<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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JR阪和線の関空快速に乗っていて液晶画面に流れる家電メーカーらしき広告に見ていると、初めて見る会社の広告が流れた。

「AQUAは日本生まれのブランドです」と。

なんじゃい、AQUAって。
トヨタのパクリか?

本来ブランド名が出るときはその背後にいる親元の企業もしっかりと伝えられることが一般的だ。でもあえてその親元を隠してブランド構築することもある。
例えばトヨタのレクサス。
親元をあえて隠して高級さを引き出す戦略で誕生したブランドだ。
一方GUやオールドネービーはユニクロやGAPといった親元より安価で展開するためのブランドだ。親元を隠すにはそれなりに理由がある。

でも、家電でそれは最近は珍しい。

1970年代のオーディオブームのとき。
各家電メーカーは高級音響をイメージしたブランドをそれぞれ繰り出してイメージ戦略を展開した。
まさか洗濯機とステレオアンプを同じイメージ売ることは考えられなかったのだろう。

だから各メーカーは名称に凝った。
松下電器産業はテクニクスかパナソニック。
東芝はオーレックス。
三菱はダイヤトーン。
オーディオ専業メーカーはもともとイメージがつながっているのでソニーやパイオニア、ビクター、オンキョー、ヤマハ、サンスイ、アイワなどはそのままだったが、トリオはケンウッドに社名変更。その後アカイは三菱と一緒になってA&Dになったように記憶する。

ブランド名が物申した時代だった。

で気になる「AQUA」はどかかいな、と調べてみた。
するとなんと「ハイアール」の日本法人が日本に合わせて変更した社名だった。

中国の巨人ハイアールは三洋電機の白物部門を買収したりして日本展開を開始したが、やはり中国&安物意識が消費者にある。
そのイメージは決してポジティブではないわけで、もしかすると販売が伸び悩んでいたのかもしれない。
そこで生まれた作戦が「元の社名をださないブランド展開」。

韓国のサムスンの「ギャラクシー」はその代表だ。
これは韓国と聞いただけで「もうええわ」というアレルギーができてしまった日本人に「サムスン」を意識させずにスマホを買わせるためブランドだけで展開している最大の例だ。
だからAQUAも同じ。
中華文化圏特有の戦略なのか。

オーディオブームのブランド戦略とは随分異なるが、この先どうなることやら。
日本で生まれた中国のブランド「AQUA」。

なお、どこの製品かという以前に日本人は正直じゃないと受け入れないことをお忘れなく。

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