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Pretenderの備忘録

秀山祭九月大歌舞伎 夜の部

2024-09-13 23:12:23 | 歌舞伎
吉野川は、国立劇場のさよなら公演で、当時の時蔵が松緑と演じたものを、玉三郎が。この役は、玉三郎の良さが出るようなものでもないように思う。菊之助とか良いんだろうな。松緑は、しっかり。染五郎も良かったが、左近の女形はどうなのか、声がちょっとなあ。

幸四郎の勧進帳も3,4回目になるか。なかなか初演が叶わず。襲名では豪華だった。染五郎は、義経、いずれは富樫、そして弁慶となるのだろう。菊之助の富樫、彼は富樫役者だと思うが、かなり骨太に演じていた。いずれ弁慶をやるつもりなのだろうか。

種之介の声が父親そっくりでビックリした。お兄さんとは声質が異なるものな。

歌舞伎座

近松半二 作
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
太宰館花渡し
吉野川

太宰後室定高 
久我之助
雛鳥
蘇我入鹿
大判事清澄
玉三郎
染五郎
左近
吉之丞
松緑

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

武蔵坊弁慶 
源義経
片岡八郎
駿河次郎
亀井六郎
常陸坊海尊
富樫左衛門

後見
幸四郎
染五郎
歌昇
種之助
高麗蔵
友右衛門
菊之助

吉之丞
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spring

2024-09-13 10:45:38 | 読書
恩田陸著 筑摩書房2024

面白く読んだ。正直、バレエは時々、付き合いもあって観るが、あまり好きでない。例えば、表現したいものが10だとして、歌舞伎はデフォルメして20、狂言はシンプルに7、能は削って削って観客のイマジネーションに委ねて3。日舞は9~11くらいと中途半端。同じことがバレエにも言えるのかなあと。わかりにくいことも多いし、過剰だと感じることも多い。要するにこちらが、観客として見方が分かってないのだろうと思う。そんな不肖の観客が、こういう視点で観れば面白いかもなあと、随所で感じさせてくれたのが本作である。

四章からなる。主人公のHALを四人の視点で描く。オーバーラップして、観方によってこんな違うんだというエピソードもあれば、独自のエピソードもある。バレエのワークショップで出会った同世代の日本人ダンサー、主人公を見出したバレエの先生、コンビを組む作曲家、そして本人。芸術論、異文化との葛藤、LGBTといった要素が上手く散りばめられている。最初、読み始めて、イメージしたのはりゅーとぴあの金森穣だった。巻末の協力者のクレジットのトップに彼があった。多分、イメージのきっかけにはなっているのだろう。

蜜蜂と遠雷は、複数のコンクール参加者を描いたが、今回は一人を複数の視点で描いている。蜜蜂と遠雷の時は、ピアノの森のパクリかよと感じる場面もなきにしもあらずだったが、今回は純粋に楽しめた。
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