新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ソチオリンピック

2014年02月26日 | くらし

Img_3210ソチオリンピックが終わり、選手を乗せた特別機が戻ってきました。
「金」とメダルの「数」にこだわり続けたメディアと全世界の観衆のプレッシャーの中で戦い抜いた選手に心から拍手を送りたいと思います。

「渡辺暁斗 ノルディック複合銀メダル」快挙です。ノルディックスキーでかつて活躍した荻原次晴氏が、キャスターをつとめる番組の中で、感極まって号泣する姿をYoutubeで観ました。
荻原兄弟が活躍したころは、ノルディックは日本のお家芸と言われたほど頂点に立っていました。そのノルディック複合が日本人にとっては不利なルールの変更もあり、20年間もメダルがとれずにもがき苦しんでいました。
根本的な戦術の見直しをはかって20年。選手たちの、コーチ陣の、ともに苦悩し努力した痕跡が浮かび上がります。選手ばかりでなくそれを支えた周りの人にも拍手を送りたいと思います。

Img_3267 女子フィギュア・ショート。第6グループ選手たちの6分間の滑りが始まりましたが、真央選手の表情が不安気で、本番を見る勇気がわかず、とうとうテレビのスイッチを切ってしまいました。

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翌日のフリーはもう怖いものなし、しっかり見ました。
トリプルアクセル、「成功!」。トリプルのコンビネーション、「成功!」。一つひとつのジャンプを手を握り締め息を詰めて見ていました。会場からの祈るような空気も伝わってきました。世界中の人を魅了し感動させた真央選手の演技。私もやはり真夜中に泣いた人間です。

あの絶望的な状況の中で、心に打ち勝ち、4年間の練習の技を完璧に美しく滑る姿、あの気迫あふれる姿、そしてあの涙。まさにレジェンドの鳥が舞い降りた瞬間でした。
この瞬間に、観衆はメダルの色は忘れてその演技に感動し感謝したと思います。人を感動させるにはメダルの色は必要ないのですね~。録画して保存版にしておく価値のある瞬間でした。

エキシビジョンでの日本人選手の演技は特によかったと思います。スケートをかくも美しく、かくも格調高く、かくも大胆に、かくものびのびと、かくも楽しそうに舞うことが出きる・・・。オリンピックのメダルの巨大なプレッシャーが如何に重たくのしかかっていたのかがわかります。「重圧」はあまり好きな言葉ではありません。

「オリンピックは参加することに意義がある」と簡単に言ってしまうことはできません。先ず参加するための血のにじむ思いがあったのです。
今回のオリンピックでカーリングの面白さを知り、ハーフパイプの人間技に驚き、選手の並々ならぬ練習と苦悩や、持ち続けた強い意志に心を動かされました。
見たい競技の放送はほとんど真夜中。かなり疲れましたが、冬のオリンピンクが十分に楽しめました。


写真はマトリョーシカと、クリスタルガラスの内部にレーザーで3次元加工をしたもので、お土産に買ったものです。訪れた9年前のロシアは、学生ガイドの話によれば研究者の月収が1万円ほどとか・・・。まだまだオリンピック開催という雰囲気ではありませんでした。
それが今回のセンスと機知にあふれた開会式を見てロシアの伸びと力を感じました。




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ごぼうのスープ と 干し柿の炊き込みごはん

2014年02月10日 | 食・レシピ

子供の頃、ごぼうやコンニャクは「栄養がない」と教えられてきました。その頃は何が何でも肉類のタンパク質志向がまかり通っていた感じです。研究が進んだ今では、ごぼうは食物繊維が豊富ということで見直されました。
昨今、和食が「世界無形文化遺産」の賑々しいタイトルをもらうと、地味な色合いの食事もがぜん力を盛り返してきました。
食事のメニューが冴えなくても、「これ世界無形文化遺産よ」とおまじないを言うだけで、食卓では大きな顔ができるのですo(^-^)o 
以前、レストランでごぼうのコンソメスープを食べたことがありますが、期待に反して感激性のないふつーの味・・・。でもごぼうのスープという名前が妙に気になりました。そこで考えたのがこれです。

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さがきごぼうとシメジと、とろみをつけるためにご飯を入れてだし汁で煮ます。粗熱を取ってミキサーにかけ、それを鍋に入れ牛乳を注ぎ塩コショウで味付けるだけ。ご飯のとろみとごぼうの香りのおいしいポタージュ風スープができます。カタカナ書きだけど十分に世界無形文化遺産の和食です。

ご飯は「あさイチ」より「干し柿の炊き込みご飯」です。このタイトルを見た時に番組の司会者もゲストも、見ている私も、一様に表情がこわばりました。想像するだけで拒絶
反応をおこします・・・。
でも出来上がったご飯を食べてみると、スタジオのみんなはこの意外性に驚いたようでした。とても好評だったのです。ちょうど冷凍庫に頂いた干し柿があったので、私も作りましたが、結構いけます!栗ご飯がほんのり甘いけど、ちょうどそんな感じです。

材料: 干し柿・2個、 生シイタケ・2枚、シメジ・4分の1パック、れんこん・40g、米・1合、だし・200ミリリットル、しょうゆ・大さじ1
①干し柿は細かく刻み、トッピング用に細切り分を残しておきます。
②生シイタケは薄切り、シメジは小分け、レンコンは銀杏切りにして水にさらします。
③炊飯器にコメ、ダシ、しょうゆを入れて混ぜ、干し柿とそのほかの具を入れて炊き上げます。
④炊き上がったら器に盛り、細切りのトッピングと緑をあしらいます。緑は三つ葉となっていましたが、なかったのでほうれん草のおひたしの茎の部分を取り出して使いました。
 

 

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積雪40センチの「銀婚湯」へ③

2014年02月04日 | 国内旅行記

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夕食は部屋食ですが、朝食は汗ばむくらいに暖房が効いた部屋で食べます。雪見の朝食はまた格別です。
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味噌汁の具は「みみのり」。3月初旬の手のしびれるころ自分たちで採取したものだとメニュー表にありました。コリコリしています。しぼりたて牛乳のこの濃いさがたまりません。松永農園の卵は黄色が薄め。卵焼きがとてもおいしかったです。
外は粉雪が降っていますが、小さい鳥たちも朝食に訪れていました。黄色く見えるのは、鳥用のトウモロコシです。今年の冬は小鳥が極端に減って異常だとご主人が心配されていました。

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葉を落とした枯れ木は株立ちの美しさが見えて風情があるものです。緑をまとったもの、紅葉のものと四季に訪れてみたいものです。

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敷地の広大さを表すにはデジカメではとても無理ですが、写真を合成してみました。過ぎてみればあっという間の温泉タイムでした。帰るの日の空は荒れ模様。おかみさんの「千歳はちょっと雪が降ってもすぐ飛ばなくなるから」という言葉を軽く聞いていましたが、あとでやはりその通りになりました。

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長万部の駅でのスノーグラバーの跡形。右の簡易温度計はマイナス4℃を示していますが、体感温度は寒くはありません。私の防寒対策は綿のインナー、薄手のセーター、ちょっと重たいライナー付コート、薄手ウールのショール、手袋、靴下用ホッカイロです。薄着にしておかないと、室内でコートを脱いだ時に汗をかいて大変なことになりますから。

函館から千歳に向かう特急は大混雑。指定席の通路まで大きいスーツケースを持った外人客でびっしり。後でわかったことですが、函館は大雪で飛行場がマヒしていて急遽JRに切り替えたようです。冬の北海道はこんなことまで考慮に入れて旅行をしないとスケジュールがトラぶってしまうのが教訓になりました。


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飛行場に着くと、やはり運行中止や大幅な遅延が出ていました。左は搭乗が50分遅れた時の室内からの写真。右は搭乗後さらに1時間30分機内で待った時のもの。かなり吹雪いて滑走路は使えない状況に陥りましたが、長い待ち時間も私にはめったにない白銀の世界を飽くことなく眺めていました。
吹雪が止んでやっと滑走路の除雪作業が始まりました。薄暗い中で除雪車10台が列をなして滑走路の雪と戦っているのが、九州人の私には珍しい光景でした。ずらりと並んだ除雪車のテールランプの美しい残像が思い出に加わりました。

不安だった積雪の北海道の旅も、滑って転ぶこともなく白銀の美しい思い出が残る旅になりました。これで雪の中の旅にも自信がついたというものです。
札幌に住んだこともある姉から「その土地の人でも冬に一度は滑るというけど、無事に家に帰れておめでとう!」とメールが入りました。3週間前に私が階段から転がり落ちたことが心配だったようです。

 

 

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積雪40センチの「銀婚湯」へ② 野天風呂

2014年02月03日 | 国内旅行記

銀婚湯の敷地内には5本の源泉がありそれぞれに成分が微妙に違います。屋内の二つの大浴場と、そこからそのまま行ける二つの露天風呂があります。

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大浴場は湯温高めでピリピリとまさに成分が肌に浸み込む感じで、これぞ温泉と実感できます。ドアを開けて外に出ると雪見の露天風呂!これはまた格別です。湯温もちょうどよくどれだけでも入っていられて、まさに癒しの湯です。雪の時期は客が少なく、かけ流しの音だけがする静寂の世界を独り占めです。

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こちらの露天風呂はまた違った光景が楽しめます。内風呂で汗をかいたら冷たい外気の露天風呂へ・・・と行ったり来たりしながら楽しみました。

ネットの口コミでも人気が高いのは敷地内の隠し湯めぐり。ここが旅館の「売り」の部分でもあるようです。「6カ所」が隠れているようですが、冬季閉鎖しているのもあります。この雪の中ではシニアにはとても無理と思っていましたが、雪原を見渡すとがぜん勇気がわいてきました。

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トチニの湯を目指していざ参らん!」と、ちょっと緊張して旅館専用の吊り橋を渡って向こう岸に移動。旅館で長靴を貸してくれます。傘を杖替わりにして、膝を曲げ前傾姿勢でそろりそろりと歩きます。

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前日に通った人が幅30センチほどの道を作ってくれています。やはり雪中に「トチニの湯」を目指した人がいたのです。「先人の足跡」がなかったらとても行けなかったでしょう。雪のない季節は10分ほどで行ける野天風呂「トチニの湯」まで、雪中では30分もかかりました。
「無人の森に向かってトボトボと孤独な老人はどこへ向かうのか・・・」と、まるで暗い映画のラストシーンみたいですね。想像をたくましくして後方でシャッターを切る私は一人クスクスクスo(^-^)o
雪の中に傘を突き刺してみると50~60センチの深さ。うっかり雪に長靴をとられると大変です。『大きなカブ』みたいに、長靴を両手で引っ張らないとなかなか抜けません。 

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やっと着きました、巨大なトチの木をくり抜いて作った「トチニの湯」。アイヌ語でトチをトチニというそうです。源泉場所に作られているので離れた所にあるわけです。3人は入れる大きさで適温。フロントで専用鍵を借りて木戸を閉めれば、ほかの人が入ってくることはありません。
質素で小さな脱衣場があり、雪の中での脱衣はちょっと寒いけど、湯船につかる楽しみが倍増します。なるほど人気が高いのが納得できます。弱アルカリのナトリウム泉は気持ちよくお肌つるつる、息子のおすすめもここでした。

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数m離れたところに奥の湯(トチニの湯)があります。こちらはぬるいのでまた元の湯に逆戻り。

部屋に戻ってコーヒータイムの後、暗くなる前に「かつらの湯」に行きました。整然と植林したかつらの林の中にあります。Img_3111

35トンの巨石を運び込んで、それをくり抜いた野天風呂には野趣と温かさがあります。巨石を運び入れる際の大変だった話も聞かせてもらいました。
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巨石ゆえにここに上がるのに階段があり、ちょうど高床式みたいになっています。脱衣場は巨木の空洞になったものをそのまま利用したものです。
一見すると薄汚く見えますが、よく見ると全部敷地内にあるもので作ってあるのがわかります。最初から設計図があるわけでなく、作りながらあれやこれやと楽しい発想をしながら出来上がっていくとのことでした。効率を求め美しさを求める近代社会が失いかけたものがここにはある気がします。手作りの人の心の温もりも。だから「秘湯」が静かな人気をよんでいるのでしょうか。

夕食はヤマブドウの食前酒から始まり、ヤマブドウのデザートで終わりました。
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積雪40センチの「銀婚湯」へ①

2014年02月01日 | 国内旅行記

息子からフライト&温泉を計画しているので都合のいい日を、と問い合わせてきました。取りあえず1月下旬と答えておくと、届いたチケットは北海道の温泉旅館「銀婚湯」でした。北海道八雲町にある秘湯です。
下車駅・落部で旅館からの出迎えまで手配してくれて、本人は海外出張へ・・・。二人だけで行く積雪40センチの北海道に不安はつのり、20日前に階段から落ちたばかりの身ゆえ、まずブーツに取り付ける滑り止めを準備しました。

初日の日程は、福岡⇒羽田⇒千歳、  JRのスーパー北斗で南千歳⇒長万部(おしゃまんべ)、  長万部から各駅停車で落部(おとしべ)下車

 
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さすがプレミアムクラスになると空港のラウンジも特別。機内ではこんな朝食も出ました。そういえばずーっと前は普通にサンドウィッチなんかが出ていた気がしますが・・・。
長万部で30分の乗り換え時間があるので、売店で「
かなやのかにめし」を注文すると10分くらいでお店から配達してくれる、と息子のおすすめがあったのでその通りにしました。

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左手に海岸線、右手に陸地を見ながら1時間のんびり走る1両のみの列車で、乗客は数人。かにめしを食べながら、九州とはまるっきり違う白い世界をゆっくり走ります。とどめ置きたい贅沢な時間と空間でした。下車直前に、上の写真のような滑り止め装具「スノーグラバー」を靴に取り付けました。LとMサイズを旅行用品のお店で買って置きました。

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雪かきをしていないところは上左写真みたいに、どこがプラットホームなのかわからないくらいです。こわい、こわい。
右は、落部駅に停車した1両列車。半無人駅で少し雪を掻いてありましたが、凍ってしまってつるつる滑ります。でも準備していた滑り止めの金具ががっちりと雪を掴み効果抜群でした。

旅館の女将さんのお迎えの車で10キロほど山の中に入っていきます。道路は真っ白で私はひやひやでしたが、「雪かき車が毎日数回入るので助かります」と事もなげに運転されているのにはびっくり。そういえばどの車も普通に走っています。右に落部川を見ながら走ると15分もかからないうちに到着。「道」道ですが、信号がないだけに早いです。


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温泉旅館「銀婚湯」に到着。名の由来はテレビなどでもよく耳にしましたが、大正14年、熱湯の大量湧出に成功し、ちょうど大正天皇の銀婚の佳日に当たったため命名に至ったとか。「日本秘湯を守る会」会員旅館というだけあって古いもの、自然のものを残そうという強い意志が見られます。

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敷地9万坪は、1周1時間程度の散策コースがあるほど広大です。樹齢1000年のイチイの巨木あり、35トンの岩をくりぬいた野天風呂あり、枯れ木を利用したグッズがあちこちに配置されています。
目を細めてそれを語るオーナーの言葉から、旅館への愛情が子供へのそれと同種類のものであるのが感じられました。
まるっきり自然をそのまんま…でなく、注意深く計算して人の手を入れて、それがかえって自然を尊重してるような、そんな感じを受ける建物、敷地、野天風呂です。


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スタートの自家製マルメロの食前酒がすべてを語っているように、派手さはないけど丁寧に自然のものだけで作ってあります。
キトビロ卵とじは珍しい味でした。とりすきにつける卵がおいしく、近所の松永農園のものだとか。種類と量が多かったので、焼き物、ごはん、味噌汁、デザートまで箸が回りませんでした。

マイナス〇〇℃の世界と覚悟していたけれど、想像以上に寒くなく、特に館内は温泉熱、灯油、電気を利用したエアコンが効き過ぎてぽかぽかぽか。夜中はスイッチを切るほどでした。もちろん二重窓の効果もかなりありますが。
北海道電力の内部事情もかなりきつそうなのに、こんなに暖かくていいのかしら・・・、とつい主婦の心配が顔を覗かせました。

 

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