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Pretenderの備忘録

オットーと呼ばれる日本人

2008-06-01 23:09:58 | 芝居・ミュージカル・バレエ
新国立劇場 中劇場 1階17列53番

作 木下順二
演出 鵜山仁

ゾルゲ事件に題材をとった木下順二の作品。夕鶴と彦市ばなしのイメージで木下順二をみていた自分にとっては、なぜ?という感じであった。
開演前にホワイエで行われていた展示を見ると、なるほどという面も。初演は私が生まれた年で、民藝が再演も含めて宇野重吉、米倉斉加年らが取り組んできた。彼らは、良い役者であると同時に、共産党を明確に支持していたと記憶している。

この作品が書かれて、上演された時代は、わが国においてまだまだ社会主義が夢と希望を与えていた時代であり、現在とは時代背景がおおきく異なる。今回の演出は、オットーを社会主義者である前に、日本の愛国者としての側面を非常に強調していて、この辺は初演時はどうだったのだろうか。まあ、原作、読んでないんですけど。個人的には、ここで描かれたオットーの生き方は嫌いじゃない。

大きい奥行きのある舞台を回して、場面転換を時間をかけずにうまくやっている。吉田栄作は、やはり下手、笑。彼のアドリブだろうなというところは、全てすべった。でも、ひたむきさを出すという点では意外にいいキャスティングかもしれない。半分くらい英語の台詞だが、留学してたんだし、なんとかこなしていた。前の立ち姿はそれなりにカッコいいんだが、後姿がカッコよくない。。。
紺野美紗子、出番も少ないし、声は通らず、舞台向きではない。
永島敏行、結構重要な役で存在感はある。
鈴木瑞穂、本当にちょっとしか出てこないが、見せ場はあり。
原千晶が出ていた、まあまあの役で、結構無難にこなしていたようにも思う。

観客は、アングラ劇場でも、歌舞伎でも、オペラでも、四季でも、新派でも、帝劇でもないなんとも不思議な老若男女であった。

15分と5分の休憩を挟んで、3時間40分。

コメント
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