ぶじこと孫二人と一緒に松山からの帰り道のこと。運転はぶじこです。桜三里の中腹でトラオが
「通ったことのない道通って帰って。」
と言い出しました。
「ここは無理だねえ。一本道だもの。」
とわたし。
地理的なことを説明しますと、
県都松山市の東、東温市までが中予地区、その隣の西条市から東が東予地区です。中予地区と東予地区を結ぶ国道11号線のうち、峠を挟んだ山の中の部分10キロメートルほどを「桜三里」と呼んでいます。
桜三里の中予側、旧川内町には桜三里の旧街道が残ってはいますが、誰でもが通れる道ではなく、桜三里はほぼ1本道と言ってよいでしょう。
なので、トラオの知らない道を走るのは不可能かと思われました。ところがしばらく走ると、突然ぶじこが
「あ、ここに道がある。ここから帰れるよ。」
と言い出しました。
「ここから帰ろか。」
おいおい
ぶじこは以前、ぶじおくんと通ったことがあるというのです。地理に関してはぶじこの記憶がはあてにならない、とわかっていたはずなのに「ちょっとおもしろそう。」と思ってしまったのが冒険の始まりでした。
結論から言いますと、私たちは無事に帰宅できました。しかもぶじこたちは夫のぶじお君も一緒にもう一度あの道を通ってみたそうで
「さるがいっぱいいたよ。」
それを聞いたらわたしも・・・・
というわけで、以下に使用している写真は、後日撮ってきたものです。
ぶじこが通るといった道は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/c2/c0bc25df377f01f83b2daf3575abbdec.jpg)
細く急な坂道を一気に下っていく道で、あっという間に谷底に降りてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/d5/50ac8881fc4b8eac92452ce97281bb03.jpg)
高速道路があんなに高いところにあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/ab/22e8e4d923db775698fd8995eaa84c93.jpg)
古い鉄の橋を渡った先で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/4d/292626c4958c9dab36588010a9345c43.jpg)
「あ!さる!」
「カメラ、カメラ」
でも、残念、猿は素早く山の中に消えていきました。
このあたりの道はまだ幅も広く木々の緑やせせらぎが心地よい道でした。猿を見たことで私たちのテンションは舞い上がり、この先にはもっと面白いことがありそうだと思ったのですね。なおも進んでいくと、
右手には小さな集落、左手には山へ続く道が見える場所に来ました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/2d/9e0c14192a78abf1205cac205391c515.jpg)
「たぶん左よね。」と山の中へ行く道を選んだぶじこ。その結果は・・・・・
行けども行けども山の中。しかも道はどんどん狭くなっていきます。小さな軽がやっと通れる広さです。
「がけで車を擦ってもいいから、谷にだけは落ちられん。」
「わかった。」
わたしは2度とあの道は通りたくありません。だって、新車だもん。
なので別の場所のイメージ画像で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/c2/e4b75953de15c71d54a0860e536e65b1.jpg)
こんな感じ。で、もっとうっとう暗くて(なんせ、木がいっぱいですから)道も舗装されているのかないのか。もちろんガードレールはなし。
あとで高いところから眺めてわかったことですが、この道は西へ延びてるんですね。冷静に考えれば、左手へ進んだら西の松山方面へ向かう、右手へ進んだら東、つまり西条方面へ向かう・・・ どうして気づかなかったのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fd/95adb7ad9c77eb73142f9132b0953007.jpg)
ナビを見るとさっきから道のない場所をぐるぐるぐるぐると回り続けています。もう道を間違えたことは明らかでした。でも行くしかない。
「ダメだったら引き返す。」とぶじこ。
でも、方向転換できるところさえないのに。バックで帰るつもりか?
数10分ナビを見続けていると、ぐるぐると回り続けてらせん状に西に移動しているようでした。
そして奇跡が!
人がおる!
道端に軽四トラックが止まり、おじさんが一人立っていたのです。
「ここがどこか聞いてみよか。」
道に迷ったというとおじさんは丁寧に答えてくれました。
「ここは西条市丹原町臼坂・・・」
ああ、西条市だったんだ。そして市内の方へ帰りたいのだというとこれまた丁寧に道を教えてくれました。
「橋を渡ったら谷川沿いの道を行くように。くれぐれも上っていかないこと。」
「国道にぶちあたるけん、左に行ったら西条に行けるよ。」
「国道に出るとこは信号がないので気を付けるように。」
ありがとうございます。
ここで教えてもらわなかったらさらに山の中に入ってしまったかもしれません。
私たちは谷川沿いに少し走って、やがて道が上り坂になってきました。やがて見覚えのある場所に出ました。そこはさっき通り過ぎた場所。やっぱり松山方面に逆戻りしていたのです。国道と合流する場所にこんな看板がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/98/49f987631523db5959b833417d22308e.jpg)
話はこれで終わりではありません。
再び同じ道を走って、先ほど谷へ降りた道に来ました。
「もういっぺん行っていい?ガソリンはある。この明るさならまだ大丈夫。」
はあ、確かにね。
そして今度は分かれ道で右手を選択し、集落目指して上っていきました。するとその向こうは舗装された広々とした道。
「ああ、この道よ。前通ったんは。」
道は再び下り坂になりやがて視界が開けてきました。
遠く中山川の流れが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/71/f9ea32ee9eea6dd084b186ad7b180498.jpg)
やっと無事に帰れるという実感がわきました。
「トラちゃん、通ったことのない道通れてよかった?」
「うん。」
「ちょっとこわかったんじゃろ?」
「うん。」
知らない道を走るーぶじおくんはしょっちゅうそれをやってるみたいで、でも彼は抜群の方向感覚を持っているので心配ないのですが、ぶじこまで同じことをするとは。似たもの夫婦になったかな。それにトラオも知らない道を走るのが好き。いやわたしもその傾向があるから似たもの家族か。さらにさらに弟も同じことをするので似たもの兄弟?
ともあれ無事に帰れてよかったです。
おまけ
去年の春、桜三里で撮った猿の写真です。去年は同じ場所で3回猿を見ました。以前にはなかったことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/68/ed99123c08de420b97dd734ea9099fb5.jpg)
「通ったことのない道通って帰って。」
と言い出しました。
「ここは無理だねえ。一本道だもの。」
とわたし。
地理的なことを説明しますと、
県都松山市の東、東温市までが中予地区、その隣の西条市から東が東予地区です。中予地区と東予地区を結ぶ国道11号線のうち、峠を挟んだ山の中の部分10キロメートルほどを「桜三里」と呼んでいます。
桜三里の中予側、旧川内町には桜三里の旧街道が残ってはいますが、誰でもが通れる道ではなく、桜三里はほぼ1本道と言ってよいでしょう。
なので、トラオの知らない道を走るのは不可能かと思われました。ところがしばらく走ると、突然ぶじこが
「あ、ここに道がある。ここから帰れるよ。」
と言い出しました。
「ここから帰ろか。」
おいおい
ぶじこは以前、ぶじおくんと通ったことがあるというのです。地理に関してはぶじこの記憶がはあてにならない、とわかっていたはずなのに「ちょっとおもしろそう。」と思ってしまったのが冒険の始まりでした。
結論から言いますと、私たちは無事に帰宅できました。しかもぶじこたちは夫のぶじお君も一緒にもう一度あの道を通ってみたそうで
「さるがいっぱいいたよ。」
それを聞いたらわたしも・・・・
というわけで、以下に使用している写真は、後日撮ってきたものです。
ぶじこが通るといった道は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/c2/c0bc25df377f01f83b2daf3575abbdec.jpg)
細く急な坂道を一気に下っていく道で、あっという間に谷底に降りてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/d5/50ac8881fc4b8eac92452ce97281bb03.jpg)
高速道路があんなに高いところにあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/ab/22e8e4d923db775698fd8995eaa84c93.jpg)
古い鉄の橋を渡った先で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/4d/292626c4958c9dab36588010a9345c43.jpg)
「あ!さる!」
「カメラ、カメラ」
でも、残念、猿は素早く山の中に消えていきました。
このあたりの道はまだ幅も広く木々の緑やせせらぎが心地よい道でした。猿を見たことで私たちのテンションは舞い上がり、この先にはもっと面白いことがありそうだと思ったのですね。なおも進んでいくと、
右手には小さな集落、左手には山へ続く道が見える場所に来ました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/2d/9e0c14192a78abf1205cac205391c515.jpg)
「たぶん左よね。」と山の中へ行く道を選んだぶじこ。その結果は・・・・・
行けども行けども山の中。しかも道はどんどん狭くなっていきます。小さな軽がやっと通れる広さです。
「がけで車を擦ってもいいから、谷にだけは落ちられん。」
「わかった。」
わたしは2度とあの道は通りたくありません。だって、新車だもん。
なので別の場所のイメージ画像で
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/c2/e4b75953de15c71d54a0860e536e65b1.jpg)
こんな感じ。で、もっとうっとう暗くて(なんせ、木がいっぱいですから)道も舗装されているのかないのか。もちろんガードレールはなし。
あとで高いところから眺めてわかったことですが、この道は西へ延びてるんですね。冷静に考えれば、左手へ進んだら西の松山方面へ向かう、右手へ進んだら東、つまり西条方面へ向かう・・・ どうして気づかなかったのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fd/95adb7ad9c77eb73142f9132b0953007.jpg)
ナビを見るとさっきから道のない場所をぐるぐるぐるぐると回り続けています。もう道を間違えたことは明らかでした。でも行くしかない。
「ダメだったら引き返す。」とぶじこ。
でも、方向転換できるところさえないのに。バックで帰るつもりか?
数10分ナビを見続けていると、ぐるぐると回り続けてらせん状に西に移動しているようでした。
そして奇跡が!
人がおる!
道端に軽四トラックが止まり、おじさんが一人立っていたのです。
「ここがどこか聞いてみよか。」
道に迷ったというとおじさんは丁寧に答えてくれました。
「ここは西条市丹原町臼坂・・・」
ああ、西条市だったんだ。そして市内の方へ帰りたいのだというとこれまた丁寧に道を教えてくれました。
「橋を渡ったら谷川沿いの道を行くように。くれぐれも上っていかないこと。」
「国道にぶちあたるけん、左に行ったら西条に行けるよ。」
「国道に出るとこは信号がないので気を付けるように。」
ありがとうございます。
ここで教えてもらわなかったらさらに山の中に入ってしまったかもしれません。
私たちは谷川沿いに少し走って、やがて道が上り坂になってきました。やがて見覚えのある場所に出ました。そこはさっき通り過ぎた場所。やっぱり松山方面に逆戻りしていたのです。国道と合流する場所にこんな看板がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/98/49f987631523db5959b833417d22308e.jpg)
話はこれで終わりではありません。
再び同じ道を走って、先ほど谷へ降りた道に来ました。
「もういっぺん行っていい?ガソリンはある。この明るさならまだ大丈夫。」
はあ、確かにね。
そして今度は分かれ道で右手を選択し、集落目指して上っていきました。するとその向こうは舗装された広々とした道。
「ああ、この道よ。前通ったんは。」
道は再び下り坂になりやがて視界が開けてきました。
遠く中山川の流れが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/71/f9ea32ee9eea6dd084b186ad7b180498.jpg)
やっと無事に帰れるという実感がわきました。
「トラちゃん、通ったことのない道通れてよかった?」
「うん。」
「ちょっとこわかったんじゃろ?」
「うん。」
知らない道を走るーぶじおくんはしょっちゅうそれをやってるみたいで、でも彼は抜群の方向感覚を持っているので心配ないのですが、ぶじこまで同じことをするとは。似たもの夫婦になったかな。それにトラオも知らない道を走るのが好き。いやわたしもその傾向があるから似たもの家族か。さらにさらに弟も同じことをするので似たもの兄弟?
ともあれ無事に帰れてよかったです。
おまけ
去年の春、桜三里で撮った猿の写真です。去年は同じ場所で3回猿を見ました。以前にはなかったことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/68/ed99123c08de420b97dd734ea9099fb5.jpg)