萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

点景閑話:ウチの初雪

2016-01-19 22:20:16 | 写真彩々
新春×厳寒



点景閑話:ウチの初雪

昨日は雪だった関東地方、我が家の庭も雪化粧。



テラスハウスなんで小さい庭があるんですけど、楓が凍りつきそうでした。



ベランダも積雪Xcm、で、ちいさいけど雪だるま作ってみたり、笑



ナンテ呑気に撮ってますけど、列車の遅延ナンタラエライことになった昨日です。
今日も奥の通りは雪けっこう残っており・帰宅の道まだアイスバーンもあり革靴には危険でした。

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ラストに氷瀑@三十槌の氷柱「みそつち」と読むんですけど、埼玉県秩父市大滝にある石清水の凍結×雪景色です。


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山岳点景:雪の夜に

2016-01-18 01:11:06 | 写真:山岳点景
雪原の記憶



山岳点景:雪の夜に

雪が降りだしました。

さっきまで雨だったんですけど、冷えてきたな想ったら雪になりました。
ベランダから見た夜の底は白=通りも屋根たちも白くなる深夜、空も灰色っぽく光ります。

で、掲載した写真は近所にアラズ戦場ヶ原の雪景色&秩父の雨氷です。
撮ろうか思ったけど眠いのでトリアエズ好きな雪写真UPしてみました、笑


撮影地:上・戦場ヶ原@栃木県日光市、下・芦ヶ久保@埼玉県秩父郡横瀬町
雨氷:うひょう、着氷現象の一つ。過冷却状態の雨が木などに付着して凍った透明な氷


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山岳点景:垂氷の瀬

2016-01-17 22:20:30 | 写真:山岳点景
岩奔る



山岳点景:垂氷の瀬

氷を映す川瀬、三十槌の氷柱@埼玉県秩父です。



崖から湧きだす石清水が冬、凍って氷柱になります。
それだけ冷えこむ谷間は例年なら積雪、でも今日は端っこの薄雪だけでした。



ここの氷柱は二種類、天然の滝or川水を人工的に流したポイントがあります。
直上は天然の滝の氷柱になるんですけど、上2枚ほかドッチか判りますか?笑



今日は水量も少ない静かな川辺、氷柱も水鏡くっきり映ります。
そんな水面と氷柱は離れていますけど、氷柱の切れている位置=最高水量ってワケです。



垂水の凍れる渓流、厳寒期に氷瀑は壮麗になる季です。


撮影地:三十槌の滝@埼玉県秩父市大滝

明日は大雪予報の関東地方、三十槌の滝も雪化粧されると思います。
でもムリして行くのは禁物・・谷沿いの道はスリップ事故も多く要注意です。

で、答えあわせ→天然の滝=2,3,4,5、人工の滝=1,6

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第84話 静穏 act.8-another,side story「陽はまた昇る」

2016-01-16 22:48:07 | 陽はまた昇るanother,side story
団欒の灯に
周太24歳3月



第84話 静穏 act.8-another,side story「陽はまた昇る」

やわらかな湯気、芳ばしい香、やさしい味。

温かな食卓の席、風呂あがりの肌あたらしい部屋着は温かい。
スリッパの足元やわらかなキャメルブラウンの毛並ふれる、寝そべった犬はつぶらな瞳ときおり見あげ寄りそわす。
クッション温かな椅子で箸とる膳どれもきれいで、ひさしぶりの空気に大叔母が笑った。

「四人で囲む食卓っていいわね、周太くんも美幸さんもおかわりして?たくさんあるのよ、菫さんも私もはりきりすぎちゃって、」

ランプやさしい笑顔は白皙なめらかに明るい。
笑い皺ひとつも華やかな老婦人に母も瞳うれしそうに細めた。

「はりきってくださったの解かります、どれもすごく美味しいもの?」
「あらっ、そんなこと言うと明日はもっとがんばらないとね?デザートもあるのよ、ねえ菫さん?」
「柚子のムースがあるんですよ、顕子さんのオリジナルレシピ、」
「柚子ってめずらしいですね、楽しみ、」

女性たち愉しげに会話する、その華やぎへ気後れちょっとくすぐったい。
こんな家庭的な空気もひさしぶりで、ひさしぶりな分だけ三日前までの日常が懐かしい。

―伊達さんどうしてるのかな…なんかすごく遠い、ね、

書類とパソコン、硝煙の香、銃声、走る鼓動、それが三日前までの日常。
男だけしか選ばれない能力とプライドの緊張になる世界、そこに女性はいなかった。
けれど今この食卓は自分以外みんな女性で、ずっと離れていた華やぎ優しくて息吐いた。

―こんな楽しそうなのに壊すような話をするんだ、僕は、

やわらかな空気は優しくて壊したくなくなる、それでも逃げることはできない。
もし曖昧なまま放りだせば誰もが後悔する、そんな現実に笑顔また懐かしい。

―光一はどうしてるんだろう、英二がしたことで上司の光一もきっと、

遠い幸せな冬の日、あのとき隣にいた笑顔は今どうしているだろう?
たぶん咎めなしとはいかない、それだけの立場にある幼馴染が思いやられて、そして苦しい。

―僕が英二を巻きこんだせいだ、すべて、

あのひとを自分が巻きこんだ、それが今いろんな波紋になっている。
その状況たち知りたくて心配で、覚悟ひとつ食べ終えて口開いた。

「あの…おばあさま、僕の携帯を返していただけますか?」

さっきも願い出て、けれど風呂を勧められそのままでいる。
湯あがりの前髪そっとかきあげて、まっすぐ大叔母を見つめて言った。

「ご迷惑をかけている伊達さんと青木先生には連絡したいんです、返してもらえませんか?」
「もちろんよ、どうぞ?」

端正な笑顔すぐカシミアニットの腕さしだしてくれる。
白い掌から受けとって、カーディガンのポケットにしまうと尋ねた。

「おばあさま、小説のこと教えてくださいませんか?」

小説のこと。

それだけ言えば解かるだろう?
このキーワードに父そっくりの瞳ゆっくり瞬いた。

「周太くん、それは晉さんの…あなたのお祖父さまの小説であってるかしら?」

読んだわ、だけど気づけなかったの、だから後悔して今も泣いているのよ?馨くんを助けたかったから。

そう大叔母が言ったのは秋の初め、看病してくれた時だ。
あのときも熱が出て、けれど忘れてなんかいない記憶と頷いた。

「はい、あの小説は事実を描いてるんですか?」

問いかけ見つめる先、涼やかな瞳が受けとめる。
父そっくりの眼ざしは静かに笑った。

「はぐらかしたいけど、家族に秘密はいらないって言った私が逃げたらダメね?」

端麗な貌は静かに笑ってくれる。
その深い時間を見つめて問いかけた。

「逃げないで教えてください、おばあさまも長野まで来てくれたんでしょう?あの小説が事件の、僕の曾お祖父さんが殺された真相だって気づいて、」

自分の曾祖父も殺されてしまった、もし小説が事実なら。

『 La chronique de la maison 』

邦訳するなら『ある館の年代記』この題名なぜ祖父はつけたのか?
告げられる過去と言葉まっすぐ声にした。

「探し物を君に贈るって書いてあったんです、父が贈られた本には。罪と罰、贖罪のためにって詞書とあわせたら意味が繋がります、」

“Je te donne la recherche.”

祖父の肉筆はブルーブラックのインクあざやかに告げている。
それは印刷された詞書と呼応して伝言をよこす。

“Pour une infraction et punition, expiation”  

あの言葉ふたつ祖父は何を願い、何を記したのか?
その想い大叔母へ問いかけた。

「贖罪のために探し物を贈るって父宛にお祖父さんは書いたんです、償うのは、もし小説の通りなら」
「待って周太くん、」

言いかけて白い掌こちら向けられる。
止められた言葉のむこう切長い瞳ゆっくり瞬いた。

「周太くん、この話はまず二人でしましょう?いいわね、」

異論は認めませんよ?
そんな眼ざしに隣そっと溜息が微笑んだ。

「周、おばさまの言う通りにして?お母さん焦らないから、」

焦らない、そう言ってくれる声は穏やかに優しい。
見つめてくれる黒目がちの瞳やわらかに笑って、そして言ってくれた。

「おばさま、私も後で聴かせてもらえますね?私にも馨さんの妻としてプライドがあるんです、」
「ええ、もちろんよ?美幸さんとも二人で話したいこと沢山あるの、」

低く透るアルトも微笑んで、かたん、席立ちあがってくれる。
カシミアなめらかな背きれいに佇んで父そっくりの瞳が言った。

「食後のお茶、私と周太くんはテラスで頂きましょう、私の居間のね?」


(to be continued)

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山岳点景:Cataract-366

2016-01-16 21:20:14 | 写真:山岳点景
氷瀑、止まる瞬き



山岳点景:Cataract-366

三十槌の滝@埼玉県秩父にて、去年の明日に撮ったものです。
先週に行ったときは未だ凍ってないとの事でしたが、明日は去年と同じ降雪の予報。



下↓は奥秩父湖、去年の明日はコンナカンジに全面凍結していました。
今年の明日はどんな感じでしょうね?



明日からセンター試験、雪の足もと気を付けてリラックス×全力だせたらイイですね、笑

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山岳点景:Metropolitan Cataract

2016-01-14 23:12:07 | 写真:山岳点景
The cataracts blow their trumpets



山岳点景:Metropolitan Cataract

払沢の滝@東京都西多摩郡檜原村にて、2013年12月29日の写真です。



見てのとおり凍りかけています。
ここの厳冬期は全面凍結も珍しくありません。



今シーズンはまだ行ってないんですけど、この滝も好きで何度か通っています。
その理由の一つは道途中にあるカフェです、氷あずき・汁粉が絶品で食べたくなると行きます。
とはいえ11月下旬から4月下旬までは冬期休業なんですけどね、笑

っていうオタノシミがない冬の滝、それでも凍れる瞬間は惹かれます。



冬といえば氷瀑を撮るのが好きです、
そんな中でイチバンを決めるなら、三十槌の滝@埼玉県秩父かなって思います。
つい先日も行ったんですけど今年は暖冬でまだ凍っていませんでした、ので昨年撮影したものを貼っておきます、笑



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第84話 静穏 act.7-another,side story「陽はまた昇る」

2016-01-12 13:05:10 | 陽はまた昇るanother,side story
揺籃の宵
周太24歳3月



第84話 静穏 act.7-another,side story「陽はまた昇る」

湯が温かい、すべて融けだしていく。

「…は、」

息ついて湯気ふわり唇かすめて甘い。
やわらかな馥郁はバラと似ている、こんな香にも生活の違いがくすぐったい。
湯気の窓ブラインド透かして海ながめる、残照の波おだやかな陰翳うねらせ瞳から寛ぐ。
香こめるバスタブは白い石造なめらかで蛇口の金色まばゆい、瀟洒ゆるやかな空間に周太はため息吐いた。

「…ほんと対等じゃない、ね?」

シンプルだけど贅沢、そんな空間は心地いい。
居心地が悪いわけじゃなくて、だからこそ俤との差が思い知らされ言葉なぞった。

「まず…対等な存在にならないとゆがんでしまう、すべて、」

声なぞって鼓動ゆるやかな底、大叔母の声が響く。

『まず対等な存在にならないと恋愛も友情もゆがんでしまうものよ?すべての愛情がね、』

本当にそうだ、だから自分と英二は歪んでしまった。

“このひとには僕なんかふさわしくない”

ずっとそう想っていた、だから結局あなたの愛情を信じられない。
信じられないぶんだけ遠慮して卑下して、そうして本音を言えなくなって嘘をついた。
その嘘が結局わだかまっている、夏の異国で起きた一夜は自分自身の裏切りだ。

―僕が正直じゃなかったせいなんだ、僕だけ見てほしかったくせに…けっきょく光一のことも傷つけて、

アイガー北壁の夜、幼馴染はあのひとに何を見たのだろう?

『ごめん周太、俺…、』

あの夜から後の再会、幼馴染はただ泣いた。
あの涙に解かってしまう、きっと追い詰められて、それも結局は自分のせいだ。

「…光一にも謝らなくちゃ、僕、」

決意そっと声にして湯をすくう。
ぱしゃり、顔洗って呼吸ひとつ微笑んだ。

「美代さんのことも…なんて言われるのかな、」

彼女のことも話さなくてはいけない、だって二人は親戚同士だ。
あの底抜けに明るい眼はどんな貌するのだろう?かすかな不安に湯の膝かかえこんだ。

―英二だけじゃなくて美代さんまで…どうしてこうなっちゃったのかな、でも、

でも、嬉しくなかったと言ったら嘘だ。

『美代ちゃんはね、知る覚悟ありますって言ったのよ?』

大叔母にそう伝えられたとき、温かくなった。
あの女の子が「覚悟」してくれる、それがただ温かくて嬉しくて、そして想ってしまった。

自分は独りじゃない、唯そう想えた。

『最初は英二を好きになったそうね?でも周太くんと一緒にいたい気持ちがずっと大きいって気づいたそうよ、前期試験のあと新宿で見送った時にね、』

ねえ君、あの美しい男よりほんとうに僕を選ぶの?

「…ほんとに美代さん?」

名前こぼれて湯気とけてゆく。
あのひとより自分を想う、そんなことあるのだろうか?

―美代さんずっと英二と会ってないからかもしれないよね、英二が異動になってから会えてないから…半年ずっと、

半年も会わなければ身近な存在に心傾くかもしれない?そうも考えてしまう。
だって自分を選んでくれるなんてあるのだろうか、あの男よりもこの自分を?

「信じられないな、僕こそ好きだから…英二のこと、」

あの男を自分は好きだ、好きだからこそ信じがたくなる。
こんなに疑うほど惹かれてしまった本音が軋む、こんな未練がましい自分が苦しくて悔しい。

だって本当は解かっている、自分が誰といることが誰をも幸せに出来るのか?

「…のぼせそう、」

ため息ゆっくり立ちあがって、めまい微かに熱い。
慎重にバスタブを出て蛇口ひねって、シャワー冷たい飛沫あふれた。

「は…、」

ため息ごと冷やされ脳裡が冴えてゆく。
こんなふう水かぶることは珍しい、でもしょっちゅうしている人もいる。

―警察学校でも英二、水かぶってたね…雨のベランダに出たり、

雨の朝、白いシャツ姿ずぶぬれだった。
ダークブラウンの髪きらめく水滴うつくしかった、シャツ透かす白皙まぶしかった。
雨うたれても視線はるか遠く見つめて、あの先にあったのは八千峰の雪嶺だろうか?

きれいだった、あなたは。だから尚更に想えないのかもしれない。

“あなたを幸せに出来るのは僕だ”

そんなふうに想えない、あなたに釣合う自分だと想えないから。
だってもう思い知らされている、あなたの幸せな場所に自分は行けない。
だって英二が生きたいのは「山」そこで自分の病は足枷になるだけと、あの雪嶺で思い知らされた。

「ごめんね英二…僕のために雪崩まで、」

ほら唇こぼれる「ごめんね」こんなふう何度これから謝るのだろう?
いま謝っても届くわけじゃない、それでも冷たい飛沫に想いこぼれて涙になる。

―英二、えいじ、怪我の具合どうなの…腕も包帯ぐるぐるだった、

あなたの傷が哀しい、だって山に登る人なのに?
それなのに山で傷つけてしまった、この自分が高峰になど登ったせいだ。
あれは任務で逃げられなくて、それでも気管支の疾病を隠した意地があなたの枷になったのに?

「ごめんね…山の人のために英二は救助隊員なのに、ごめんね英二、」

涙こぼれて冷たい飛沫はじける、冷えゆく頬あふれて熱とけてゆく。
ただ泣いているだけの自分は悔しい、こんな自分だからとまた卑屈が歪んでしまう。

こんな自分がどうして共に生きられる、あなたと?

『まず対等な存在にならないと恋愛も友情もゆがんでしまうものよ?すべての愛情がね、』

ほんとうにそうだ、もうこんなに歪みかけている。
その果が「あの男」観碕と祖父の関係だとしたら五十年また連鎖が続くかもしれない?
そう大叔母も気づいているから連絡を断ち切らせてくれた、そんな判断にまたひとつ訊きたくなる。

『 La chronique de la maison 』

あの小説を大叔母も読んだのだろう、そして事実だといくつ考える?

―お祖父さんが書いた記録だって想ってるんだ、そうじゃないとあんなこと言わない、

フランス文学者だった祖父の著書は論文ばかり、けれど小説を一篇だけ遺した。
還暦の祝に大学から記念出版されて部数は少ない、それでも大叔母にはきっと贈ったろう、だから大叔母は言った。

『ねえ岩田さん、私は亡霊になって孫と嫁を護ってるの。だから私が何をしてもあなたの幻覚よ?』

亡霊、幻覚、そんな言葉は祖父の小説と重ならす。            
パリ郊外の閑静な邸宅に響いた2発の銃声、隠匿される罪と真相、生まれていく嘘と涙と束縛のリンク。
そんな小説のなか「亡霊」はたしかに現れて「幻覚」は起きる、その世界をなぞる言葉に祖父の筆跡が映りこむ。

“Je te donne la recherche” 探し物を君に贈る 
“Pour une infraction et punition, expiation” 罪と罰、贖罪の為に。

祖父が父に贈った本には一頁目、そんな詞書が記されてある。
あの意味はどんな事実を示すのか?その時間に生きた大叔母なら鍵を持っている。

―おばあさまはいたんだ、事件が起きた日あの家に、

あの聡明な瞳は「見ていた」その記憶は過去と今を解く鍵になる。
五十年前からなわれた鎖ほどく鍵、それを得るため自分はここに来たのかもしれない。

「…知らなくちゃ、本当のこと、」

覚悟そっと声になる、冷えた肌ふかく熱ゆるやかに燈りだす。
冴えた脳裡いくらか冷静おちついて、きゅっ、蛇口とめた音が響く。


(to be continued)

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山岳点景:払暁の靄

2016-01-11 10:35:01 | 写真:山岳点景
朧に凛と



山岳点景:払暁の靄

冬一月、凛冽の朝に川から靄が昇ります。



払暁、陽が昇りだす時に気温は最も下がります。

水が蒸発しやすい条件=気温が水温より低い×空気乾燥

この↑条件が揃いやすいのは空気が乾燥+低温化する冬の朝です。
そのために冬の川や湖は靄が発生していつもと違う幻想的な空気になります。
そんなワケで今朝は夜明前に出て、太陽が昇る直前から河原にスタンバイでした。



日昇の朱色あざやかな光に川は炎を吐くような朱い靄を昇らせます。
けれど今朝の神奈川は雲多め、朝陽の光線が弱くて朱い靄は撮れませんでした。
で、上2枚目とこれ↓は2014年の写真から貼ってあります、笑



寒い朝に人少ない川辺、あわい朝陽に枯草が惹きます。



気温が低いほど上流は凍るため川の水量も少なめ、その流れは穏やかな鏡に映します。



陽が昇ると鳥たちの活動開始、水鏡にハクセキレイも囀ってカワイイです、笑




岸辺の落葉も霜そめる、暖冬の今年といっても凍れる季節です。


撮影地:中津川@神奈川県

そんな今朝は1月11日鏡開き、
ツレが河原でお汁粉つくってくれて食べたんですけど寒いぶんだけご馳走でした、笑

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山岳点景:氷柱の沢

2016-01-10 23:07:00 | 写真:山岳点景
凍れる時



山岳点景:氷柱の沢

芦ヶ久保、沢水を凍らす谷間です。



谷から汲みあげ斜面から流された沢水は低温に凍てつきます。



人の手が入った氷瀑、けれど水も冷気も自然の造形です。



山影の冷気に樹木も凍てつきます。



気温は上がる11時半すぎ、けれど足元の春草は霜まとったままです。



飛沫は滴る雫のまま時を留めます。



これから厳冬期、氷柱は育ち氷瀑が谷を蔽います。

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撮影地:芦ヶ久保@埼玉県


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雑談夜話:五勺の味

2016-01-10 01:40:00 | 雑談
睦月の宵に



雑談夜話:五勺の味

実家に日帰り&丹沢に寄り道して後、好きな蕎麦屋に行ったんですけど。
いつもどおり天せいろ+日本酒オーダーして(注※ハンドルキーパー同伴です笑)
いつもどおり好きな猪口を選んでお通しの蕎麦味噌もきて、で、酒がはいった片口茶碗を運んできたおねーさん曰く、

「ご注文のお酒ですが一合ありませんでしたので、こちらお代は要りません。よかったらお召し上がりください、」

ずいぶん粋なこと言ってくれるんだな?

と想いながら、もちろんありがたく戴きました、笑
五勺の酒、だけど佳い香とすっきり辛口は変わらず美味しかったです。
この酒ちょっと高いヤツなんですよね、それなのに「お代は要りません」はこの店らしい風格でいいなって思いました。
で、お礼と言えるかわからないけど他銘柄またオーダーしました、高めかつ好みのヤツで、笑

酒・・ブログトーナメント

ソンナワケで今日というか昨日は朝から晩まで外出で、
加筆校正ほか進んでいないんですけど、アシカラズ、笑

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