地元チームの1/4くらいの人数ながら,ホームチームへの声援を凌駕していたアウェー席のオレンジ色が,やけに眩しかった。
ボールの支配率は42%。シュート数は90分で6本。攻撃の中心となるべきハモンは,後半30分に2枚目のイエローカードを貰って退場。
そんなスタッツを並べただけでおよその見当は付くと思われるが,それにしても酷い内容だった。
残り11試合となった現時点で,その残り全てを勝たなくては残留はほぼ不可能という場所にいるはずのコンサドーレ札幌は,勝利を目指して倒れるまで走り続ける,といった姿とは縁遠い戦い振りで,J2陥落をほぼ決められてしまったように見える。辛うじて1万人を超えた観客は,試合後の挨拶にスタンドに近付いてきた選手たちに対して,声援を送るでもなく,かといってブーイングの雨を降らせるでもなく,どう対応すべきなのかが分からないまま途方に暮れているように見えた。
仙台戦を観る限り,すべてのボールを新司令塔のハモンに一旦預ける,という20世紀型の戦術ながら,それによってどうにかフットボール・ゲームの体裁を取り戻しつつあったコンサだが,頼みの綱のハモンがボールを失い続けた結果,見るも無惨な試合となってしまった,というのが端的な印象だ。
だがハモンの出来をとやかく言う前に,清水のプレスと札幌のプレスの圧力差が明確になった試合序盤で,決着は付いていたのかもしれない。
清水は大前を中心に速く短いパスを回して崩してきたという印象が強く,得点もロングボールとカウンターだっただけに守備の強さは特に目立たなかったように感じるが,札幌がボールを持った時に,ボールは奪えなくともとにかく自由にはプレーさせない,という姿勢は徹底していた。特にサイドで前後から挟み込むプレスの強烈さは,最後まで衰えることはなかった。
それに比べると,両サイドバックに加えて,ボランチの宮澤,サイドの古田らの守備は,運動量だけはさほどひけを取ってはいなかったように見えたが,ボール・ホルダーとの距離の取り方はまるで違った。常に激しく身体をぶつけてきた清水のプレスに比べると,抜かれることを嫌って常に1m以上離れた場所をキープすることで,相手をフリーにさせ続けた札幌の選手たちのプレーは,遠路はるばる訪れたお客さんたちへの過剰な遠慮と配慮に充ち満ちていた。
杉山の判断と技術の未熟さ,攻撃はともかく,守備は全くしようとしない右サイドバックの日高,それに毎試合何のためにピッチにいるのか,謎としか言いようのない宮澤を起用し続ける石崎監督の采配については,もう何かを言う気力も失せた。
ネガティブな要素しか見つからなかった試合だが,いつも1試合に1本は放ってくれる山本のミドルに加えて,今日はハモンのミドルが見られたのが唯一の収穫かもしれない。どれだけパスを引っかけ続けても,意味のないドリブルを止められ続けても,ミドルシュートを1本決めてくれれば文句は言わない。最早残留はおろか,勝利すら望めない以上,せめて決して安くはない料金分のスリルだけは提供して頂きますよう,心よりお願い申し上げます。
ボールの支配率は42%。シュート数は90分で6本。攻撃の中心となるべきハモンは,後半30分に2枚目のイエローカードを貰って退場。
そんなスタッツを並べただけでおよその見当は付くと思われるが,それにしても酷い内容だった。
残り11試合となった現時点で,その残り全てを勝たなくては残留はほぼ不可能という場所にいるはずのコンサドーレ札幌は,勝利を目指して倒れるまで走り続ける,といった姿とは縁遠い戦い振りで,J2陥落をほぼ決められてしまったように見える。辛うじて1万人を超えた観客は,試合後の挨拶にスタンドに近付いてきた選手たちに対して,声援を送るでもなく,かといってブーイングの雨を降らせるでもなく,どう対応すべきなのかが分からないまま途方に暮れているように見えた。
仙台戦を観る限り,すべてのボールを新司令塔のハモンに一旦預ける,という20世紀型の戦術ながら,それによってどうにかフットボール・ゲームの体裁を取り戻しつつあったコンサだが,頼みの綱のハモンがボールを失い続けた結果,見るも無惨な試合となってしまった,というのが端的な印象だ。
だがハモンの出来をとやかく言う前に,清水のプレスと札幌のプレスの圧力差が明確になった試合序盤で,決着は付いていたのかもしれない。
清水は大前を中心に速く短いパスを回して崩してきたという印象が強く,得点もロングボールとカウンターだっただけに守備の強さは特に目立たなかったように感じるが,札幌がボールを持った時に,ボールは奪えなくともとにかく自由にはプレーさせない,という姿勢は徹底していた。特にサイドで前後から挟み込むプレスの強烈さは,最後まで衰えることはなかった。
それに比べると,両サイドバックに加えて,ボランチの宮澤,サイドの古田らの守備は,運動量だけはさほどひけを取ってはいなかったように見えたが,ボール・ホルダーとの距離の取り方はまるで違った。常に激しく身体をぶつけてきた清水のプレスに比べると,抜かれることを嫌って常に1m以上離れた場所をキープすることで,相手をフリーにさせ続けた札幌の選手たちのプレーは,遠路はるばる訪れたお客さんたちへの過剰な遠慮と配慮に充ち満ちていた。
杉山の判断と技術の未熟さ,攻撃はともかく,守備は全くしようとしない右サイドバックの日高,それに毎試合何のためにピッチにいるのか,謎としか言いようのない宮澤を起用し続ける石崎監督の采配については,もう何かを言う気力も失せた。
ネガティブな要素しか見つからなかった試合だが,いつも1試合に1本は放ってくれる山本のミドルに加えて,今日はハモンのミドルが見られたのが唯一の収穫かもしれない。どれだけパスを引っかけ続けても,意味のないドリブルを止められ続けても,ミドルシュートを1本決めてくれれば文句は言わない。最早残留はおろか,勝利すら望めない以上,せめて決して安くはない料金分のスリルだけは提供して頂きますよう,心よりお願い申し上げます。