『88歳・里山の医師 閉院までの50日』というNHKの番組を見ました。茅屋のテレビに録画していたのです。夜遅くというか、再放送で5/16の真夜中に放送されました。地域医療に61年もの長い間にわたって献身的に働いてこられた秋山先生という方の生き方を扱ったものです。
場所は静岡市ではありましたが、ほんとうにわたくしの故郷と似たような場所に目が釘付けになりました。そして、このようなドクターの存在も。
********************
NHKの番組紹介から引用しました↓
(NHKネットクラブ)
ヒューマンドキュメンタリー「88歳 里山の医師~静岡市清沢・最後の50日~」
チャンネル:総合/デジタル総合
放送日: 2010年5月15日(土)
放送時間:翌日午前1:15~翌日午前2:05(50分)
ジャンル:ドキュメンタリー/教養 > ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 > 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 > 歴史・紀行
番組内容
静岡市清沢地区で61年間住民の命を守り続けてきた診療所が閉じる。88歳の秋山邦夫医師と住民との最後の50日間から、地域医療の現状と課題を描く。
詳細
緑の茶畑が広がる静岡市清沢地区。この里山で61年間、住民の命を守り続けてきた診療所が閉まる。88歳の秋山邦夫医師が開院したのは、戦後まもない1949年。腰痛に苦しむお茶農家のための針治療や健康体操を考案するなど、独自の地域医療を実践してきた。番組では、里山の小さな診療所が閉じるまでの50日間を見つめ、地域医療の現実と向き合ってきた一人の医師の姿を描く。
出演者ほか
【語り】杉本哲太
********************
いろいろなドラマがあり、いろいろな生き方が紹介されます。
わたくしが注目したのが、この秋山先生の生活ぶりでした。
先生は規則正しい生活です。朝は7時に起きて、とうふとわかめの味噌汁。亡くなった奥様の仏前に食事をそなえてから、朝ごはん。味噌汁とパンの取り合わせ。しっかりと噛んで食べる。そして8時から医院を開ける。もう患者さんが待っている。昔、傷を縫合してもらったというおばあさん。昔は1日50人以上も診察した。先生は里山のホームドクターだ。学校医もかねているため、世話にならなかった人はいない。
秋山先生はお酒を口にしない。緊急の要請に応じるため。そして夜は最新の医学文献を読む。2年前に老人性の難聴と診断されてからは、行政にも診療所をつくるよう働きかけてきた。そして3月31日、診療所から長年使ってきた医療機器を処分。そこにも診察に訪れる人がきて急遽診察。そしてガラーンとした部屋に電話の音が響く。戸締りをする先生。もう開くことは無い。それから8日目、先生は引越し先に移る日。地区の人たちが大勢見送りに並んだ。一人ひとりと握手して別れる。乗り込んだ車の助手席には妻の広子さんの遺影。静かに車は動き出し、街へと向かった。清沢地区に医師がいなくなった。
ざっとこういうストーリーで展開されていきます。
実に見応えのある番組でありました。
老年学のことをずっと興味を持って読書したりしていますので、本当に心打たれました。こういうような献身的なドクターがいらっしゃるということと、里山の方々の年の取り方の見事さにです。ケアという観点からも興味深く、こうしたことをどこかでレポートに書いてみたいと思っています。それまで自分の考え方を鍛えておかなくてはなりません。
こういう番組は美談として紹介しがちですが、(それはそれで確かに美談であることを否定することはできません)そうではなくて、ケアとしての問題であるととらえると、わたくしには実に意味のあるものとなりました。
高齢の方が天寿を全うしたように亡くなっていきます。そしてご家族の方々の哀しみや、受け止め方も紹介されていきます。
藤沢周平が書いたら淡々と実に淡々と書いていくのかも知れません。この番組を見ていて、ふと思ったことがありました。まるっきり、我がふるさとのような静けさがある、と。耐えるだけの人生もここにはありました。一見華やかな世界ばかりが現実ではありません。おもしろおかしく世の中をわたっていってもいいのでしょうけれども、そうではない世界もまたあり得ると感じました。
福祉系・看護系の大学や、専門学校の進学を考えている在校生諸君もいることでしょう。男子生徒でもいるようです。
本当に尊いお仕事であります。
すばらしい生き方をしていっていただきたいと、心から思います。
また明日!
場所は静岡市ではありましたが、ほんとうにわたくしの故郷と似たような場所に目が釘付けになりました。そして、このようなドクターの存在も。
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NHKの番組紹介から引用しました↓
(NHKネットクラブ)
ヒューマンドキュメンタリー「88歳 里山の医師~静岡市清沢・最後の50日~」
チャンネル:総合/デジタル総合
放送日: 2010年5月15日(土)
放送時間:翌日午前1:15~翌日午前2:05(50分)
ジャンル:ドキュメンタリー/教養 > ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 > 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 > 歴史・紀行
番組内容
静岡市清沢地区で61年間住民の命を守り続けてきた診療所が閉じる。88歳の秋山邦夫医師と住民との最後の50日間から、地域医療の現状と課題を描く。
詳細
緑の茶畑が広がる静岡市清沢地区。この里山で61年間、住民の命を守り続けてきた診療所が閉まる。88歳の秋山邦夫医師が開院したのは、戦後まもない1949年。腰痛に苦しむお茶農家のための針治療や健康体操を考案するなど、独自の地域医療を実践してきた。番組では、里山の小さな診療所が閉じるまでの50日間を見つめ、地域医療の現実と向き合ってきた一人の医師の姿を描く。
出演者ほか
【語り】杉本哲太
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いろいろなドラマがあり、いろいろな生き方が紹介されます。
わたくしが注目したのが、この秋山先生の生活ぶりでした。
先生は規則正しい生活です。朝は7時に起きて、とうふとわかめの味噌汁。亡くなった奥様の仏前に食事をそなえてから、朝ごはん。味噌汁とパンの取り合わせ。しっかりと噛んで食べる。そして8時から医院を開ける。もう患者さんが待っている。昔、傷を縫合してもらったというおばあさん。昔は1日50人以上も診察した。先生は里山のホームドクターだ。学校医もかねているため、世話にならなかった人はいない。
秋山先生はお酒を口にしない。緊急の要請に応じるため。そして夜は最新の医学文献を読む。2年前に老人性の難聴と診断されてからは、行政にも診療所をつくるよう働きかけてきた。そして3月31日、診療所から長年使ってきた医療機器を処分。そこにも診察に訪れる人がきて急遽診察。そしてガラーンとした部屋に電話の音が響く。戸締りをする先生。もう開くことは無い。それから8日目、先生は引越し先に移る日。地区の人たちが大勢見送りに並んだ。一人ひとりと握手して別れる。乗り込んだ車の助手席には妻の広子さんの遺影。静かに車は動き出し、街へと向かった。清沢地区に医師がいなくなった。
ざっとこういうストーリーで展開されていきます。
実に見応えのある番組でありました。
老年学のことをずっと興味を持って読書したりしていますので、本当に心打たれました。こういうような献身的なドクターがいらっしゃるということと、里山の方々の年の取り方の見事さにです。ケアという観点からも興味深く、こうしたことをどこかでレポートに書いてみたいと思っています。それまで自分の考え方を鍛えておかなくてはなりません。
こういう番組は美談として紹介しがちですが、(それはそれで確かに美談であることを否定することはできません)そうではなくて、ケアとしての問題であるととらえると、わたくしには実に意味のあるものとなりました。
高齢の方が天寿を全うしたように亡くなっていきます。そしてご家族の方々の哀しみや、受け止め方も紹介されていきます。
藤沢周平が書いたら淡々と実に淡々と書いていくのかも知れません。この番組を見ていて、ふと思ったことがありました。まるっきり、我がふるさとのような静けさがある、と。耐えるだけの人生もここにはありました。一見華やかな世界ばかりが現実ではありません。おもしろおかしく世の中をわたっていってもいいのでしょうけれども、そうではない世界もまたあり得ると感じました。
福祉系・看護系の大学や、専門学校の進学を考えている在校生諸君もいることでしょう。男子生徒でもいるようです。
本当に尊いお仕事であります。
すばらしい生き方をしていっていただきたいと、心から思います。
また明日!