藍から白、紅、濃き淡き七彩
虹を呼ぶ花―万葉集×William Wordsworth
集真藍の 夜重咲く如く夜都代にを いませわが背子 見つつ偲はぬ 橘諸兄
紫陽花が八重に咲くように、
幾年も長く弥栄に幸せでいて下さい、私の大切な人よ。
あなたを見守りながら心想いながら、八重の花のよう幾度も幸福を祈っています。
真藍色の花のよう真実の想いに逢い、夜に重なり恋咲かせるよう夜を幾度も傍にいてと、あなたを見つめ願ってしまう。
学術名Hydrangea macrophilla、和名「アジサイ」紫陽花は、初夏を代表する花かなって思います。
日本に原生するアジサイ・紫陽花は萼紫陽花と言われる種類ですが、いわゆる山紫陽花で青か白が多いです。
で、「アジサイ」の語源は諸説あるそうですが「真青な藍色が集まった=集真藍アヅサイ」が有力説と言われています。
集まる=アヅ、真藍=真青=サイ、この言葉が組み合わさって「アヅサイ」になり今の「アジサイ」に訛ったのだとか。
山紫陽花は青玉のような花が集まる周りに萼が花びらのよう咲きます、そんな花姿は確かに「集真藍」だなと思います。
アジサイは『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」と2種類の表記があります。
そして歌も2首しか採用されていないんですよね、ちょっとマイナーな花だったのかなって気がします。
そのため観賞用として庭木にすることは少なかったのかとも思いますが、歌は庭の前栽に植えてあるイメージにも読めますね、笑
現在よく遣われる表記「紫陽花」ですが、これは中国唐代の詩人・白居易がライラックに付けた名前だと言われています。
この名前が平安時代に伝わって来たとき源順がアジサイの漢字として遣ったことから日本では「紫陽花」になったそうです。
言われて見ればライラックの花は紫で太陽へ向かうよう空を仰いで咲きます、確かに「紫陽花」は合うなあって感じがします。
ライラックの和名はムラサキハシドイ「紫丁香花」です、こんなふう香まで表記するあたり繊細だなと。
色も香も花を構成する要素ですが、どちらも綺麗に命名出来るのは漢字文化の良いトコだなって思います。
そういう発想をする日本独特の五感や視点の感性は、外国からすると稀有で尊重されるとこなんですよね、笑
紫陽花の色は、青、紅、白の3色が濃淡になって七彩に変化すると言われています。
七彩と謂えば=虹のイメージですが、花季も日本では梅雨頃と雨季にあたって虹が多い季節です。
そんなためかイラストでも虹と紫陽花を一緒に描いたものって多い気がします。
My heart leaps up when I behold A rainbow in the sky
So was it when my life began,
So is it now I am a man
So be it when I shall grow old Or let me die
The Child is father of the Man
And I could wish my days to be Bound each to each by natural piety
私の心は弾む 空に虹がかかるのを見るとき
私の幼い頃も そうだった
大人の今も そうである
年経て老いたときもそうでありたい さもなくば私に終焉を
子供は大人の父
われ生きる日々が願わくば 自然への畏敬で結ばれんことを
William Wordsworth「The Rainbow」
作中に何度も引用していますがワーズワス代表作と言われる詩です。
いま連載中の「天津風」で雅人が述懐していますが「rainbow」虹を夢や希望としてワーズワスは謳います。
東洋では古来「虹」は竜神の伝令と考えられていました。
西洋だと「Iris」虹の女神は翼を持ち神々の伝令を務めるとされています。
いずれも虹=神の伝令であるってトコは同じです、そんな思想が「神の伝言=夢や希望」ってイメージになったんでしょうね。
いま紫陽花は色んな種類が日本でも咲いています。
上述のよう日本原生種は萼アジサイの山紫陽花ですが、最近は西洋紫陽花を山でも見かけるんですよね。
青が多いんですけど、丹沢大山国定公園でも山道脇に西洋紫陽花の青色を見かけました。
元は植えたものかもしれないですが、すっかり野生化しているとこが逞しいです。笑
で、園芸種でよく見るようになったのが柏葉紫陽花。
北アメリカ原産らしいですが、八重咲の花や葉の形など華やかな印象。
よく行く森の近くでも咲いていますが、純白の花が雨ふくんだ姿は艶やかに清楚です。
そんな花姿のワンシーンが下の写真になります。
深夜UPした「天津風11」加筆校正がほぼ終わっています。
今夜は第65話「如風2」と短編連載「side k2」をUPする予定です。
昼休憩合間ですが、取り急ぎ。
【引用詩歌:橘諸兄『万葉集』より/William Wordsworth「The Rainbow」】
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虹を呼ぶ花―万葉集×William Wordsworth
集真藍の 夜重咲く如く夜都代にを いませわが背子 見つつ偲はぬ 橘諸兄
紫陽花が八重に咲くように、
幾年も長く弥栄に幸せでいて下さい、私の大切な人よ。
あなたを見守りながら心想いながら、八重の花のよう幾度も幸福を祈っています。
真藍色の花のよう真実の想いに逢い、夜に重なり恋咲かせるよう夜を幾度も傍にいてと、あなたを見つめ願ってしまう。
学術名Hydrangea macrophilla、和名「アジサイ」紫陽花は、初夏を代表する花かなって思います。
日本に原生するアジサイ・紫陽花は萼紫陽花と言われる種類ですが、いわゆる山紫陽花で青か白が多いです。
で、「アジサイ」の語源は諸説あるそうですが「真青な藍色が集まった=集真藍アヅサイ」が有力説と言われています。
集まる=アヅ、真藍=真青=サイ、この言葉が組み合わさって「アヅサイ」になり今の「アジサイ」に訛ったのだとか。
山紫陽花は青玉のような花が集まる周りに萼が花びらのよう咲きます、そんな花姿は確かに「集真藍」だなと思います。
アジサイは『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」と2種類の表記があります。
そして歌も2首しか採用されていないんですよね、ちょっとマイナーな花だったのかなって気がします。
そのため観賞用として庭木にすることは少なかったのかとも思いますが、歌は庭の前栽に植えてあるイメージにも読めますね、笑
現在よく遣われる表記「紫陽花」ですが、これは中国唐代の詩人・白居易がライラックに付けた名前だと言われています。
この名前が平安時代に伝わって来たとき源順がアジサイの漢字として遣ったことから日本では「紫陽花」になったそうです。
言われて見ればライラックの花は紫で太陽へ向かうよう空を仰いで咲きます、確かに「紫陽花」は合うなあって感じがします。
ライラックの和名はムラサキハシドイ「紫丁香花」です、こんなふう香まで表記するあたり繊細だなと。
色も香も花を構成する要素ですが、どちらも綺麗に命名出来るのは漢字文化の良いトコだなって思います。
そういう発想をする日本独特の五感や視点の感性は、外国からすると稀有で尊重されるとこなんですよね、笑
紫陽花の色は、青、紅、白の3色が濃淡になって七彩に変化すると言われています。
七彩と謂えば=虹のイメージですが、花季も日本では梅雨頃と雨季にあたって虹が多い季節です。
そんなためかイラストでも虹と紫陽花を一緒に描いたものって多い気がします。
My heart leaps up when I behold A rainbow in the sky
So was it when my life began,
So is it now I am a man
So be it when I shall grow old Or let me die
The Child is father of the Man
And I could wish my days to be Bound each to each by natural piety
私の心は弾む 空に虹がかかるのを見るとき
私の幼い頃も そうだった
大人の今も そうである
年経て老いたときもそうでありたい さもなくば私に終焉を
子供は大人の父
われ生きる日々が願わくば 自然への畏敬で結ばれんことを
William Wordsworth「The Rainbow」
作中に何度も引用していますがワーズワス代表作と言われる詩です。
いま連載中の「天津風」で雅人が述懐していますが「rainbow」虹を夢や希望としてワーズワスは謳います。
東洋では古来「虹」は竜神の伝令と考えられていました。
西洋だと「Iris」虹の女神は翼を持ち神々の伝令を務めるとされています。
いずれも虹=神の伝令であるってトコは同じです、そんな思想が「神の伝言=夢や希望」ってイメージになったんでしょうね。
いま紫陽花は色んな種類が日本でも咲いています。
上述のよう日本原生種は萼アジサイの山紫陽花ですが、最近は西洋紫陽花を山でも見かけるんですよね。
青が多いんですけど、丹沢大山国定公園でも山道脇に西洋紫陽花の青色を見かけました。
元は植えたものかもしれないですが、すっかり野生化しているとこが逞しいです。笑
で、園芸種でよく見るようになったのが柏葉紫陽花。
北アメリカ原産らしいですが、八重咲の花や葉の形など華やかな印象。
よく行く森の近くでも咲いていますが、純白の花が雨ふくんだ姿は艶やかに清楚です。
そんな花姿のワンシーンが下の写真になります。
深夜UPした「天津風11」加筆校正がほぼ終わっています。
今夜は第65話「如風2」と短編連載「side k2」をUPする予定です。
昼休憩合間ですが、取り急ぎ。
【引用詩歌:橘諸兄『万葉集』より/William Wordsworth「The Rainbow」】
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