うずうず

2009-12-17 00:51:20 | その他旅行き
昔、ドライブの楽しみ方のひとつに、信号の無い田舎道をとろとろと走る事がありました。
気候の良い頃、窓を開け放って、肘をドアにのせ、季節の風を感じながらのんびり走る。
今の道路は田舎道でも舗装は良いので快適だし、山の麓や海岸線のカーブを抜ける度に変化する眺めも楽し。
古い設計の車で、速く走ろうとするとエンジン音はうるさく疲れるため、ペースは遅すぎる位がちょうど良かった。
後ろに車に付かれると、遅くて迷惑だろうと気になって楽しめなくなりますが、田舎道はそもそも通行量が少なく、心配する事態もあまり起こらない。
すぐ追い越されちゃうし。
私は私で我が物顔で進む。

時にはそんな状態で歌を歌う。
季節も気分もピッタリなカセットテープを回し歌う。
というより吠える。
むふふ。気持ち良し。

ある時、前を行く軽トラックについて走りながら歌を怒鳴っていたら、軽を運転してるお兄ちゃんが突然上を向いて笑いだしたのが、後方に付いた窓越しに見えました。
ひとしきり肩を震わせた後、リズムを取って体を左右に振りつつ運転している。
なんだろうと歌いながら見ていると、私の歌っている曲となんだかリズムが合ってるな・・。
あ・・。
声が大きすぎて聞こえちゃってたみたい・・。
両者とも窓を開けてたし。
あれ、恥ずかしや。

車を替えてからはこんな楽しみ方ができなくなった。
車室は広くなり、窓が遠くなったので肘を窓枠に置くには体勢に無理が。
アクセル踏めば簡単にスピードが上がるし、静かなので遅く走る必然が無くなった。
デッキはCDに替わり、歌える曲が入ったものは・・あれっ、1枚だけになってしまった
ああ、そうか。
今これを書いてて最近歌わなくなった理由が分かりました。はは。
なるほど、そういうことか。

今の車ならではのドライブの新たな楽しみは得られたものの、失った楽しみもまたあり。
でもでも、長々と田舎の下道を走るという旅をまだしていないので、忘れていただけと思いたい。
高速を使わない旅をまたしたくなりました。