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昨日は福島でガス爆発があったり全国で1300人を越える新型コロナウィルスの感染者が確認されたというニュースが流れたが、最も大きなニュースは台湾の元総統・李登輝先生が亡くなったというものだった。

李登輝先生は現代日本人よりも日本人らしい方であった。
戦中京都大学農学部に入学しその後戦後は台湾に戻って台湾大学に編入。
卒業後は大学助手からキャリアをスタートしたという。
日本語が堪能で、というよりも日本語が思考するための言語であり、婦人と家で話すための言葉であり、著書を著す言葉でもあった。

台湾を中国から切り離して台湾というアイデンティティを認めた人でもあるのだろう。
台湾国の民主化には非常に尽力され、今の自由で日本とイデオロギーや文化歴史も親しい台湾を育てた。
台湾と日本という2つの祖国を持っていたといっても過言ではなく両国の国民、とりわけ私のような昭和30年代40年代生まれ以降に及ぼした影響は小さくないのだ。

総統に就任したあとの改革は印象深い。
私自身で調べたわけではないのだが、当時最初に実施したのは台湾行政区を日本統治時代に戻したという。
その方が合理的というような理由だった。
言論の自由を認め蒋介石、蒋経国時代を終焉させ自由主義で台湾で経済や文化を発展させた。
今や台湾は先進国であり日本にとっての重要なパートナーであり唯一の兄弟国と言えるのかも知れない。

李登輝元総統。
肉体は死しても思想と生き様は台湾、日本両国に生き続けることだろう。



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