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萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:森の住人

2013-07-20 23:56:44 | 写真:山岳点景
森の摂理、その相克



山岳点景:森の住人

こんばんわ、今日は山梨県に居たんですけど空の真青が佳かったです。
で、八ヶ岳下部の標高1,906m賽の河原から美し森山頂まで歩いてきました。
名前の通り美しい森が広がる山なんですけど、樹木の枯死を幾つか見ました。

木は樹皮を一周ぐるり剥かれたら枯れます、そして鹿は樹皮を好んで食べます。
なので一本の木だけ集中して食べれば枯死です、それを防ぐために木の表皮にプロテクターを巻きます。
そんな様子が写真にある木の腹巻姿なんですけど、コレ、八ヶ岳だけじゃなくアチコチの山で困ってるんですよね。

狩猟者の減少から鹿が繁殖しすぎた結果として森が枯れていく。
だから最近では地元の猟友会などが狩り、鹿の頭数を減らす試みも行われています。
こういうのって都心部に住んでいると遠い話っぽいですけどね、人間なら誰もが自分事。

森の枯死=水源林の減少=水不足

ソンナ水に繋がる連鎖が森から動物全てにあるワケです。
もちろん森の枯死は鹿の食害だけが原因じゃありません、無計画な林道開通や大気汚染など色々です。
そんなふう考えると森を枯れさせている一番の原因は結局のトコ、人間にあるってなります。

鹿と森と水と人間、そんな相克は連載中の小説でも書いていますけど。
猟友会による鹿狩りや流れ弾の件などは山のリアルを題材にして描いた部分です。
ああいうのって書いていても哀しい、それでも現実で、ソウイウのこそ大切かなって書いてます。

そしたら今日、ばったり鹿の親子に会いました。
で、目の前で見ちゃえばやっぱり可愛いんですよね、笑
夏の今は春生まれの小鹿が母鹿と歩き回っています、で、やはり親子は撃たないのだとか。
ナンカそういうのって人間としてというよりも、生物として謙虚で良いなって思います、笑




そんなわけで今日は一日外でした、
なので「光紗の香The middle stage 2」加筆校正は今からスタートです、笑

取り急ぎ、






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光輝、花に葉に―Shakespeare×Wordsworth+Donald L Keene 鬼怒鳴門

2013-07-20 00:27:20 | 文学閑話散文系
光、草に花に言葉に、そして文学 



光輝、花に葉に―Shakespeare×Wordsworth+鬼怒鳴門

Three winters cold
Have from the forests shook three summers’ pride,
Three beauteous springs to yellow autumn turned
In process of the seasons have I seen,
Three April perfumes in three hot Junes burned,
Since first I saw you fresh, which yet are green.

三つの冷厳なる冬たちが
三つの夏の驕麗を揺らがせ森から奪い、
三つの美麗な春を黄金の秋へ廻らせゆく
そんな季の移ろいを私に見せた、
三つの恋愛月の香気は三つの熱き婚姻月に燃え、
無垢な君を見つめた初めての時から、初々しい翠のままに。

William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet 104」の抜粋&自訳です。
Aprilは愛と美の女神アフロディテ、Junesは結婚と幸福の女神ユーノーを意味する月名になります。
で、この「Shakespeare's Sonnet」はシェイクスピアが一人の男性に恋し称える詩なんですよね、笑

「あなたの国のシェイクスピアは何と言う名前ですか?」

これは欧米では無難な話題の一つだと、ドナルド・キーン博士が教えてくれました。
それくらい彼は英文学が誇る文豪として知られていますが、このソネットを読むとちょっと印象変わるかなと。
敢えてココには掲載しませんがカナリ直球ストレートな表現もあって、以前掲載のブレイクレベルR18な部分も。
ちょっと危ないくらいドップリな恋愛詩なんですよね、モチロン美しい表現も沢山あるんですけど。
で、コレがシェイクスピアの素顔&真骨頂かなって思います、文学自体がコンナもん、笑



Though nothing can bring back the hour of splendor in the grass,
of glory in the flower, we will grieve not.
Rather find strength in what remains behind.

何ひとつ戻せない、草に光宿らす時も、
誇らかな花の輝きもそう、けれど哀惜に沈まなくていい
むしろ後に名残らすものにこそ強い力は見いだせるから

William Wordsworth「Splendor in the Grass」草の光輝っていう詩です。
第67話「陽向1」にも引用しましたが、ワーズワスの代表作の一つになります。
コレもそうなんですけど、自然の中に摂理を詠みこむのがワーズワスの個性です。
で、こうした自然に心情や摂理を謳うのはワーズワスに限らず英国詩には多く見られます。
ソノヘン日本の詩歌とも共通していて面白いんですよね、笑



なんて言われると、日本の短歌など古典はツマンナイって印象の方多いと思うんですけど。
ぶっちゃけ学校の国語がツマンナイからそう思うだけで、ホントは日本古典って世界に誇れるほど面白い。
なんでツマンナイかっていうと授業は文法重視で「文学」作品の内容を軽視するから当然ツマンナイってわけです、笑
でもって日本から一番遠い島国でも『源氏物語』はベストセラー、それは現地の現代語訳だから内容重視で読めるからです。
たぶん『万葉集』を始め多くの日本文学は世界に誇れるほどオモシロイ、そこんとこ日本人がいちばん知らないだろうと思います。

なんてコトいつも考えていたら先日、ドナルド・キーン博士の講演会に行ったら同じこと仰ってました。
あの先生は本物の天才の一人だなって思います、ナンでそう思うかって言うと話の内容が鋭敏&解かりやすいから。
よく偉い先生の話は難しくて解らないって言う方もいますけど、実は逆でホントに偉い一流の学者は話が易しいんです。
モチロン話している内容は深遠広大、だけど言葉の選択と話順や雰囲気が親しみやすい工夫を何げなくされています。
難しいことを難しく話すのって簡単だけど、難解を解かりやすくするのは才能が必要って事です、笑

で、タイトルの「鬼怒鳴門」はドナルド・キーン先生の雅号だそうです。
ふざけて遣うと仰っていましたがコノ名前には奇縁?なエピソードもあったりします。
そんなキーン博士は狂言や能も修めている方で、ホント日本人より日本を知ってるなってトコ多い方です、笑
もし日本文学の論文に触れるならキーン先生の『百代の過客』はおススメ、日本の日記文学を比較文学の視点からも記されています。
先日の公開講座では、既に日本へ帰化された先生は「Donald L Keeneことキーン ドナルド」とパンフレットにも書かれていました。



さっき「光紗の香The middle stage」加筆校正ほぼ終わりました。
このあと続きをUP予定です、で日付変わったけど次は第67話「陽向2」か短編UPします。

取り急ぎ、





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