ジャック・ニコルソン演じる映画「恋愛小説家」の主人公は極度の潔癖症。
手を洗うたびに固形石鹸1個を使用する。
つまり1回使っただけでその石鹸はそのままゴミ箱へ。
冒頭にそういうシーンがあるのでびっくりしてしまい、見ている観客はズズズっと物語に引きずり込まれるのだ。
私も引き込まれた。
この映画のストーリーはなかなか優れていて助演のヘレン・ハントも素晴らしい演技で確かアカデミー賞を受賞したように記憶している。
この映画のジャック・ニコルソンならずとも潔癖症の人は少なくない。
とりわけ新型コロナウィルスの蔓延で日本国内は1億総潔癖症という感じで少々行き過ぎではないかと思うところもなくはない。
どこでもアルコール消毒、どこでもマスク、どこでもゴム手袋、という感じだ。
外出から戻ってきたら即シャワーで、外出中はできる限り公衆トイレは使用しない。
電車に乗ってもつり革は持たずバランスをとって立ち続ける。
間違っても座席に腰を掛けるなんて大胆なことをしてはいけない。
もちろん外食はだめ。
どうしても食べたいときはコンビニでオニギリかサンドイッチを購入して包装ビニールを持った手で直接本体を触らないのが重要になる。
ペットボトルのお茶は奥から取り出し飲むときは栓のネジを綺麗に消毒。
ここでも流行りの紙コップのブレンドコーヒーを買ってはいけないのだ。
このままいくと来年の今頃はみんな宇宙服を愛用しているのではないか。
と大げさながら思ってしまう今日このごろなのだ。