横浜市神奈川区を流れる足洗川(すべて暗渠)を下流から上流までたどってみました(2024年3月24日)。
先日の散歩途中、大口1番街でたまたま見つけた足洗川。神奈川区には浦島太郎伝説が残っていて、浦島という地名もありますが、この足洗川は浦島太郎が足を洗ったという言い伝えから付けられた名前らしいです。菊名プールあたりから出ている謎の暗渠の存在には前から気がついていたのですが、最近「横浜・川崎・鎌倉凸凹地図」という強力な資料を入手して、この暗渠が足洗川であることが判明しました。それで「横浜・川崎・鎌倉凸凹地図」をガイドにして、足洗川を下流から上流までたどってみました。書籍「横浜・川崎・鎌倉凸凹地図」については、そのうちレビューします。
入江川の下流部です。足洗川は入江川の支流になります。
入江川近くにある一之宮神社。奥にあるけっこう長い階段を上っていくと社にたどり着く、俗から聖へと世界が変わる感覚を味わえる、おもむきのある神社です。
一之宮神社のあるあたりに足洗川の入江川への合流口があります。それは、こんな下水管の出口だったので、ちょっとがっかりでした。浦島太郎の由緒ある川なのに。
足洗川の出口の上は子供の遊び場になっています。
そこから上流にたどっていきます。完全に暗渠化していますが、昔の川筋のままなんでしょうね、このように蛇行しています。
JR横浜線の線路下を通るところが、ゴミ収集場所となっています。近づくとガサゴソ音がするので、おそらくラット(ドブネズミ)がいるのでしょう。ドブネズミとはよく付けた名前です。下水道などに生息しているのですね。
ゴミ収集場所の裏側には、このように水路のトンネルが確認できます。
横浜線の反対側はこうなっていて、大口1番街のところに石碑が立っているわけです(2024年1月7日撮影)。
大口1番街を横切って上流側に進みます。
ガイドを見ると、奉斎殿という相議場の下か左あたりを通っていることになっていますが、目印になるものはありません。
国道1号線を横切って、この路地を入っていきます。
このあたりは大口商店街の裏になります。
ここで、右に曲がります。
まっすぐ進むと、聖徳保育園の下を通ることになります。
大口商店街から少し路地を入ったところからの撮影です。写真では左の保育園のほうから曲がって、写真の前方に進むようです。この写真を撮っていたら、「てんだあ」という喫茶店の前にいた男性に「なんですか?ここは私有地なんだけど」と怒られてしまいました。俺の縄張りで何やってんだ?的な威圧を感じたので、謝って早々に退散しました。
ここが堀の跡のようになっていますが、ものすごく荒れています。
下流側。土が入って、木も生えています。この地中に川があるのではと想像します。
上流側。堀の上に民家が建ち、ゴミ捨て場のようになっています。このあたりはやばい感じです。
先ほどの荒れ地から出て、おそらくこの小道を通って、
この通りの、歩道の下を通り、
左折すると、小さな橋の欄干のようなものが残っています。ここを川が流れていたことの明確な証拠ですね。
なぜか、工事中の柵に囲まれていて、立ち入り禁止になっています。この民家の並びをぐるりと周って、
非常に古い家屋が残っていて、そこのひさしの下を暗渠が通っています。
ここから住宅街の道路がずっと続きます。ここは、以前から暗渠だろうと目を付けていたところです。右側が車道で、左側が暗渠で、上に植物が植えられています。おそらく、暗渠の上は構造的に弱いので、車を通さないようにするため、このような形になっているのではないかと想像しました。
綱島街道を越えます。
東京電力の子安変電所。
道路を越えて、暗渠は道の左側から、右側に変わります。
ここの家は少し暗渠の上にはみ出していますね。
通りにぶつかって、暗渠は右方向に、
そして、左の小道に入っていきます。
左は白幡小学校。右側が暗渠で、左側が元からある歩道のようです。間をコンクリートの壁がさえぎっているところを見ると、もともと川べりの壁であったようすが目に浮かびます。
また、道路を越えて、
東横線のところまで来ました。
暗渠は線路下を通って、反対側に出てきます。
旧綱島街道を越えて、左斜めに入っていきます。
仲手原二丁目公園の中をつっきっていきます。
左に港北保育園があります。
ここは小さな側溝みないなのが外から見えます。
足洗川と確認できる跡はここで最後です。この北側は少しずつ高くなっていて、その先に行くと、
菊名池弁財天があります。小さな神社ですが、1000年以上の歴史があるそうなので、平安時代頃の創建でしょうか。そして1964年(私の生まれ年)に再建されたといいます。
その北側は、菊名池公園プールとなっていますが、昔は今より大きかった菊名池の南半分がありました。そういうことで、足洗川は旧菊名池から流れ出ていたのではないかと想像されます。プールにかかる赤い橋は、竜宮城を連想させました。
51枚の写真で、足洗川の下流から上流までを追ってみました。
途中、私有地の所有者に叱られて、
なんだか怪しい土地もあり、大変な
撮影でしたね(笑)。ちょっと怖い
場面もある地区なんでしょうか。
かなり面白いですね。
多くの画像で楽しめました。
暗渠ってちょっと見は普通の道路
ですが、普通の道路にしてはいろいろ
と不自然な構成をしていて、
「これは暗渠じゃないの?」と思う
匂いがプンプンして、歩いていて面白い
ですねえ。
浦島太郎伝説もあるのに、あまり
それらしくない川の外見。
そのなんとも、こう言ってはなんですが
地味な眺めを楽しみつつ、もとは
流れが見えたであろう退屈な道を歩く
楽しい旅。
ありがとうございました。
ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
おっしゃる通り、道を歩いていると、その不自然な構成から暗渠ではないかと匂ってきますね。そこにないものが見えることを「幻視する」といいますが、いざ、そこが暗渠であるとわかると、川の流れが「幻視」できて、面白いです。
「ちょっと怖い場面もある地区なんでしょうか。」→普段は平和な街なのですが、たまに怖いヤンキーに遭遇することがありますし、凶悪事件が起きたりもします。このあたりは、海にも近い沖積地帯にある古い町で、ヤンキーの祖先である海民の末裔が多く住みついている地区だと思っています。