ミズナラの老木

　先日、下呂市馬瀬川上の老谷ささやき自然公園の廃道のなった遊歩道を歩いた目的の一つは、私のお気に入りのミズナラの老木を訪ねること。
　お気に入りと言っておきながら訪れるのは約3年ぶりですが・・・
　3年前に訪れた時に、随分弱っていたので、ひょっとして枯れてしまっていないか？と思っていたのですが、幸いなことに生きていました。
　下呂市馬瀬の南部ではカシノナガキクイムシに被害が出始めていますので、このまま被害が北上すると、真っ先に写真のようなミズナラ老木は枯れてしまうだろうと思いながら写真を撮りました。（管理人）


＜3年前の記事＞


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　




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スギ苗のあれこれ

　先日、スギの植樹をしてきました。
　最近、スギを植林する機会も少なくなり、随分久しぶりに植樹しました。
　今回植えたスギ苗は立石という品種の挿苗と味真野という品種の実生苗です。
　スギにも米等の野菜と同じように品種あることを知っている人は林業の衰退とともに少なくなっていますが、熱心な林家さんにとっては品種選びが大切なのです。
　良い品種を植えないと、いくら手入れしても良いスギを育てることはできないので真剣になります。
　また、林業の場合、山に広い面積に植えるため農業のように環境を作り出すことが不可能ですので、気候などの自然条件にあった品種を選ばないと大変なことになります。
　今回、植えたところは雪の多い郡上市高鷲町ですので雪に強く、真っ直ぐ伸び、生長が良い品種を選ばないといけないです。
　気候条件を考えると岐阜県内の品種とすれば良いのですがが植林する面積が少なくなるのに比例して生産者が減ってしまい雪に強いスギ品種の生産量は足りないので今回植える品種は福井県のもの・・・
　といっても双方とも実績のある有名な品種ですので将来が楽しみです！！
　さて、苗の種類ですがスギの場合は挿苗と実生苗の双方があります。挿苗は単為生殖ですので母樹のクローンですので優れた性質を確実に受け継ぐことができます。ただ、病害虫の加害は雪などの気象害を受けると同じ遺伝子をもっていますので激害となってしまうリスクもあります。
　実生苗は、種から生産していますのでクローンでは無いですが優れた遺伝的形質を受け継いだ母樹から種子を獲れば、良いスギが数多く生産できる可能性が高くなります。
　また、遺伝的に多様性が維持できるため挿苗を植えるより気象害等を受けるリスクは少なくなる一方で、クローンでは無いので優れた遺伝を確実に受け継ぐわけではないのです。
　どちらがよいかということは植える人の考え方で決まるので、どちらが優れているかということは言い切れませんが篤林家と言われる方は挿苗を選択する場合が多いように思っています。
　あと、挿苗は挿し木をしてから2年で出荷しますが、種から育てる実生苗は3年で出荷となるといった違いもあります。
　苗の状態も挿苗のほうが根の量が少なく、実生のほうが多く、山での植えやすさは実生苗のほうが植えやすくと活着も良いように感じています。
　今回はスギ苗のほんの触りの部分に触れてみました。
　ただ言えることは最近、林業を語るうえで苗や品種について語られることが随分と減ってしまったように感じます。
　林業の基本となる部分が忘れ去れようとしているのが気になっているんですね～
　ちなみに私は一応、林業関係だったりします。（管理人）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スギ苗はコモに包まれてやってきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　立石の挿苗
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　根に注目、実生苗と比較してみてください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　味真野の実生苗
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　実生苗の根、挿苗と比較してみてください。違いが分かりますか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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