私は子供の頃から何かが壊れると自分で修理をするように心がけている。
修理するほうが新しいものを買うよりも、ずっと安価だと信じているからだ。
しかし多くの場合、修理は容易ではない。
だいたいが途中で挫折するか、さらにひどい状態にさせてしまうか、違うものになってしまうかなのだ。
現実は難しい。
共通しているのは「部品が無駄になる」こと。
せっかく買い求めた部品が台無しになってしまい、なんのために高い費用をかけたのかわからなくなる。
最近の成功事例は10年ほど前に購入したP社製の電動ひげそり。
長い間使用してきたために電池が弱り、充電式にも関わらずAC電源を接続していないと動かないという事態になっていた。
これを修理に出すのか、それとも自分で電池を交換するのか大いに悩んだ。
結果、インターネットで動画た機種の電池交換手順が載っていたのでそれを参考に交換することにした。
ネットでは電池はアマゾンで買え、となっていたが近所の上新電機に確認したらアマゾンの1/3ほどの価格だったのでそこに注文することにした。
なにもかもネットが安いとは限らない好例であった。
届いた数百円の電池は普通はメンテナンス会社が使用して取り替えることになっているのだが、私はネットに乗っている手順に従い電動ひげそりを分解。
古くなった電池と新しい電池の交換に成功した。
復旧する時にいたうものようにケースを破損しそうになったがなんとか組み合わされ、無事に充電できることも確認した。
なんと新品と同じ元気さを取り戻し、もはや常にAC電源に接続する必要もなくなった。
この電動ひげそりに自信をつけて修理に挑んだのが「傘」なのであった。
傘と言えばとっても簡単な構造で、正直言って修理する価値があるのか不明なくらい安価なものである。
100円ショップで200円も出せば立派な折り畳み傘が購入される時代だ。
それでも少々高価な日傘やかみさんや娘が気に入った模様の傘は壊れたからと言って簡単に捨てるわけに行かず、折り曲がった骨のまま無理して使っていることもあるのだ。
先日、娘が折り曲がった骨の日傘を使って学校に行っているので、
「おい、そりゃ格好悪いやろ。お父さんが修理したるわ」
と言って買ってきたのが100円ショップで売られている修理キットなのであった。
修理キットには傘の先っぽのプラスチック部品や折れた骨をつなぐ金具数種類。
ぱっと見は何に使うかわからないちっこい金具などがセットされていて取説もついている。
「これはすごい」
とばかりに傘の修理にかかったのだが、これが意外に難しい。
傘の骨というのは簡単のようで頑丈に作られていて折れた部分を小さな金具でかしめたところで十分に接合できないことがわかった。
てこの原理で長い2本の骨に風などの力がかかり反り返ると全長4cmほどの金具など一瞬で折れ曲がるのであった。
「傘など簡単さ」
と言った手前、なんとしてでも修理を完了したいと思ったのだが、ペンチを使ってかしめたり折り曲げたりしたりするほど、どうしようもなくなり傘は単なる線細工と貸してしまったのであった。
「アートや」
と言ってごまかすには明らかに無理な造形になってしまっていたのであった。