勉強なさいませ
今日は学年最後の日です。すばらしい一年でありました。全員進級できそうだということをお聞きしてから、本当にあなた方が努力家であると感じてきました。
いろいろなことがあったと思います。また、成績で満足いかなかったという人はどこかに問題点を抱えているわけです。ぜひ分析をしていただいて、次の学年に備えてください。
最初に「問題点」ということから始めます。問題点を解決することから、次年度のスタートを順調にきってください。問題点の改善について以下に述べます。
① 問題点を認識する
いろいろなレポートを書くときに、最初に行うべきは、問題点を認識することとその経緯をさぐることだと聞きました。称賛ばかりでは舞い上がってしまってそれきりになります。まだまだ成長するためには、自分の勉強法とか、学習態度、計画性、根気、熱意等々について考えることです。これは学生生活を送る上でも大切なことであります。
② 問題点についての現状調査と整理
できるだけ客観的に分析しましょう。感情を交えてはなりません。事実をどう認識するか、情報収集を行うことです。ここの段階が無いと、次のステップに進めません。友人や、先生方にお聞きすることもよいと思います。保護者の方々にアドバイスをいただくのも効果的でしょう。そして、整理することです。
③ 問題点の解決策を
解決策を考えるときに間違ってならないのは、他者責任を問うのではなく、自己との関わりの中で何をすべきかということを考えていただきたいということです。また傲慢になって自分以外の人は、できが悪いと思うと進歩がありません。学校秀才の陥りやすい点ですから、ここは間違ってはいけません。自分の言葉で解決策を考えましょう。
二つ目。固定観念を持ちすぎないということを申し上げたいと思います。
固定観念(ビリーフ)というのは、まじめに学校生活を送る上では大変に重要です。本来アルバートエリスの論理療法の先生方がお使いになる考え方であります。問題はあまりにもそれにこだわり過ぎると、いろいろな場面でトラブルになります。あるいは精神衛生上も心配なことが増えます。時には、勉強に疲れたら、散歩をするとか、体を動かして、発散をすることです。古来、有名な学者は必ず体を動かしていました。使い分けです。総合的な成長を目指しましょう。
決まり切った固定観念のとりこになっていると、発展性がありません。頭の中も、決まり切った内容にしないことです。日々工夫して、挑戦してください。この間の卒業生からの進路アドバイスでも、一気に英単語を覚えて、毎日繰り返し復習していくというようなお話には感心していましたから。工夫があるからいいわけです。いい先輩を持ちました。
三つ目。インターネットで、あなた方の個人情報を発信するのはいかがなものか。少なくとも、個人が特定できるような情報公開をすると、ろくなことがありません。コンピュータのプロフェッショナルは、メーカー等のSEばかりではありません。警察関係者にも専門担当官がたくさんおられます。警察庁には、サイバー犯罪対策のホームページもあります。事例として、オークション詐欺、誹謗中傷、迷惑メール、不正アクセス等々があります。十分注意してください。
若いうちから妥協することなく、自己を高めていってください。自己満足と、怠惰は同じ方向を目指してしまいますから。頑張りなさいませ、勉強なさいませ。
(平成二十二年 三学期終業式 外山日出男)