趣味と実益を兼ねてよく美術館を訪れる。
美術館はアイデアの宝庫であり、美しいもの、ケバいもの、気になるものが溢れている。
訪れると脳の細胞が強く刺激を受けるのだ。
訪れることの多いのは関西または首都圏の美術館で、とりわけ訪問回数が多いのは兵庫県立美術館と東京都写真美術館。
どちらも私のお気に入りの展覧会が開かれることが多く、かつ、適度な大きさで鑑賞するのに疲れにくいというありがたさがある。
もちろんどちらも公立の文化施設なので入場が安価でもある。
東京都写真美術館は複数の展覧会を同時に見ることができるセットになった割引チケットがあって、私のように出張のついでに訪れる遠方から訪れるビジネスパーソンには優しい美術館だ。
とこが最近は公共施設である都立や県立、府立、国立の美術館でも結構なお値段のチケットの展覧会がある。
例えば上野の東京都美術館で開催されているプーシキン美術館展ー旅するフランス絵画展は大人の当日券が1600円もする。
間もなく始まる国立西洋美術館の「ミケランジェロと理想の身体展」も同じ金額だ。
確かに映画と比べると同じぐらいだが、私の感覚では美術展は映画よりも手軽だとい認識があるので1600円はなかなか高直な感覚がある。
私一人で訪れても高いなという感じがするのに、もし家族で訪れたりなんかすると美術館めぐりだけで万円単位の入場料がかかってしまうのだ。
もうほんとに庶民の楽しみとは言えなくなる。
昨日、仕事が終わって帰りの飛行機まで少し時間があったので「建築模型ミュージアム」に行ってみようと思った。
建築模型ミュージアムは日本で唯一の建築物の模型を集めた美術館で東京モノレールの天王洲アイル駅近くにある。
私はお台場にいたのでりんかい線で天王洲アイルに出て、美術館を鑑賞して、モノレールで羽田空港に出れば「便利だ!」と思っていた。
しかもル・コルビジェの建築関連のイベントもやっているようなので、これは面白うそうだ。
ところがである。
この建築模型ミュージアムの入場料を見てびっくりしてしまったのだ。
入場料なんと大人3000円。
私は美術館で入場料に3000円も払った経験はない。
3000円というと浅草演芸場の入場料より高い。
比べるものが間違っているのかもしれないが3000円というと大金である。
ましてや私は大阪人。
アートに金は惜しまないが、それでも見るだけ3000円はなかろうというものだ。
腹が立ったので台場からりんかい線には乗らずにゆりかもめに乗って汐留にあるアドミュージアムに立ち寄った。
ちなみにこちらは無料である。
バリバリのブラック企業であるはずの電通のビルにあるアドミュージアムが無料で、ブラック企業と聞いたことのない建築模型ミュージアムが3000円もするのか。
世の中よくわからない仕組みになっているようだ。
アートを学ぶことは大切である。
しかしコストパフォーマンスも大切である。
珍しいからといって3000円はちょっと行き過ぎではないか。
もしかすると永遠に訪れることはないかも知れない美術館ではないだろうかと思ったのであった。
できたばかりの頃に行ったときは確か1000円だったように思うのだが。
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