三浦瑠璃裁判1345日 西脇亨輔著 幻冬舎2023
三浦瑠璃にツイッターで、夫婦間のことをさらされて、プライバシー侵害や名誉毀損で訴訟して勝訴した記録。
西脇氏は司法試験に合格しながら、テレビ朝日に入り、アナウンサーから法務部に異動の経歴。本書出版後、弁護士として独立したようだ。本件訴訟も本人訴訟で踏ん張った。立派である。
三浦瑠璃という人は、国際政治学者という肩書で活動しているようだが、話を聞いていてうさん臭さを感じる。しかし、経歴をみると湘南高校、東大農学部、東大で政治学の博士ときちんとしたプロセスを踏んだ教育を受けている。ということは、目立ちたいとかの性格のなせる業なのだろう。コメンテーターになってマスコミに出ると、地道な勉強はしなくなるだろう。
三浦を弁護したのは橋下事務所と憲法学者でコメンテーターの木村草太氏が意見書を出している。これについても、本書で滑稽、無理筋な議論だと論破され、結果的に裁判所に認められた。コメンテーター仲間が庇いあう図式は、日本大学の林真理子理事長についてもみられる。なんか、正論を言っているような人たちがこういうのはなあと思う。人のなせる業か。
西脇氏というのは不器用な人なのだろう。肩に力が入りすぎている感じも随所に読み取れる。しかし、被害者が泣き寝入りする社会に一矢報いたことは刻まれるべきだし、今後もそうした立場で、社会を変える一翼を担ってくれることを大いに期待したい。
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