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萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

遥響、孟夏の梢―万葉集×芭蕉発句

2013-07-13 23:12:33 | 文学閑話韻文系
光の夏梢、静謐そよいで 



遥響、孟夏の梢―万葉集×芭蕉発句

夏山の 木末の繁に霍公鳥 鳴き響むなる 聲の遥けさ 大伴家持
なつやまの こぬれのしげにほととぎす なきとよむなる こゑのはるけさ

夏山の緑繁れる梢で時鳥が鳴く、
高らかに響く聲が遥かに届くよう、僕の聲も聴こえる?
あなたを想い呼ぶ聲は沈黙に秘めていても、遥かに心響いて君に届いてほしい

上述は『万葉集』第八巻に掲載の夏雑歌、夏の風物を謳った詩歌です。
だけど相聞歌に意訳してあります、ホントはもっと色っぽい訳な表現も多いけど、笑

夏に静けさを詠むことが日本は多いかなって思います。
湿度も気温も高い日本の家屋は夏を軸に考えた構造、それほど夏は最も厳しい季節とされてきました。
そんな夏に詠った家持は時鳥の鳴き声に静寂を感じていますが、千年ほど後は別の生物で表現しています。

古池や 蛙飛びこむ 水の音
閑さや 岩にしみ入る 蝉の声

教科書ナンカで見たことあると思いますが、松尾芭蕉の句です。
蛙の水音や蝉時雨、どちらも当時は身近な風物に静謐を詠みこんだトコが特徴かなと。
この身近さはある意味で庶民的、そんな親しみやすさが俳句を流行らせたバックグラウンドでもあります。
ソコントコを詳しく知りたいなと思ったら、ドナルド・キーン博士の『奥の細道』を描いた著作を読んでみて下さいね、笑




昨夜UPの短編「照らす青澄」加筆終わっています、すこし校正するかもですが。
そのあと第66話「光望6」か短編を掲載予定しています。

取り急ぎ、



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