あなたは何を考えているの?

2024-12-10 06:25:02 | Weblog
これも10月のこと。
大阪中之島美術館に塩田千春展を観に行った。
赤い糸が大量に吊るされたインスタレーションが出迎えてくれた。
中の展示も赤い色がキーとなる作品が多くあって、その赤という色が原初的騒擾性を持って入り込んで来て、我が心をざわめかせた。
作者の意図するものと相違する感慨を持ったかもしれないが、芸術鑑賞とはそういうものであろう。
もう一つキーとなるのが糸の使用。
他者とのつながりを表現しているそう。
私のつながりの色は何色だろう。







大阪中之島美術館は2年前に新しくできた美術館。
建物前にあるヤノベケンジのシップスキャットは見たことがあるが中に入るのは初めてだった。
展示室があった5階から階段で降りると、下の階に立っているこれまたヤノベケンジ作のロボット像と顔を合わせる。
おー、でかいなあ。
子供の命令しか聞かないロボットだそう。
面白いなあ。







芸術家は皆独自の世界観を持っていて、その頭の中を垣間見れる場所が美術館だ。
でも別に芸術家だけが独創的な考えを持っているわけではないと思う。
自分も含め、どんな人もその人の世界を持っている。
芸術家と違うのは、一般人はその世界を表現する手段を手にしていないというだけだ。
表現してくれないから、隣で仕事している同僚がとても面白いことを考えていても分からない。
そうすると芸術家というのは自分の思いを知ってもらうためにその表現力を磨く人ということか。




12月最初の土曜日

2024-12-08 20:36:31 | Weblog



花の丘

2024-12-06 06:20:20 | その他旅行き
10月の話。
吹田の万博記念公園へ執筆活動に出かけた。
書くのはこのブログの記事。
家で書くより周りの環境を変えるといいアイデアが浮かぶと聞くので、外で書こうと思ったのだ。
ベンチに座ってスマホのメモ帳に文章を綴る。
しかし薄着で出てきたので少し肌寒く集中できない。
失敗したなあ。
暖まるため歩いた。



万博記念公園には花の丘というところがある。
この時期はコスモスやらコキアやらが植えられているのでそちらに行ってみた。
公園の中の道は歩く人が少なく、いつもより寂しい感じだったのが、花の丘は人でいっぱいだった。
まあ、当然と言えば当然。
この時期の目玉で、みんなここを目的に公園を訪れるのだろうから。



写真を撮ろうとカメラを取り出したが、撮影モードに頭が切り替わらず。
数枚撮っただけで通り抜けてしまった。
文章も湧いてこず、撮影も中途半端。
ただ歩きに来ただけになってしまった。
公園の出口へと向かうと花の丘へと向かう人が次々とやってくる。
へえ、すごい人気だな。
この一帯だけ人口密度が高かった。




寒くなったこと

2024-12-04 06:19:40 | Weblog
旅記事を書き連ねている内に季節は進み、いよいよ寒くなってきた。
朝晩はコートが手放せない。
遅々として進まなかった木々の色づきもようやく例年に追いついた感じ。
暑さで気分が悪くなることは無くなったが、これからは寒さに震える日々を過ごさねばならない。
過ごしやすい時期ってほんとに短いなあ。




帰阪

2024-12-02 06:24:30 |  秋休みは福島へ
さて、福島県ともこれでおさらば。
あとは帰るだけである。
郡山駅の新幹線ホームへと向かう。
途中何の気なしに売店に入ると、目の前の棚に酪王カフェオレのパッケージが並んでいた。
旅に出る前に連れがTVの旅番組で今回旅した辺りの情報を仕入れていて、誰それがこのカフェオレが今まで飲んだ中で一番美味いと言っていたので買うのだと言っていたやつだ。
各所のお土産売り場で探したのだが、これまで売っているのを見かけなかった。
この商品の味付けのお菓子(クランチだったかな)は売っていたのだが。
そういえば福島駅で私と別れてから、新幹線に乗る前にゲットしたとメールがあった。
土産物というより、地元の人の普通の飲み物として探したら良かったということね。
私も買ってみた。



帰りの東北新幹線は「やまびこ」である。
乗り込んでから飲んでみた。
ふむ、甘すぎず牛乳の味がしっかりして美味しかった。
自分にカフェオレへのこだわりがないので、うまさの程度は判断できず。
飲み終えて旅の写真を見直していたら眠くなってきた。
今日はそんなに動いていないはずなんだが。
スマホの文字盤を長押ししだしたので、取り落とす前に眠ることにした。



郡山から東京までは1時間20分ほど。
上野駅手前で目を覚ます。
東京駅からは12時ちょうど発の「のぞみ」。
家に遅く着いていいのなら、東京で途中下車して写真展でも観に行くという選択肢もあったが、明日は仕事だ。
洗濯とかもしたいのでサクサク帰る。
昼食のお弁当を買って乗り込んだ。



しうまい弁当は数年前は750円とかだったように思うが、950円になっていた。
昔の値段を知ってるモノを久しぶりに買うと、ホントになんでも高くなってるんだなあとあきれてしまう。
しうまい以外にもいろいろおかずが入っていて、美味しくいただいた。



食べ終わるとまた眠くなる。
帰りの電車ではいつも眠ってばかりだ。
目が覚めると三河安城駅を定刻に通過したと放送があった。
京都駅で「のぞみ」を降りる。
帰ってきましたな。
これにて今回の旅も終わり。
家までもう少し重い荷物を担いで歩こう。


郡山駅

2024-11-30 12:10:08 |  秋休みは福島へ
翌朝、調べておいたバスの出発時刻前にバス停へ。
二本松駅と奥岳登山口を結ぶバスは1日一本だけだが、駅とここ岳温泉を結ぶバスは何本もある。
バス停前のお酒を売る商店はまだ開店しておらず、ここでは自分土産の日本酒を手に入れられず。
やってきたがら空きのバスに乗り、駅へと向かった。
途中誰も乗ってこないので時間調整の停車など折り込みながらバスは行く。



二本松駅に到着し、駅前のロータリー近くに酒屋がないか見渡してみるがこちらもなさそう。
バス通りまで出ればあるのかもしれないが、早い時間なので望み薄。
どうしようかと駅の改札口を覗くと、郡山駅行きの電車が入ってくるのが見えた。
あれ?こんな早い時間にやってくるんだったっけ?と疑問に思いながらも駆け出した。
跨線橋を走って上り降り。
閉扉のチャイム音が聞こえ、間に合わなかったかと思いつつホームに降りると、扉は目の前で閉まってしまった。
ありゃ、やっぱり。
しかし一縷の望みを持って車両後方を見ると、車掌さんがまだ顔を出していて、再び扉を開けてくれた。
おー、助かった。
次々に電車がやってくる都会だったら考えられない対応だ。
ありがとう。



落ち着いてから調べると、その電車は8:33発ので、もともと乗る予定だったのは9:05発のだった。
慌てる必要はなかったんだな。
二本松駅でなにかしら撮影しようと思っていたが、なにも撮影できず。
しかし代わりに新幹線に乗り換える予定の郡山駅で過ごす時間が1時間できた。
これが奏功。
降り立った郡山駅は貨物列車も留置されている大きな駅だった。
これはいい。
ホームを渡り歩いて駅のいろんな表情を撮った。

<水郡線の気動車。
 水郡線なんて路線があるとは知らなかった。
 水戸と郡山を結んでいるのね。>








<貨車を入れ替えてる機関車がディーゼル機関車にしては大きく見覚えがない。
 こんなのいたっけ?と形式を読むとHD300とある。
 「H」ってなんだ?と考えていたら、車体にHybridと大きく書かれていた。
 なるほどの「H」、新型なのね。>






撮影後、日本酒を購入すべく店を探す。
駅の売店のお土産コーナーに二本松のお酒も売っていたが、箱に入っていて製造年月日が分からない。
日本酒は瓶詰め後は早々に飲むべしと思っているので、商品の回転が悪ければ期間の経ったモノが入っているかもしれない。
剥き出しの瓶を求めて改札の外に出た。
酒屋は見つけられなかったがコンビニがあった。
観光地のコンビニにはお土産コーナーがあるのでそれに期待して入ると、はたして二本松の酒が置いてあった。
瓶詰め時期も問題なし。
昨日飲んだ奥の松の別銘柄を購入した。
しかしこの奥の松、帰ってから知ったが大七を売ってる酒販店よりもっと身近なスーパーに売っていた。
ありゃりゃ、まあいい。
二本松の酒造会社は全国展開するでかいところだったんだなと知った。




二本松の酒

2024-11-28 06:26:01 |  秋休みは福島へ
岳温泉の温泉街はとても小ぶりである。
中央通りとでも言うべき直線の坂道があり、その両脇に旅館やホテルが建っている。
夕食を食べに外に出た時少し歩いてみたが、長く連なってあるわけでなく、少し歩くだけで街を外れ真っ暗になってしまった。
飲食店も数少なく、宿に一番近い居酒屋に入ることにした。





店内に入ってみると客は私一人。
歓迎された。
なかなか変な作りのお店で、真ん中にテーブルと椅子が並び、それを挟むよう両側にカウンターと厨房がある。
大将とお兄ちゃんの二人がいたので、二つの店をくっつけて営業しているように見えた。
注文するお店を選ばねばならないのかと聞いてみると、店は一つだと言う。
やはり変な作りだ。



日本酒を飲みたく、地酒になにがあるか聞いてみた。
ここ二本松市には4つの蔵元があるそうだ。
大七酒造、檜物屋酒造店、奥の松酒造、人気酒造。
大七ってなんか聞いたことがあるなあと大将に聞いてみたら、宣伝を大々的にやってるとのこと。
地元でしか飲めない酒はどれか聞くと、檜物屋の千功成だというのでそれを頼む。
焼き鳥とにんにく揚げをアテにした。



千功成は優しい甘口のお酒だった。
繊細な味わいで、これは料理を選ぶな。
薄口のあるいはさっぱりしたモノが私の舌には合いそう。
二本目は奥の松にした。
こちらも甘めだが少し濃口。
これは合う料理の幅が広そう。
にんにく揚げと好相性だった。



結局、自分が飲んでいる間他にお客さんは来なかった。
紅葉シーズンとはいえ、平日はこんなものなのかな。
翌日は旅の最終日なので自分への土産に地酒を何か一本買って帰ろうと思っている。
買いに入った酒屋で扱っている銘柄に限定されるが、何がいいかなと考えながら宿に戻った。




岳温泉

2024-11-26 06:25:39 |  秋休みは福島へ
この日の宿は岳温泉(だけおんせん)。
駅と登山口を結ぶバスが途中経由する温泉地である。
温泉のバス停で下車した。
一緒に降りた人は自分以外一人だけだった。
皆さん日帰り登山のよう。
行きがけにバスの窓から宿泊するホテルの名前を見つけていたので、そちらへと歩く。
山を下る時少し脚を痛めたようで、歩くのが不如意である。





ホテルの看板を見つけたのだがそこは駐車場のようで、建物の入口はいかにも裏口っぽい。
もしかして遠回りしてしまったのかもしれない。
建物に入っていくと、壁に絵の描かれた廊下があり、変なところだなあと進むと下足場があり浴場の入口があった。
急に館内のデザインが洒落たものになり少し安心する。





さらに進むとまた下足場があったのでさっきの下足場に脱ぎ置いてきた靴を取りに戻る。
靴を履いて出るとロビーがあり、フロントがあった。
やはり入口を間違ったようだ。
正式な入口のロビーはアウトドアショップかと思わせる内装で、アウトドアグッズの貸し出しもしているようだ。
ドライブシュミレーターなんてのも置かれている。
こんなの需要があるのかな。



一番広く取られているのはフロント前。
木製のテーブルとベンチ、椅子が並ぶ。
その一番奥にバーカウンターが設けられていた。
洒落てますなあ。
後で何かお酒を飲むかな。
チェックインして部屋へ。
エレベーターで客室階に上ると、そのフロアは少し年代を感じさせる雰囲気。
部屋は和室。
共有スペースは洒落た造りで工夫に溢れていたが、客室内は普通である。
ベースの建物は古いものであるようだ。
うまいことリノベーションしている。
宿泊プランは朝食のみ付けたものとしたので夕食は無く、外に食べに出る予定。
その前に汗を流そう。



岳温泉は珍しくも酸性のお湯である。
裏口から入った時見つけた浴場へ。
温泉成分表を読むと、単純酸性泉でpH2.4とのこと。
すごい酸性だ。
痒くて掻いた傷があるのだが、無茶苦茶沁みるのではないかと少し怖い。
浴槽に満たされていたお湯は緑色がかった白濁したもの。
おー、久しぶりの白い温泉。
恐れていた傷への影響はなにもなく、ゆっくり浸かって温まった。



風呂を上り部屋で着替えて夕食に出た。
宿に入る時、痛くて引きずっていた左のふくらはぎの痛みが引いているのに気づいた。
おお、すごい、温泉効果なのだろうか。
別に湯船でマッサージとかした訳でもないのにな。
単に温められ血行が良くなったからかもしれないが、ここは酸性泉の効用と思っておこう。



夕食を食べ終わって帰ってくると、ロビーに外国人宿泊客がたくさんいた。
カウンターバーでお酒を注文して飲んでいる。
エレベーターに向かうとそちらからもまたやってくる。
結構な数、宿泊しているようだ。
廊下にある館内案内の表示を見るとシェアルームというのがあるようだ。
バックパッカーとかが泊まりにくるのかもしれない。
バーで少し飲んでみようかと思っていたが、彼らに混じり飲む勇気はなく、おとなしく部屋飲みした。




下山を味わう

2024-11-24 12:10:42 |  秋休みは福島へ
山頂で地図を取り出し下山ルートを目で追ってみた。
その時書かれている数値を見て気づいたのだが、この山塊で一番高い場所は、実は今いる山頂ではなく、少し北にある箕輪山だった。
すぐ隣にある鉄山も安達太良山より高い。
安達太良山山頂には二等三角点があるのだが、その設置のし易さで選ばれでもしたのだろうか。
それで代表としてこの山塊の本山として扱われるようになったのか、それとも見栄えの良さからなのか、などと勝手に想像した。



さて、下山開始。
帰りは行きとは違うルートを歩く。
沼ノ平を覗き、峰の辻を経由して、くろがね小屋へは向かわず、並行してある勢至平への近道を下る。
その後くろがね小屋からの道と合流し、奥岳登山口へと至る。
同じ奥岳登山口に着くのでぐるり周回するコースになる。







山頂から沼ノ平までの道はなだらかな稜線歩き。
なだらか過ぎて稜線に見えない場所もある。
ザレた道に岩がポツポツと転がっていて不思議な景色。
またお腹が空いてきたので、残りのおにぎりを食べながら歩いた。
行き先左手に白い山肌が近づいてくる。
そこが沼ノ平で、見晴らしの良い場所から覗き込むと辺り一帯真っ白だ。
昔硫黄鉱山が近くにあったそうだから、大量に噴出した硫黄の漂白作用がこんな景色を作り出したのだろう。
火山ガスの危険があり沼ノ平コース(これがどの道のことなのかよく分からなかったのだが)は立ち入り禁止。
ホントに危なそうな眺めだった。







沼ノ平を後にして峰の辻へと向かう。
道は下り坂だ。
標高は森林限界よりまだ高く、草紅葉と灌木の間を歩く。
いつの間にか背後は稜線への斜面が高くなっていた。
到着した峰の辻は広い台地状の広場で、勢至平への道の入り口を見つけるのに少し苦労した。
ほとんどの人がくろがね小屋方面へ行ってしまったので周りは突然静かになった。
歩くのは自分一人。







ふーん、この道は人気が無いんだねえ。
狭い道でも好きな時に立ち止まり写真を撮った。
木々の背丈がだんだん高くなっていく。
静かな山歩き、・・、・・、よろしいなあ。
ところがそろそろくろがね小屋からの道と合流しようかという頃、前方から工事車両が発するエンジン音が聞こえてきた。
登山口まではまだまだ距離があるのになんだろうと下り続けると砂利の敷かれた道に出た。
小型の重機と工事事務所の軽自動車が道幅いっぱいに止まっていて、数名の作業員の方が何やら作業していた。





現在くろがね小屋は営業しておらず建替え中と各所にお知らせが書かれていたことを思い出す。
くろがね小屋の改修と関係する工事なのだろう。
そこからは粒が大きい砂利道になった。
でこぼこした登山道でなくなり歩きやすくなったと思ったのも束の間、履いてる靴がいつもの登山靴で無いことをまた思い出した。
靴底が薄いので尖った砂利石の角が足裏を突き刺してきて変にしんどい。
脚にも妙な力が入る。







仕方なく歩いていると分かれ道がやってきた。
今歩いている道は馬車道と呼ばれる新しい道で、登山道そのままの旧道も残っていて、そちらも歩けるようだ。
助かった。
旧道を歩くことにする。
傾斜は馬車道より急だが足裏には優しい。
下っていくと複数箇所で馬車道を横切っていた。
馬車道は傾斜を緩くする為つづら折れに作られていて、そのカーブする辺りに旧道が顔を出す位置関係。







だいぶ下ったところでさっきの工事車両がゆるゆると走ってきて抜いていった。
そろそろ夕刻、作業を終えて帰るようだ。
旧道も最後には馬車道に吸収されてしまい、広い道を歩くようになった。
前方が開け、スキー場の設備が見えてきた。
ようやく登山口に到着だ。
うーむ、簡単な山だったのに結構疲れたな。
やはり体力筋力の低下は否めない。
ロープウェイ乗り場の下のレストハウスで缶コーヒーを買いバス停に行くと、まだ並ぶ人は少ない。
帰りは座れそうだ。
列に加わり地面にへたり込んだ。
コーヒーを飲みつつ、残す必要の無くなった非常食用のチョコレートを取り出し糖分補給した。


紅葉の安達太良山

2024-11-22 06:37:44 |  秋休みは福島へ
あだたら山ロープウェイの山頂駅から歩いてすぐの所に薬師岳展望台はある。
なだらかな安達太良山の紅葉の斜面を眺められる。
下界の眺望もいい。
少しだけ登山道を歩く必要があるが、登山装備がない一般観光客でもここまでなら入れ、お勧めである。







さて登山開始。
低い木々の間に登山道は伸びている。
なだらかな山なので、登山道の傾斜も緩やかだ。
平日なので年配の方のグループが多い。
幼い子供を連れた家族も見かける。
紅葉の時期だからなかなかの人出だ。
グループに挟まれると渋滞が発生するほど。
登山道は狭いので写真を撮りたい被写体が道端にあっても思うままには立ち止まれず、場所を選ぶ。







皆さん結構な頻度で休憩する。
写真を撮っている時に抜いて行った家族が休憩しているので追い抜き、また写真を撮ってると追い抜かれ、と何度も顔を合わせるので少し気まずい。
木々の高さが背の高さくらいになると、少し広いスペースが道の横に現れ出す。
この先の眺めが良い小さな広場で小休止することにした。
朝ご飯が早かったのでお腹も空いた。
おにぎりを一つだけ食べることに。
ザックを降ろしおにぎりを取り出していると、6人くらいのグループが後ろに座ってこちらも食事を始めた。







背後で飛び交う関西とイントネーションの違う会話を聞き、遠くの山に来ているのだなと改めて思う。
一番大きな声で話していた小母さまが自家製のきゅうりの漬物をグループ内の人に薦め始めた。
特に座ることなくおにぎりを食べながら景色を撮影していたのだが、その小母さま、一人でいる私にも声をかけ、おにぎりに合うからと薦めてくれたのだ。
見ると丸々一本のきゅうりで、ありがたくはあったのだが、食べ慣れぬものを食べてお腹が壊れるとまずい。
山ではお腹を壊す訳にはいかず、お腹が空いた時に必要最低限のモノしか食べないようにしている。
申し訳ないがと断るのだがしばらく薦められ続け少し困った。
ようやく諦めてくれて、グループの会話に戻った人懐こいお母さんだった。
おにぎりを食べ終えたのでザックを担ぎ出発。
親切に食べ物を薦めてくれたお礼を言って歩き始めた。







周りの木々はますます小さく低くなり、どこからでも眺めがよくなった。
安達太良山の山頂は乳首と呼ばれる。
なるほど、本当にそっくりである。
なだらかな稜線の上にポツンと丸い出っ張りがある。
満遍なくひび割れた表面の具合がまたよく似ている。
当然上ってみる。







岩体の周りは少し傾斜があり、ザレた土が剥き出しでよく滑る。
履いているのが普段の登山靴でなく、ほぼ街履き用のトレッキングシューズで登っていたことを思い出した。
靴底はビブラムソールだが角が立っていないので、こういう場所は引っかかってくれない。
岩場に取り付くとようやく足元が安定した。
ハシゴやクサリがついてる。
ハシゴは必ず使わねばいけないが、クサリ場は少し回り道をすれば通らなくても山頂に着けることを後で知った。
山頂からは360°遮るモノなし。
しばしその眺めを堪能した。