二週続けて日曜に仕事があるので(教員は休日手当ては出ない)、週末も名古屋ですごす。
布団干しを済ませて、久々に都心に赴く。
名古屋の都心といえば、栄、伏見、名駅 のラインが中心だが、それとは別に、名駅に次ぐ交通の要所である金山も都心の仲間入りをしている。
その金山の駅前のビルに「名古屋ボストン美術館」が入っている。
そこで開催されている「ルノワールの時代:近代ヨーロッパの光と影」を見に行った。
東京の新国立美術館で見に行った「ルノワール展」に触発されたためである。
こちらで見たかったのは、彼のダンス三部作の一つ(他の二つは東京で見た)「ブージヴァルのダンス」(右)。
私がルノワールに出会ったのがこの作品だった。
絵画にたいした興味をもっていなかった学生時代、デートでなんのはずみか西洋美術史を一覧できる美術展に行った(新宿の伊勢丹美術館だったような…)。
つまり美術史の順で代表的な作品が並んでいるのだ。
ルネサンス絵画を過ぎ、画面に一ヶ所だけ光が当たっているような、宗教や神話の一場面や権力者の肖像ばかりの(色も題材も重たい)、まさにフレスコ画というにふさわしい重厚なバロック絵画などを見つづけたあと、
次の展示室に移動したら、いきなり、黄色と赤のかぶり物をした農民の男女が楽しそうに踊っているこの絵に出くわし、ど肝を抜かれた。
色使いも題材もまったく新しい。
バッハの宗教音楽をしばらく聴き続けた後にモーツァルトを聴いた時のような、「人間世界に帰ってきた!」という喜びに近い。
ルノワールの描く女性は、丸顔ぎみで愛らしく、目が黒いので日本女性としても違和感がない。
今回一緒に展示してあった「ガンジー島の海辺の子供たち」に描かれている女性もそうだ。
それに彼の描く女性のふっくらした腕が好きなのだが、彼の絵を見た彫刻家のロダンも同意見だっということも知った。
造形的にいいらしい。
ちなみに、ここでのルノワールの絵画は3点ほど。
ミュージアムショップでいつものように絵はがきを求めた中、浮き出る絵になっている「ムーラン・ド・ラ・ギャッレットの舞踏会」 があったので迷わず購入(ドイツ製)。
あの雑踏が立体になっている!