子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2010年J2リーグ第33節 コンサドーレ札幌対ジェフユナイテッド千葉【1:0】プロの矜持

2010年11月07日 21時54分53秒 | サッカーあれこれ
今週,今期限りでの退団を発表したばかりの砂川が後半途中から出場し,「これがプロフェッショナルだ」ということを,12,656人の観客と来季もチームに残るであろうコンサの選手達に見せてくれた。この時期の恒例となってしまった消化試合が,チームを去るヴェテランの奮闘のおかげで,サポーターの記憶に残る試合となった。砂川には心からのお礼と労いの言葉を贈りたい。

後半の42分だった。前節で今年の昇格が消えたチームを鼓舞するように砂川は前線で動き回り,ボールが出て来なくても諦めることなく何度もオフ・ザ・ボールの走りを続けた結果,千葉が抱いていたかすかな昇格の望みを打ち砕くような素晴らしいゴールが生まれた。左から砂川が上げた正確なクロスに応えた,宮澤のシュートにも気迫がこもっていたが,とにかく最後まであきらめないという姿勢は,感動的ですらあった。

だが試合全体は,千葉に支配されていた。中盤の速いプレスに手を焼き,前に出る人数で後手を踏んだコンサは,高原の落ち着いたセーブと,千葉のアタッカーのミスがなければ,3対0くらいで負けていた試合だった。
西嶋は集中力を欠き,藤田は気が向いた時にしか動かず,内村は気持ちだけは前のめりだったが周囲との連携はないに等しかった。
後半,一度だけ素晴らしいサイドチェンジでチャンスを作り出した以外は,アタックする姿勢を全く見せなかった上里は,同じポジションで鋭いシュートを連発していた佐藤勇人との差が際立っていた。
昨日負けている福岡との差を少しでも縮めたかったであろう千葉のあせりがなければ,ボール際でことごとく競り負け,イーブンのボールを失い続ける展開で,試合を拾うことは出来なかったはずだ。

それでもこの日,砂川がチームに残したものは大きい。だがそれを三上や古田,そして10番を背負う宮澤らが,継承していくことが出来るかどうかは,監督の手腕に拠るところが大きい。最後は高木のワントップという,凡人には理解不能な布陣でも勝ち点3を奪う,という芸当は,そうそう出来ることではないはずだからだ。
チームに染みついてしまったように見える,どうにも緩くて,ぬるくて,13位でも何故か心地良さげな空気を変えるような指揮官を連れてくることが出来るかどうか,フロントの手腕と判断が問われている。


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