来年のNHK大河は、江戸随一の出版元蔦重・蔦屋重三郎が主役で、その波乱万丈の生涯のドラマです。
こちらのほうが登場人物も少なく、それぞれの心の動きが描かれているので、ストーリーとしてとても面白く、わかりやすい展開になっています。
私が「蔦重」を知ったのは、ある美術番組。絵描きや作家は名前も作品も歴史に残るのに、彼らを世に出した出版元は残らない・・・。これでは浮かばれないと胸がワサワサしたものです。
それが何とドラマになる!NHK の粋な企画に驚きました。
先ず読んだのが増田晶文『稀代の本屋 蔦屋重三郎』です。
登場人物も北斎、写楽、山東京伝、恋川春町、太田南畝、曲亭馬琴、十辺舎一九など文化人のてんこ盛りです。(昔、テストのために名前だけ丸暗記した人たちですが)
そんな江戸庶民文化の爛熟期にストップをかけた老中松平定信の寛政の改革。
弾圧にあいつつも世の中をひっくり返そうとする蔦重。470ページの大作です。
そしてもう一冊は、みずきさんのブログで知った谷津矢車『蔦屋』です。
こちらのほうが登場人物も少なく、それぞれの心の動きが描かれているので、ストーリーとしてとても面白く、わかりやすい展開になっています。
著者も「蔦屋もの」を形作る水滴の一つになれば、と謙虚です。
番組のキャストが豪華です。
蔦屋に横浜流星さん、田沼意次に渡辺謙さん、田沼意知に宮沢氷魚さん、駿河屋に高橋克実さん、歌麿に染谷将太さん。
時代背景も、田沼意次、松平定信が登場する18世紀半ば、江戸の町に大波小波の振動が起きた時代です。