萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

深夜雑談、秋の夜長に

2020-09-18 23:38:00 | 雑談


日暮れが早くなった、それから虫の声。
朝晩も空気さわやかで、そういうのが秋だなー思わせてくれる。
そういう季節の感覚が、ここに住んでよかったなあと。

今のウチは引っ越して2年半なんだけど・
前のウチは街中とはいえ自然林も残っていて、いいとこだった。
今は田園のんびりしたとこで、けれど最寄り駅が前よりカナリ近い。
買い物も店あれこれあるから困らない、なによりも、静かになった。

前のとこは割と騒がしかった、今思うと。
飛行機やら車やら賑やかな時間帯もあり、隣家の音も聞こえることがあった。
けれど今ここで聞こえるのは、虫の声だ。

まー昼間たまーに子どもの声イクラナンデモウルサイゾって時もあるけれど、笑
まーソレが在宅になってる今はたまーに困ることもあるんだけれども・
コロナウィルスで外出自粛のときはホントヒドイ時もあった。
わめいたり泣き叫んだりっていう子もいた・まー子どもだってストレスあるよなあと。

新型感染症で友だちと気軽に会えなくなったけど、
反面・困りごとの解消もあった。
去年あたりから夕方はご近所ママ友の会→道路族してたんだけど。
コロナウィルス感染予防が謳われるようになってから、道路族も縮小化してくれたのはカナリ良かった、笑

友だちってイイモンのはずなんだけど、
そのママ友さんたちは勢力争い?マウント合戦なカンジだったから・止めてくれて良かったんじゃーないかなあと。

やたら声デカい→声デカいもん勝ちみたいな主導権争いオーラは騒音レベルでうるさかったし、
日没暗い×寒くなっても立ち話続行→子ども「寒いよー」まま「寒いの我慢してるんだから!」
なんて声が帰宅してきたときに聞こえた時はジャアヤメテ家に入れよ思ったし、笑

そーゆーの元から住んでるご近所先輩さんたちから迷惑だって声も出ていた、
そーしてコロナウィルス子ども騒音勃発したから、なおさら旧×新みたいなカンジにもなりかかり、
だったんだけど・コロナウィルス接触自粛→井戸端会議も縮小消滅してくれたから平和になった、笑

そんなこんなで虫の声がよく聞こえる、
静かな夜長はイイもんだなあ・とあらためて思いながら、
週末前夜の今日はなおさらマッタリな今が幸せだなあと。

なんて書き流している今夜・甘いもんやたら食べたくなって、
もらったエクレア(セブンイレブン)×ワインなんてメズラシイとりあわせ晩酌も幸せで、
かたわらにゃーにゃ―騒いだり寝たりしている悪戯坊主に幸せです、笑

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九月の花里、曼珠沙華

2020-09-18 19:28:00 | 写真:里山点景
夕霧あわい、朱色やわらかな里の秋 
里山点景:彼岸花ヒガンバナ2016.9


秋初めの午後、すこし霧けむるような里に赤×黄×緑の三色がきれいでした。
残暑まだ厳しい日もあるけれど・山野は花も風も雨も凛ときれいです。
【撮影地:埼玉県秩父地方2016.9】

リアル山ずーーーーーっと登れていない→ナマりそうでマズイです。
緊急事態宣言出てないとは言っても×県境越えての外出自粛で近場の里山散歩・のち午後はおうち時間なココントコ週末、笑
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銀色の波、雲上花園

2020-09-18 12:31:00 | 写真:山岳点景
稜線さざめく穂波、天上の青と銀
山岳点景:ススキ原@山上花園2017.9


秋初めの午後×標高1,700メートル、陽に透ける銀色がキレイでした。
残暑まだ厳しい日もあるけれど・山野は花も風も雨も凛ときれいです。
【撮影地:山梨県高原2017.9】

リアル山ずーーーーーっと登れていない→ナマりそうでマズイです。
緊急事態宣言出てないとは言っても×県境越えての外出自粛で近場の里山散歩・のち午後はおうち時間なココントコ週末、笑
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第86話 建巳 act.12 another,side story「陽はまた昇る」

2020-09-18 10:50:10 | 陽はまた昇るanother,side story
A 5 ou 6 heures du soir 
kenshi―周太24歳3月末


第86話 建巳 act.12 another,side story「陽はまた昇る」

僕の結婚は、望まれる?

問いかけた食卓、醤油あまやかに湯気くゆる。
甘辛い香やわらかなテーブル、母の瞳ゆっくり瞬いた。

「周、その結婚っていうのは…」

やわらかなアルトが自分を呼んで、黒目がちの瞳が見つめてくれる。
途切れてしまった問いかけに周太は続けた。

「ん、女のひととする結婚だよ。男と女で夫婦になって家庭をつくる結婚、」

女性と結婚して、家庭をつくる。
このことは前にも母と話した、でも今あらためて聴きたい。

「お母さんは、僕に結婚してほしい?」

問いかけて見つめる真ん中、母の瞳が見つめ返す。
その真摯な眼ざしが訊いてくれた。

「周太、おばさまに何か言われたの?英二くんのこと、」
「ん、言われたよ?」

素直に認めて微笑んで、母の瞳かすかに大きくなる。
その唇ひらきかけて、けれど周太は続けた。

「でもね、おばあさまに言われたからってわけじゃないよ?僕自身が考えたことなんだ、」

ずっと、ずっと考えてきたこと。
その始まりの時間ただ素直に声にした。

「おかあさん、僕はね、明日があるって思ってなかったんだ、」

明日があるなんて、思っていなかった。
それが誠実ではなかった自覚に口ひらいた。

「警察官になって、お父さんを追いかけることに人生を懸けるつもりだったんだ、だから同じように殉職すると思ってた、」

こんな告白、きっと母は苦しい。
けれど同じだった瞳を見つめて、ありのまま声にした。

「僕は死ぬから、だから今この時だけ幸せならいいって思ってたんだ。だから英二と一緒にいたんだ、」

死ぬから未来なんてない、そんな考えは自暴自棄だ。
そして誠実じゃない。

「明日なんかどうでもいいって思いながら一緒にいるなんて、相手の明日もどうでもいいってことでしょう?僕は英二に無責任だったんだ、」

本当には考えていなかった、自分は。
そんな等身大そのまま声になる。

「お父さんはお母さんに言ったよね、警察官だから明日がわからないけど、今この瞬間あなたを精一杯に幸せにするって。でも僕は違う、」

ほろ苦い口もと、けれど心そっと根を下ろす。
違うと認めて、声にして、こんな自分のままを告げた。

「明日なんてないから結婚も、将来のことも本当には考えてなかったんだ。ただ無責任なだけ、」

ただ無責任だった、自分は。
それでも愛しているなんて言えるのだろうか?その過ごしてしまった時間の涯、そっと訊かれた。

「どうして周太は、そんなふうに考えるようになったの?」

どうして?
問いかけてくる瞳が自分を映す、この眼ざしにも僕は無責任だった。
だからもう今からは遠慮なく言ってほしい、向きあいたい願いに口ひらいた。

「新宿の交番にいた時、道端で亡くなった人がいたんだ、」

声にして記憶また疼きだす。
新宿のガード下、死にゆく男の声。

『救急車を呼んで警官を抱き起した、そのはずみ、そのボタンが外れて、俺の左掌に』

告げられた事実、その声に消えてゆく命。
最期にふり絞ってくれた声「そのボタン」は誰のものだったのか?

『警官、は…名前を呟いた。そして息が、止まった、』

最後の声ふりしぼる瞳、あの眼が見つめてくれた命の最期。
その眼が尽きる瞬間に自分がいた。

「いつも見かける人だったんだけど、巡回の時に倒れててね…僕が看とったんだ、」

父の死に関わってしまった男、その命尽きる瞬間に自分がいた。
そして還ってきた父のボタン、父たどる鍵をくれた命、その亡き骸は今どこに眠るのだろう?

「道端で亡くなったひとは行旅死亡人っていうんだ、誰もひきとりに来なければ…一定期間のあとに火葬されて、自治体の無縁納骨堂に、ね、」

父の最期にいたひとは、父を知らないひと。
それでも最期を看てくれたひと、あのひとは家族がいたろうか?

「家族がいないとそうなっちゃうんだ、身元が分からないままだと…」

あのひとは家族がいたろうか、もしいたなら彼の最期をどう受けとめる?
それとも「無縁」だったろうか?

「そうね…お母さんもそういう方のことは聞いているわ、」

おだやかなアルト微笑んで、黒目がちの瞳うなずいてくれる。
今座る食卓ふたり、やさしい湯気ごし尋ねた。

「お母さんに親戚はいないんでしょう?」
「そうよ、お母さんの両親は兄弟を早くに亡くしてるからね?お母さんもひとりっ子だし、」

黒髪やわらかに肯いてくれる、その笑顔が記憶より細い。
こんなに儚げにだったろうか?

「だからね、顕子おばさまに会えて嬉しいのよ?家族よって大切にしてくれて幸せよ。菫さんのことも大好きなの、」

朗らかな笑顔ほころばす、その瞳が前より明るい。
ほんとうに幸せなのだ、そんな母に微笑んだ。

「僕も大好きだよ、ふたりのこと、」
「うん、」

肯いて笑ってくれる、ほら明るいきれいな笑顔。
けれど、どこか透けるような肌に泣きたくなる。
だからこそ今、告げたくて続けた。

「でもね、おばあさまと菫さんはご高齢だから、このままだとまた、僕たちだけになるね?」

新宿で斃れた男のこと、他人事じゃない。
家族がいない独りぼっちの最期は。

「そうね、」

やわらかに黒目がちの瞳が微笑む、その眼差ざし温かい。
もうとっくに解っている、覚悟している、そんな瞳に口ひらいた。

「ふたりだけのままだと、道端の人と同じになるかもしれないなって思ったんだ、」

家族がいなければ同じ道だ、けれど自分ならまだいい。
この自分も母もいつか訪れる死に消える、でも順番なんて本当はわからない。
そのとき遺されるほうの隣、誰がいてくれるのだろう?

そして、あなたの隣にも。

「そういうの僕は寂しいくて哀しいんだ、だから大事にしたいんだ、」

遺されるほうの隣、誰もいないのは寂しい、哀しい。
そんなところへ誰も追いこんでしまいたくなくて微笑んだ。

「お母さんのこと大事にしたいんだ、英二のことも。だから僕は明日をちゃんと考えたくて、自分で退職届を出したんだ、」

※校正中
(to be continued)
【引用詩文:Jean Cocteau「Cannes」】

第86話 建巳act.11← →第86話 建巳act.13
斗貴子の手紙
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