福岡から高速船ジェットフォイルで1時間5分の壱岐。しかし近くて遠い島・・・、今まで一度も訪れたことがありませんでした。
息子が出張のフライトを福岡発に変更して、その前に1泊で壱岐に連れて行ってくれました。ちょうど私の誕生日でもあり、「初めての壱岐」体験のいいきっかけになりました。
壱岐・芦辺港に着くと、すぐ眼の前に予約がなかなか取れないという壱岐牛の「うめしま」で昼食。180gのト~ロトロのサーロインステーキはとても食べきれませんでした。
昼食後に旅館から迎えの車が来ました。壱岐の歴史に詳しい従業員の方に案内してもらいながら1時間ほどの観光はラッキーでした。
魏志倭人伝では「一支国」として登場する大陸文化の中継地でもありましたが、女真族の掠奪や元寇での占領・損害など、大陸からの防波堤でもあったようで、歴史の名残があちこちに見られます。
横穴式古墳、中まで入ることができました。前方後円墳、当時の土木技術のすごさを実感しました。
宿は、昨12月22日に「日本秘湯を守る会」から認定されたばかりという「長崎県 湯本温泉 奥壱岐千年湯 平山旅館」です。
心にも肌にもすんなり馴染む木造建築。各部屋や廊下の書や生け花が素敵でした。
(じゃらんから借りた)写真の温泉は『千年のいにしえから沸きいづる赤い塩湯』の通り、源泉100%のかけ流しの湯で塩の味がします。部屋は2階の「星の間」。
夕食は、正月にも関わらず新鮮な海の恵みが悲鳴を上げるほど次から次に・・・。
とても完食できる筈がありません。配ぜん係の方に聞いたら「みなさん残されますよ」と。それでも申し訳なくて蓋物は蓋をしてそっと返しました。刺身の残りは翌朝「づけ」にして出してくださる心配りも。
食後にもう一度温泉に浸かるつもりが、みんな食べ疲れて就寝タイム・・・。
素晴らしかったのは朝食の食材。大女将自慢の農園で無農薬栽培された野菜のサラダ。今までに食べた野菜の中でもトップクラスの味でした。
若女将が「デジタル女将」として取り寄せた珍しい種を、広い農園で従業員総出で育て、蕎麦や蜂蜜まで自前だそうです。肥料には打ち上げられた海草やウニの殻、温泉のパイプにできた塩の結晶を使うそうです。
7種類の大根と3種類の蕪。特に大根類は甘くてフルーツ感覚でポリポリパリパリ。最大限の努力をして客をもてなす・・・、食へのこだわりがよく見えて大満足でした。
1丁1キロのジャンボ豆腐・壱州豆腐。豪快に竹のナイフとフォークで切り分けます。しっかりしていて壊れません。前日夕食のチーズ豆腐も濃厚でとろけるようなおいしさでした。
温泉の行先は当日知らされたので事前下調べが出来なかったのですが、帰宅後調べてみると、大女将はマルチに活動活躍されているのにびっくりしました。ラジオ、演劇、農園主催など等。
千葉出身という爽やかな若女将は、JTB主催の「21世紀を考える旅館」の論文で最優秀論文賞と賞金50万円を受賞されたとか。そういうことはおくびにも出さず明るく爽やかな接客に、西の海に浮かぶ壱岐の小さな島が俄然色を帯びて大きく見えたものです。
再び、穏やかで豊かなこの島を訪れるときは「電力の鬼・松永安左衛門」の記念館にも行ってみたいものです。
ブログを書きながら、あの食べ残した料理の数々が後悔とともに頭を駆け巡ります (´゜Д゜`;)