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Pretenderの備忘録

六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎 夜の部

2006-04-02 21:52:54 | 歌舞伎
1階 17列9番

井伊大老
芝居そのものが、動きのない静かなものなので、いつもながら眠くなりました。現幸四郎が2年前に演じましたが、吉右衛門の方が口跡が明瞭な分、いいと思います。魁春の静はなかなか大役で大変だったと思います。

口上
5年というある意味中途半端なタイミングで追善をやり、これだけ幹部を集めて口上までやってしまうのだから、改めて六世の偉大さを再認識させられました。昭和の時代に生でも何度か見る機会がありましたし、NHKでも山川さんがよく楽屋にたずねたりしておられて、舞台中継も覚えています。ただ、凄いのだろうなとは思っても、何が凄いかは私もガキでよくわかりませんでした。異端の玉三郎との比較の女形論を誰かしてくれないかなと思ったりします。

時雨西行
藤十郎さん、ちょっと足の運びが乱れたりとかが目立ちました。

伊勢音頭恋寝刃
貢のピントコナはやはり、仁左衛門さんの当たり役と言えるでしょう。これは何度見てもいい。今回の注目は何と言っても福助の万野でしょう。お紺役者が万野に芸域を拡げられるかという。玉三郎のように、冷たいいやらしさを出せる人でないので、かなり大仰にねちっこさを出すような、相当デフォルメされた演技でした。野田歌舞伎でも、真面目に一生懸命弾けてしまうこの人の人柄そのままに、一生懸命いやらしい女を表現しようというのが伝わってきますが、まだ板についたとは2日目ですし、とてもいえません。今後、貢も海老蔵が演じたり、もしかしたら染五郎もやるかもしれない、あと弟もきっとどこかでやらせてもらうんでしょう、それらの舞台で福助が万野をやる事も多いと思います。その過程で、福助の万野、悪女をどう作っていくかが始まったと思って今後に期待します。

コメント
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