木さんの人柄に、満員の会場に拍手が鳴り止みませんでした。
登場されたときにメガネがなかったので、指揮者が代わったのかと早とちりするところでした。
暖かさも戻った土曜の午後に文句無しのひとときでした。