萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:異国の銀嶺

2016-02-25 23:56:00 | 写真:山岳点景
Kongeriket Norge



山岳点景:異国の銀嶺

北緯はるかな空、ノルウェーです。



どれも6月の写真です、いちばん上はナンタラいう山岳地帯。
2枚めは宿の庭から撮ったものです、フィヨルドの畔にある閑静なホテルでした。
この時季は白夜に近づくときで日没は23時くらい、こんな↓カンジになります、泊っていた部屋から撮りました。



アーベンロート、夕陽で雪山が赤くそまる現象です。
ノルウェーは山とフィヨルドの国で水資源が豊富、水道水がフツーに飲めます。



この滝↑なんだか有名らしいんですけど、名前を忘れました、笑



ノルウェーの6月は初夏、風がさわやかで日中はシャツ一枚×朝晩はやや寒かったです。
街は薄紫のライラックが満開で、川や牧草地帯は黄色い花をよく見ました。



滞在中ずっと晴天、フィヨルドのクルージングも青空で水鏡がきれいでした。
雪山と水面から吹く風は冷たくて、マフラーなど防寒が必要なくらいです。



船にいるとカモメが群れます、笑



そして山上は雪と氷の世界、水上×平地×山それぞれ体感温度が違います。



海外まで行っても山か植物ばっかりかよ?なんて意見もあるかもしれないので外国っぽいヤツも、笑



オスロのヴィーゲラン彫刻公園、彫刻家ヴィーゲランの作品が見られるトコなんですけど。
有名かつ人気なのは「おこりんぼう」↓ダダコネまくる子供が待っています。



緯度の高い空は青くて山×水のコントラスト綺麗でした。
建造物もアレコレ撮ったんですけど、また機会あったらまとめます、笑


撮影地:ノルウェー

ノルウェーは食べ物がおいしかったです、特にサーモンがすごい分厚いデカい美味しい、笑
ニシンの塩辛みたいなヤツも好みでした、朝食にパンとチーズとハムが十数種類も並んでいたことも印象的です。
肉料理ではトナカイのロースト×リンゴンベリーソース、イギリス人のおっさんはブラウンソースじゃないとダメだと主張していました、笑
第56回 海外生活、旅行ブログトーナメント

にほんブログ村 写真ブログ 山・森林写真へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ 

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第84話 整音 act.3-side story「陽はまた昇る」

2016-02-25 22:25:43 | 陽はまた昇るside story
And thou like Adamant draw mine iron heart
英二24歳3月



第84話 整音 act.3-side story「陽はまた昇る」

視界が緋色に変わる。

「…今なんて言った?」

這うような暗い声、これが自分の声だろうか?
わからない、けれど唇が動いて声が這いずる。

「…どこの病院の駐車場で、誰が誰に撃たれたと言った?」

低い暗い声が詰問する、その唇ちかく影の耳ふれる。
ふれる香かすかに懐かしい、その記憶ごと制服の影を羽交い絞める。

「言え…どこの病院の駐車場で、誰が、誰に、撃たれた?」

問いかけごと腕みしり軋む、筋肉が隆起する。
警察病院の屋上に風は凍えて、それなのに脳髄から熱い。

「いえよ…伊達?」

ぎしり、体内また軋み響く。

ミリタリーコートひるがえって風が凍る、なぶる風に朝陽が昇る。
あざやかな緋色に墨色ゆれて流れて、かすかな呼吸音に言われた。

「…うでをゆるめろ、話せない、」

低い声そっと制帽の横顔かすめる。
朝陽かすかに照らす翳は視線こちら見て、低い声が笑った。

「は…なるほど?」

低く笑って覗きこむ、その黒い瞳まっすぐ澱まない。
精悍な眼ざし見つめて視界が穿たれて、瞬間、制帽ごと影が消えた。

「っ、」

反転、ひるがえすミリタリーコート視線を奔らす。
昇る緋色コンクリート弾く、あふれゆく朝焼に低い声は徹った。

「評判通りの馬鹿力だな、鷲田英二、」

声ふりかえった真中、制服姿が向かい合う。
いま捕まえて、けれど脱け出した男は口開いた。

「おまえが岩田を説得するのは難しい、だから湯原は撃たれた、」

あのひとが撃たれた、本当に?

「…っ、」

コンクリート蹴って腕を伸ばす、けれど掴めない。
風だけ掴んだ屋上の隅、制服姿は低く笑った。

「取り乱すな、湯原にがっかりされるぞ?」

低く沈毅な落ちついた声、でもさっきと違う?
かすかな変化に瞳を細めた先、制服の右手はホルスターの蓋を閉じた。

「おまえも収容された長野の病院だ、あの病院の駐車場で湯原は岩田に狙撃された。質問はそれだけか?」

淡々、冷静な声が話して問いかける。
その顔ゆるやかに朱色が照らす、明けだす風に唇が動いた。

「…周太はどこだ?」

ただ知りたい、願い見つめる真中で制帽の貌すこし笑った。

「岩田がどうなったか、興味ないのか?」
「周太はどこだ?」

訊き返して、ぎしり腕の深く軋む。
腕も指先も肌ふかい底ひしめく、異様な感覚にまた訊かれた。

「湯原の居場所を知ってどうする?」

生か死か?

それすら聴いていない、まだ何も解らない。
それでも決まっている答そのまま告げた。

「追いかける、」

だって君の隣が自分の居場所、それしかない。
ただそれしか今は解からない、唯ひとつ願って、けれど言われた。

「じゃまな湯原を消すつもりか?」

なぜ?

「…どういう意味だ?」

なぜ自分が「湯原を消すつもり」になるのか?
こんな質問わけが解からない、理不尽こみあげるまま言われた。

「鷲田克憲の後継者に男の愛人はじゃまだろ?」

ほら、視界また緋色にそまる、さっきより赤い。
がつり脳髄つきとばす熱あふれて腕また伸ばして、その右手首を掴まれた。

「落着け、この程度で逆上せてどうする?誠実で冷静で優秀なんだろ宮田英二は、」

右手首じわり温度が沁みる。
動けない、けれど痛くはない、そんな捕獲者に微笑んだ。

「この状況で優秀と言われたら皮肉ですよ、SATの狙撃手みたいなエリートに、」

この男は「エリート」そう認めざるを得ない。
だって今いくど揺すぶられたろう?唇かすかに噛んで笑った。

「俺の愛人なんて言ったら、きっと怒られますよ?」

きっと怒るだろう、それとも泣いてしまうだろうか?
記憶の貌に微笑んだ傍ら、右手首ふわり放され言われた。

「巧い答えだな?肯定も否定もしないで止めてくる、」

ほら解かっている、やっぱり優秀だ?

―こういう男が周太のパートナーに選ばれたのは、誰の意図だ?

また考えめぐりだす、脳裡から熱が退いてゆく。
狂わされていた呼吸ひとつ朝陽みて、それから口開いた。

「俺の正体を知りたかったら戸籍でも確かめてください、伊達さんなら解かるよ、」

それが早道だろう?
考え左手首を見て、確かめた文字盤に笑いかけた。

「病室に戻ります、付添人が待ってますから、」

踵を返して、とん、スリッポンのソールが鳴る。
このまま訊いても答えない、それなら今は距離とるほうがいい。

―伊達は周太の居場所を知ってる、今ここで言うつもりもない、

もし伊達が「守る」つもりなら今この場所では口に出来ない。
この警戒は当然だろう、朝陽ふるコンクリート歩きかけて言われた。

「あと伝言だ、湯原はここにいない、」

どういう意味だろう?ふりむき尋ねた。

「誰からの伝言だ?」

周太の居場所を伝言してくる?
その真意に見つめた真中、低い声かすかに笑った。

「おまえと眼が似た人だ、」

告げて、制服の影が扉へ消える。
靴音ひとつなくて、閉じる前ドアノブ掴まえ微笑んだ。

「さすがだな、」

誰もいない階段、狭い空気ただ静まる。
窓の光こまかな埃が舞う、消えた気配に踏みだした。

たん、たん、

降りるごとステップが鳴る、埃きらめいて落ちてゆく。
スリッポン敲くごと左肩うずく、ときおり左脚も痛み刺して笑った。

「つっ…よく動いたな、俺?」

この脚で格闘した、あの相手と?

我ながら呆れて可笑しくて、本音あらためて知らされる。
こんな脚で跳んでしまった、それは単純に唯ひとりの為だ。


(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】

無料ランキングサイト参加中
にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雑談夜話@寒夜の安穏

2016-02-25 01:14:18 | 雑談
霙ふる夜に



雑談夜話@寒夜の安穏

最寄駅をでた道、街燈きらきら白いモンふってくる。
あれ?思ってコートの水滴を爪にすくったら氷の粒だった。

うわー霙だ、笑

って笑ったのは冬を満喫しきってない欲求だろう。
今日は朝からヤタラ寒くて、昨日はスーツ×マフラーだったけどコートかなあ思って、
その選択は正しかったなー思いながら歩く道、白いものふるアスファルトはきらきら光っていた。
ソンナワケで寒かった帰り道、着いた家の温度×悪戯坊主のお出迎えにシアワセほっこりしたのは仕方ない、笑

おかえりっ、撫でて抱っこして?

なんて緑の瞳きらきら見あげられて抱きあげて、
肩に乗っけたまま靴を脱いで、ゴハンあげて、それから熱いシャワーでさっぱり×温まって、
で、熱いコーヒー飲んだらヤタラなんだか美味しかった。

あー寒い時は温度がいちばんご馳走だなあ、

なんて思いながらブルーレイ再生して今ココだけど、
こういう安堵感は忙しかった日の終わりほど充ちているんじゃないだろうか?
そんな深夜のんびりひと時に真白もふもふは眠たげに寝そべっている@冷蔵庫の上。
こういう時間はなんでもない普通の日常、そういう普通がいちばんイイな思うからもう少し起きていたくなる、眠いけど。

張りつめた分だけ気ゆるめて寛いで、って幸福感はたぶん悪戯坊主も同じらしい、笑


熱いコーヒーと悪戯坊主は自分の幸せです、笑
第114回 過去記事で参加ブログトーナメント - 演劇・ダンスブログ村
第114回 過去記事で参加ブログトーナメント

にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ FC2 Blog Ranking
著作権法より無断利用転載ほか禁じます

PVアクセスランキング にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする