チャナティップ・ソングラシンの加入に続いて,昨年磐田で14得点を挙げたジェイ・ボスロイドの加入を正式に発表した札幌。それだけの実績を上げながら,今季ここまで所属チームがなかったということが,果たして単に条件面での折り合いが付かなかっただけなのか,それとも本人のキャラクターに何か問題があったのか,気になるところではあるが,そんな些細なことは言っていられない状況に陥ってしまった札幌としては,精一杯の補強と高く評価したい。
今月末と言われる彼ら(共にムアントン在籍歴あり)の加入までに,取り敢えず少しでも勝ち点を稼いでおきたい札幌は,試合前にチャナティップの入団挨拶で盛り上がったことも味方したのか,冷や汗が滝のように流れる防戦一方の試合を勝ちきり,他の試合が行われていない現時点でとりあえず降格圏脱出に成功した。
前半6分の先制点はロングフィードを受けた都倉が,見事な身のこなしでGKをかわし,そこからマイナスのクロスを受けたヘイスが落ち着いてシュートを決めたもの。2トップの技とキレが光る見事なゴールだった。
しかし,そこは同時に生きた心地がしない80分間の幕開けでもあった。
相変わらずマセード,菅の両ウィングバックが3バックの両側に下がり,5バックをスタンダードとしながら,後半は更に中盤の3人をも吸収して,さながら「8バック」仕様でひたすら清水の攻撃を耐え忍ぶ展開を,四方田監督は選択した。選手交替もキム・ミンテ,早坂,河合と,1点を守るためにディフェンスを重視する,ということが明確だったため,指揮官の考えは確実に選手に伝わったと思われる。
その結果,今季二度目の無失点を達成し,連敗を6で止めることに成功したことは素晴らしい。だがその内容は,常に複数の選手が連動してサイドを突き続けた清水に比べて,あまりにもお粗末なものだったと言わざるを得ない。
後方の選手がくさび役を追い越してボールを貰い,クロスを上げるというシーンは後半に左でたった一度あったきり。都倉やヘイスに渡ったボールは,サイドに流れることなくほぼ完璧に潰され続けた。
清水のフィニッシュの精度が低かったことにソンユンの読みが当たったことが重なり,辛うじて勝ち点3を取り切ったが,こんな「赤黒の壁作戦」がJ1でいつまでも通用するとは考えられない。
補強した二人の特性を活かしてなお勝ちきるサッカーを構築できるかどうか,まずは真夏の大宮・甲府戦が鍵となるだろう。折り返し直後とW杯予選のインターバルで,セレッソがやった3部練習並みの追い込みが出来るかどうか,足を攣って呻いている暇はない。
今月末と言われる彼ら(共にムアントン在籍歴あり)の加入までに,取り敢えず少しでも勝ち点を稼いでおきたい札幌は,試合前にチャナティップの入団挨拶で盛り上がったことも味方したのか,冷や汗が滝のように流れる防戦一方の試合を勝ちきり,他の試合が行われていない現時点でとりあえず降格圏脱出に成功した。
前半6分の先制点はロングフィードを受けた都倉が,見事な身のこなしでGKをかわし,そこからマイナスのクロスを受けたヘイスが落ち着いてシュートを決めたもの。2トップの技とキレが光る見事なゴールだった。
しかし,そこは同時に生きた心地がしない80分間の幕開けでもあった。
相変わらずマセード,菅の両ウィングバックが3バックの両側に下がり,5バックをスタンダードとしながら,後半は更に中盤の3人をも吸収して,さながら「8バック」仕様でひたすら清水の攻撃を耐え忍ぶ展開を,四方田監督は選択した。選手交替もキム・ミンテ,早坂,河合と,1点を守るためにディフェンスを重視する,ということが明確だったため,指揮官の考えは確実に選手に伝わったと思われる。
その結果,今季二度目の無失点を達成し,連敗を6で止めることに成功したことは素晴らしい。だがその内容は,常に複数の選手が連動してサイドを突き続けた清水に比べて,あまりにもお粗末なものだったと言わざるを得ない。
後方の選手がくさび役を追い越してボールを貰い,クロスを上げるというシーンは後半に左でたった一度あったきり。都倉やヘイスに渡ったボールは,サイドに流れることなくほぼ完璧に潰され続けた。
清水のフィニッシュの精度が低かったことにソンユンの読みが当たったことが重なり,辛うじて勝ち点3を取り切ったが,こんな「赤黒の壁作戦」がJ1でいつまでも通用するとは考えられない。
補強した二人の特性を活かしてなお勝ちきるサッカーを構築できるかどうか,まずは真夏の大宮・甲府戦が鍵となるだろう。折り返し直後とW杯予選のインターバルで,セレッソがやった3部練習並みの追い込みが出来るかどうか,足を攣って呻いている暇はない。