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Pretenderの備忘録

グレの歌 サイトウキネンオーケストラ

2005-09-08 23:59:26 | 音楽 Classic
サイトウキネンを最初にライブで聴いたのは1991年カーネギーホールの101年目の杮落としのコンサート。ブラームス2番、バルトークのバイオリンコンチェルト(故スターン)でした。その後、松本には諸般の事情で行く機会がなく、1999年、2000年の東京でのマーラーシリーズには行きました。正月で、お客さんも、長野から羽田元首相とか、ソニーの大賀さんとか、賑やかななものでした。
会場はまつもと市民芸術館。凄いオペラホールだ。円形になっていて、バルコニーも4階まである。松本文化会館というのが90年代に落成し、それだと思っていたら、それと別にまた市民芸術館。少し贅沢すぎないかという気はしないでもない。ロビーも非常に贅沢にスペースを使っている。サイトウキネンワインまでグッヅとして売っている、笑。
観客は大友さんとか、何人か見たような顔の人がいた。
セミステージということで、オケピの半分くらいを使い、残りはステージにせり上げる形でオケが演奏。ステージはステージの上に少し高いところに設ける形。ボストン時代から小澤さんが愛用してきた形で、僕はサロメやスペードの女王をボストンで観ている。
6:30になると、メンバーと一緒に小澤さんも入ってきて、サラリと始まった。コンサートマスターは潮田さん。皆黒ずくめで、オケピで黒子に徹するということだろう。
途中で休憩を挟んだが、ステージはいたってシンプル。後半で若干の変化はあるものの、これはオペラでもないし、さほど凝ってない。
演奏は、本当に素晴らしかった。導入からかなり強めに音を出していた。メリハリが付き、歌手よりも強すぎるかなというところもあったが力強く美しい演奏であった。歌手も非常に良い出来で、満足だった。合唱が、今回は衣装を着たり、動きを要求されて、大変だったと思う。
小澤さんは指揮の最中は老眼鏡をかけて楽譜を見ていた。通常のオケの演奏は暗譜以外はみたことがないので、歌曲は大変なのかな。あるいは歳をとったのか(元気いっぱいだったけど)、ウィーンで手一杯の面があるのか。
今日は宮本さんの誕生日だったらしくお祝いの花束を渡していた。宮本さん、不良中年という感じで本当にいい味を出している。と思ったら、宮本さんは今回でサイトウキネン卒業だそうだ。残念だが、新しい門出が素晴らしいものでありますよう。
一つ、観客のマナー。演奏が始まってから、オペラグラスを出して、マジックテープの音をさせる人。演奏中に、飲み物を飲もうとバッグをまさぐり、なぜだかコンビニのビニール袋からペットボトルをがさがささせて出して飲んで、飲み終わって、またビニールががさがささせてしまう人。これは退場だと思う。
それはさておき、久しぶりに、背筋がゾクゾクするような感動を味わった。それはサイトウキネンを久しぶりに非常に席もいい場所で堪能できた事実に酔った面もあると思う。しかし、演奏は僕の持っている、アバドやシノポリのCDよりも良かったような気がする。
ただ、ソロリストは全員日本人じゃないんだよね。国籍は問題ではないが、演奏者のレベルがこれだけ上がっても、それに対応できる日本人歌手がなかなか出てこないのは残念だ。いずれにせよ、最高に贅沢な時間だった。はるばる来ただけのものはあったと思う。

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