追いかけてはならない。去っていったヒトをいつまでも追う。しかも、忘れられなくて後を追いかけていくというのはいかがなものかと思っているからだ。映画「シェーン」だって見事なものではないか。決して振り返らない。いくら男児が「シェーン」と呼びかけても、シェーンは前しか見ていない。
男の美学だ。一度言ったことは曲げない。だから言葉に慎重になる。クチから出任せ出放題でいいのか。某お笑い芸能事務所の社長のように「冗談」だったと済ませるわけにはいかないのが、男の美学である。それだけ、男は言葉選びに慎重でありたいものである。
それを片っ端から思いついたまましゃべっていると、どっかで馬脚を現してしまう。ちなみに馬脚を現すとは、古典劇『元曲陳州糶米、第三折』による出典で、中国では「露出馬脚来(マーチャオライ)」といわれる。
昔、「男は黙ってサッポロビール」というCMがあった。俳優の三船敏郎が出ていたようなかすかな記憶がある。(しばしの間)
ボキのデスクトップパソコンで、探してみたらあった。Youtubeにあった。以下にリンクをかけておいたから堪能してもらいたい。
否、言いたいことはこれではない。
これをこのまま就職の面接で真似た学生がいたのである。愉快である。
三船敏郎が「男は黙ってサッポロビール」と言うCMが放映されていた頃、ある男子学生がサッポロビールの入社試験を受けた。しかしその男子学生は面接社員の質問に対し無言のまま何も答えない。怒った面接社員が「どうしてずっと黙っているんだ?」と聞くと男子学生は「男は黙ってサッポロビール」と発言。この発言で、男子学生は内定をもらった。
愉快ではないか。
わははははっはははっはははははっはははははっはははははははである。
こんな愉快な学生がいたのだから、世の中捨てたものではない。もっとも、今これをやったらどこにも受からないかもしれないが。
ボキも愉快なジジイでありたい。もうなっているけど。シアワセそうな顔をしているといつも言われるから。8つに減った出稼ぎバイト先で。まるでアホのようだけど、アホなんだなからしょうがないけど。
そして、たまに「ジジイは黙ってサッポロビール」とかなんとか言っていたらアホそのものですなぁ。
BYE-BYE!
男は黙ってサッポロビール CM