加太・深山の砲台跡

2018-11-02 00:39:25 | その他旅行き
和歌山行きのようやく本題。
加太へ来たのは深山の砲台跡を見学するため。
友ヶ島にあるような戦時中の砲台跡がここにもあり、レンガ造りの弾薬庫が遺っている。
船に乗らずともこれらを見れるということでやってきた。



加太駅からは休暇村紀州加太の送迎バスを利用。
休暇村はとてもきれいな施設で、広いロビーからの海の眺めが素晴らしい。
帰りにロビーの喫茶店を利用させてもらった。



この辺りは昔軍事上の重要拠点だったようで、ここ加太の深山と友ヶ島、対岸の淡路島の由良に砲台を設置したとのこと。
休暇村横の山に遊歩道が通され、公園として整備されたところにあるらしい。
休暇村の駐車場横にも小さな弾薬庫跡があり、まずそこを見学した。



きれいに保存されており、ここだけでもまずまず楽しめる。
庫内入口には階段で降りなければいけなくて、弾薬の出し入れは大変そうだが、攻撃を防ぐために必要な構造なのだろう。
遺構見学の序章として、後に見る砲台跡がどんななのか、期待が高まる。



駐車場の入口側に付近の案内地図があり、砲台跡の表示のある方へ歩く。
車道を下ると遊歩道の入口があり、そこから山中へ。
遊歩道はレンガがきれいに並べられた道で、海辺らしく照葉樹林のトンネルの下だ。



レンガの広場に出て右への道を上ると展望台に出る。
とても明るくて海が見渡せ、友ヶ島が眼下に近い。
最近整備されたのか、手すりが新しい。



これからの季節、お弁当を食べて日向ぼっこをしたら気持ち良さそうなところだ。
イノシシが土を掘り起こした跡があり、大きな蜘蛛が巣を張り、ツワブキが黄色い花を咲かせ、トンビが風に乗っていた。



展望台の奥から砲台跡に降り、入口側に向かって歩いた。
砲台は2門づつ設置されていたようで、レンガの広場に丸く設置跡があった。
土で埋められその下がどうなっているのか不明。



弾薬庫は砲台と砲台の間にこちらも2つづつあり、休暇村の駐車場脇にある弾薬庫よりさらに深い階段を降りたところに入口がある。
重い砲弾をこの階段を上って人力で持ち上げたのだろうか。
大変だ。
こちらの弾薬庫はトンネル下にあるので、さらに防御面では強固になっていた。



階段を降りてみるとほとんど光が届かず、入口の外側はまだ薄明だが、入口の壁が少し奥まってあるからか弾薬庫内は真っ暗だった。
保存状態はとても良く、それ故に廃墟感には乏しい。
それでも、きれいに並んだレンガが四方を囲む様は壮観である。



階段を上り砲台跡のある広場に戻った。
樹々が頭上を覆っているので、もう夕方かと思わせる暗さだ。
思わず時計を見るとまだ午後2時過ぎ。
広場からは展望台に上る階段があるので上ってみたら、そこはさっきと同じあっけらかんとした明るさで、その落差に驚く。



戦争の暗いイメージとも結びついてより陰鬱に感じたのかもしれない。
入口に一番近い弾薬庫跡は奥の2つと違い、トンネルに覆われておらず、階段で地下に降りるのは一緒だが庫内への入口は通路に面していて明るい。
初めて来た人たちなのだろう、みんなすごいとこだなあと歓声をあげて見学していた。



遊歩道はさらに海の方へも伸びているのだが、入口にロープが張られ立入禁止の札が吊ってあった。
こないだの台風の影響だろうか。
この先にも崩れかけた遺構があるようなことを何かで読んでいて、そちらの方が楽しみだったのだが致し方なし。
帰ることにした。