野菜ソムリエPro. AndyのBlog

「奈良・吉野」の玄関口を中心に活動する、吉野郡唯一の野菜ソムリエPro.&果物ソムリエのベジフルライフをつづっています。

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新開仙樹園を見学

2010年01月21日 19時12分39秒 | 野菜&果物
先日、富雄にあるコミュニティースペース「空くぅ」
オーナーさん、従業員さん、そしてボクの3人で、
「新開仙樹園」を訪問させていただいた。

新開仙樹園は、「空くぅ」がある富雄から南に車で10分走ったところにある。
造園業の他に、ガーデニング、樹木選定、整樹、剪定などの事業、
さらには野菜の無農薬有機栽培まで携わっている。

目的は、「空(くぅ)」のメニューに使う材料(野菜)の仕入れ。

事前にオーナーさんからお誘いを頂き、今回、訪問が実現。

3人は新開仙樹園のシニアディレクター・新開義隆さんのご自宅に招かれた。

新開さんは、見るからにお百姓さんと武道家が併せ持った方。

まず、玄関に入ってビックリしたのは、薪ストーブが置いてあること。

殆どが暖房や石油ストーブの世の中、貴重なものだ。

冬はこれで十分暖かいとのこと。

家屋にふんだんに杉やヒノキを使っているので、かなりの保温があるだろう。

3人はお茶を頂き、いろいろとお話を聞かせていただいた。

因みにお茶を入れてくださった湯のみも新開さん自ら陶芸で焼いたもの。

会話の途中、新開さんは、先日、とある場所で購入した
4種類の黒豆を見せてくださった。

新開さん曰く「この中で良心的なのは1つだけ。どれだろうか?」。

仮にA、B、C、Dとする。
Aは、粒がまん丸で揃っていて、弾力を感じる。

Bは、同じく粒はまん丸だが、少し小さめ。

C、Dは、粒は弾力がありそうだが、まん丸以外にも
楕円のものも随所に見られる。

答えはA。

C、Dは楕円のものは大豆と交配している。つまり純系ではない。
Bは出来が劣る。

将来の野菜ソムリエとして、こういったことも見分けるように、
また、それを伝えていきたいと思った。

さて、お話は続き、いろいろと興味深いことを教えていただいた。

それの一部。

「人生で大事なものは“縁”。縁が、人生を豊かに、農業も豊かになる。」

「農業は、みんなと同じ事をしていれば、生き残っていけない。」

「農業は頭(知恵)を使う仕事。いかに頭(知恵)を使うかだ。」

「植物は、甘やかしてはいけない。
 植物の本能を生かせて初めておいしいものが出来る。
 人間と一緒。人間も甘やかしては育たない。
 例えば、種まきをすれば、大半の人はたっぷりと水やりをする。
 しかし、それもよく考えて欲しい。」

と、おっしゃっていた。

何も言わない野菜にとって、現代の農業は至極迷惑だろう。

農業、食の原点と言えるものを教えていただいた気がした。

その後、近くにある有機栽培の農場を見学させていただいた。

まず、ご自宅の近くにあるビニールハウスを見学。

そこでブロッコリーを採ってその場ですぐにかじらせて下さった。

畑でとってすぐにかじる…無農薬有機栽培の特権だ。

これがとにかく甘い!

さらに、そこから車で5分ほど離れたところにも農場を経営しているので、
そちらも見学することに。

到着後、新開さんは畑に植わっているねぎを引き抜き、

「これ、食べてみな。」と、その場で頂いた。

かじってみると、まず甘みが来て、その後、ねぎ特有の辛味が効いてくる。

化学肥料では絶対にこんな味は出ない。

ボクは思わず「甘い!」と声に出した。

因みにねぎに使用している肥料は牛糞と綿実油粕のみ。後は何も使用していないらしい。

これはボクの意見だが、化学肥料を使用すると、野菜が青臭くなる。
なんとなく味がエグイ。

化学肥料漬けの野菜が、野菜離れを加速させている。

そんな気がした。

その他、いろいろな畑を見学させていただき、必要な野菜を仕入れた。

因みに新開さんは、実にいろいろな夢をお持ちである。

例えば…。
・自宅横に道場を構え、武道を教えたい。
・有機野菜の直売。
・蛍が飛び交う沢の再生。
・休耕田を利用した果樹園の運営。
・障害を持った方、体にハンデを持った方が野菜栽培を体験できる、体験農場の運営。
・野菜の保存、加工方法(漬物やジャムなど)を勉強する勉強会の企画。

…などなど。

ボクは以前から、技術屋もいいが、
それよりも有機栽培を実践している人と会いたいと思っていた。

こんなに早くに出会いが叶い、男冥利に尽きる。
いい意味で衝撃でした。

ボクも今後新開さんからいろいろ学びたいし、
可能ならば企画に参画したいと考えている。

また、このブログで、野菜栽培の知恵を
随時取り上げていきたいと考えている。
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