スープカレーを食文化にするには

こんばんは。

この間のスープカレー鍋の記事と連動した話になります。
先日ブログ検索でいろいろなところを見に行ってたら興味深い記事が
ありました。

スープカレーは文化になりえたか?(garage CREST blog:2005.8.27)

こちらの管理人のTSKさんは、スープカレーは現在流行こそしているものの、
食文化としては定着していないし、今後についても疑問視しています。
それがなぜかをまとめていらっしゃいます。
以下にざっくりと要約します。


(理由)■家でママンがスープカレーを作った事なんてない

スープカレーは歴史が浅く、各家庭の味というものにまだなっていない。
なかなかスープカレーを自炊するのは難しいように思われる。
スープカレーはまだ専門店で食べるものだが、単価もそれなりに高い事と、
シャバシャバ系はご年輩の方やお子さまも食べにくく、ターゲット層も
限られているように思われるので、なかなか浸透するには時間がかかりそう。

食文化とは各家庭で楽しまれ、受け継がれていくものではあるけれど、
ルーツとなる部分は非常に保守的だと思われる。


以上、非常にざっくり要約してみました。
できましたらリンク元もご一読いただきたいと思います。
仰っているように、まだスープカレーは家庭で作る料理としては、
なかなか土壌は出来上がっていないと思われます。


さて、まずはスープカレーの歴史について簡単に振り返ってみましょう。

華麗なる食卓(17)↓の199ページより引用します。
華麗なる食卓 (17)

1970年代…薬効重視の養生食として初めてスープ状のカレーが生まれた。

1980年代…スリランカ系のスパイス重視のスープタイプのカレーが普及し、
それと同時期にインドの宮廷風カレーにヒントを得たトマトベースの
スープのカレーも登場した。

1990年代…インドネシアのソトアヤムをアレンジしたものが登場。
ここで初めて「スープカレー」と命名される。
※うろ覚えですが、MagicSpiceの店内に貼ってあった新聞のコピーで
マジスパの店主がインドネシア風にアレンジして、スープカレーと
呼ばれるようになったと書いてあったような。

スープカレーにはいろんなタイプがあり、必ずしも連続的に
発展してきた訳ではなく、散発的に発展してある程度の基盤が
出来てから一気にブームになったと思われる。
その理由は北海道が寒冷地の為に「温かい汁物を欲する
土地の文化があったから」
ではないだろうか。



↑というような事が書いてあります。

スパイスの薬効で身体を温めたりもできますので、熱々のスープ状の
カレーは寒冷地で発展してきた事は当然ともいえるでしょう。
北国は鍋物などの温かい食べ物が食文化として根付いていますし、
そう考えれば納得です。

スープカレーはブームになり、完全に定着したと思います。
ブームになる為には若い女性をターゲットにしてお客様、リピーターに
する必要があります。
「ヘルシー」「オシャレな内装」「有名人の広告塔」などの要因で
ブームにはなりました。
しかしここまでだとブーム止まりで食文化とはなれません。

ではスープカレーを食文化にするにはどうしたら良いでしょうか?
家庭でなかなか作れないからなかなか食文化になりえない、と
TSKさんは仰ってます。それはなぜでしょうか?

私が思うに、スープカレーが各家庭になかなか浸透していかないのは
いわゆる家庭のカレーと比べて、スープカレーの敷居が高いからです。

「スープカレーって何?普通のカレーをスープ状にしたものじゃないの?
全然違います。各種スパイスを使ってスパイス成分を抽出して~」

って文を雑誌や専門店の広告など、あちこちで見かけますね。
こういう物言いが敷居を高くしているのだと思います。
もっと気軽な感覚でも良いのではないでしょうか?

即席カレールゥがヒットしたのは保存がきくのもあるでしょうが、
お手軽さが最大の理由だったのではないかと思います。
それこそ味噌汁と同じような作り方で、味噌の代わりにカレールゥを
割り入れれば出来上がりですから。
ここ数年に至っては、フレーク状になって溶けやすくなったルゥまで
発売していて驚きました。
(私の実家は小麦粉を炒めてルゥを作るので、市販のルゥはほとんど
 使った事がなく、そんなものが出てるなんて知りませんでした。)

ヨメに言わせれば、カレーやシチューは市販のルゥで作るもの、だとか。
このようなお手軽さ、敷居の低さが料理の頻度を上げ、食卓に上る
頻度も上げて、ひいては食文化として受け継がれていきやすくなるのでは
ないでしょうか。

大泉洋プロデュースのスープカレーのスープ(ベル食品販売)も、
「お好みの具材をこのスープで煮込めばできあがり!」と謳っています。
ホームページで簡単レシピなども紹介して、スープカレーの敷居を
下げようという努力の程が伺えます。

私がスープカレー鍋を作ったのは、たっぷり野菜が摂れるというのも
ありますが、お手軽に好きな具を大ざっぱな仕込みで使って豪快かつ
簡単に作れて、しかも美味しいという事をアピールしたかったからです。

私の中では本当に調味料の一つにスープカレーの素を加えていろいろ
使えるのではないかと考えています。

今後のスープカレーのより一層の発展を願って。
それでは、長文失礼しました。

※とてもコメントして良い長さではなくなりましたので、TSKさんの記事には
 トラックバックさせてもらいます。
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