北沢峠は標高2030mほど。
ここから3030mを少し超える仙丈ヶ岳まで登る。
歩くのは尾根道だが、原生林の中なので眺望は効かず。
道脇を覆う苔の中に芽を出すツガなのだろうか、針葉樹の芽や草の幼葉を愛でながら歩く。
出発が他の人とずれたので、他の登山者ともほぼ遭遇せず、静かな山行きだ。
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長い道のりの途中には何度か少し斜度のある上り坂が続くところがある。
登っても登っても同じような上り坂が目の前に現れ、さすがでっかい山は登りでがあるなあと、息を切らしながら思う。
脚の筋力の衰えはいかんともし難く、上るのに高い場所に足を置くと、脚だけでは体を持ち上げられず、手で膝を押さえる補助が必要だ。
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息を切らしては立ち止まり、撮影しては息を整える。
立ち止まる度に何かしら気になる被写体がいるので、いいところで立ち止まるなあといい気になっていたが、たぶんどこで立ち止まっても同じなんだろう。
ほんの少しづつ違う自分を魅了する存在で、周りは埋め尽くされていたのだ。
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峠を出発した時には日の差していた天気が崩れ出した。
ガスが漂い始め、小さな雨粒が落ちてきた。
標高はどんどん上がっていくので雨が止むことはないだろうとカッパを取り出し着込む。
コースのちょうど中間地点となる大滝頭に到着。
標高が高くなり周りの木々も段々と小さくまばらになってきた。
森林限界が近そうで、雨を遮ってくれる木々があるところでお昼ご飯とした。
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ご飯を食べるのに止まってる時間はコースタイムに入っていない。
食べ終わってすぐに出発。
エネルギー補給はしたが、足の疲れに即効性はなく、息が切れる間隔も短くなる。
森林限界を過ぎ、急に周りの見晴らしが良くなった。
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といっても近くの景色は見えるが、遠くはガスっていて真っ白。
あるはずの隣の峰は時々ちらりと覗く程度でほとんど見えない。
行くてはハイマツに覆われた丸い山塊だ。
雨はいつの間にか上がっていた。
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ここにきて息がますます苦しくなり、足元に咲く花を撮ろうとしゃがむと頭痛に襲われ、立ち上がると立ち眩みと吐き気が通り過ぎる。
むむ?これって高山病の初期症状ではないか?
気分の悪いのをやり過ごししばらく頑張ったが、とうとう立っていられなくなり、道端の岩の上に座り込んでしまった。
しばし呼吸を整える。
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じっとしているとしんどくはないが、立ち上がればまた気持ち悪くなりそうだ。
こんなことは初めてだ。
暑くて気持ち悪くなったことはあるが、ここまではっきりした高山病の症状は経験したことがない。
どうしよう。
山を降りることもできるが、宿泊予定の仙丈小屋まであと一時間くらいで、そちらの方が近い。
もう少し登ってみる事にする。
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縮んでしまったような肺に空気を送り込みつつゆっくり歩いていくと標識が現れ、小仙丈ヶ岳の頂まで登らずとも済む巻道があった。
ガスってなにも見えないから頂上を通過する必要はなく、ありがたく巻道で楽させてもらう。
上り坂から解放され、平坦な道を歩くようになると呼吸はだいぶ楽になり、これなら小屋まで行けそうだ。
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もう上りは無いのかと思ったがそうは行かず、鎖の付いた岩場を越えたりしなければいけなかったが、ふらふらすることは無くなった。
写真撮る時頭痛はするが体調は回復傾向。
道が下り坂になり、そろそろ山小屋に着くのではないかと歩いていると、前方から話し声が聞こえてきた。
すると薄っすらと山小屋らしき建物が、白いガスの向こうに見え出した。
やれやれ、ほっとした。
到着期限の15時に20分ほど早く到着。
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仙丈小屋から仙丈ヶ岳山頂までは20分とあった。
当初予定では小屋にザックを置いて、山頂往復するつもりだったが、この体調では無理だろう。
数十m先の山小屋も見えないガスの中だ、どうせ何も見えない。
明日の朝、体調と相談して登ることにしよう。
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ここから3030mを少し超える仙丈ヶ岳まで登る。
歩くのは尾根道だが、原生林の中なので眺望は効かず。
道脇を覆う苔の中に芽を出すツガなのだろうか、針葉樹の芽や草の幼葉を愛でながら歩く。
出発が他の人とずれたので、他の登山者ともほぼ遭遇せず、静かな山行きだ。
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長い道のりの途中には何度か少し斜度のある上り坂が続くところがある。
登っても登っても同じような上り坂が目の前に現れ、さすがでっかい山は登りでがあるなあと、息を切らしながら思う。
脚の筋力の衰えはいかんともし難く、上るのに高い場所に足を置くと、脚だけでは体を持ち上げられず、手で膝を押さえる補助が必要だ。
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息を切らしては立ち止まり、撮影しては息を整える。
立ち止まる度に何かしら気になる被写体がいるので、いいところで立ち止まるなあといい気になっていたが、たぶんどこで立ち止まっても同じなんだろう。
ほんの少しづつ違う自分を魅了する存在で、周りは埋め尽くされていたのだ。
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峠を出発した時には日の差していた天気が崩れ出した。
ガスが漂い始め、小さな雨粒が落ちてきた。
標高はどんどん上がっていくので雨が止むことはないだろうとカッパを取り出し着込む。
コースのちょうど中間地点となる大滝頭に到着。
標高が高くなり周りの木々も段々と小さくまばらになってきた。
森林限界が近そうで、雨を遮ってくれる木々があるところでお昼ご飯とした。
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ご飯を食べるのに止まってる時間はコースタイムに入っていない。
食べ終わってすぐに出発。
エネルギー補給はしたが、足の疲れに即効性はなく、息が切れる間隔も短くなる。
森林限界を過ぎ、急に周りの見晴らしが良くなった。
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といっても近くの景色は見えるが、遠くはガスっていて真っ白。
あるはずの隣の峰は時々ちらりと覗く程度でほとんど見えない。
行くてはハイマツに覆われた丸い山塊だ。
雨はいつの間にか上がっていた。
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ここにきて息がますます苦しくなり、足元に咲く花を撮ろうとしゃがむと頭痛に襲われ、立ち上がると立ち眩みと吐き気が通り過ぎる。
むむ?これって高山病の初期症状ではないか?
気分の悪いのをやり過ごししばらく頑張ったが、とうとう立っていられなくなり、道端の岩の上に座り込んでしまった。
しばし呼吸を整える。
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じっとしているとしんどくはないが、立ち上がればまた気持ち悪くなりそうだ。
こんなことは初めてだ。
暑くて気持ち悪くなったことはあるが、ここまではっきりした高山病の症状は経験したことがない。
どうしよう。
山を降りることもできるが、宿泊予定の仙丈小屋まであと一時間くらいで、そちらの方が近い。
もう少し登ってみる事にする。
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縮んでしまったような肺に空気を送り込みつつゆっくり歩いていくと標識が現れ、小仙丈ヶ岳の頂まで登らずとも済む巻道があった。
ガスってなにも見えないから頂上を通過する必要はなく、ありがたく巻道で楽させてもらう。
上り坂から解放され、平坦な道を歩くようになると呼吸はだいぶ楽になり、これなら小屋まで行けそうだ。
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もう上りは無いのかと思ったがそうは行かず、鎖の付いた岩場を越えたりしなければいけなかったが、ふらふらすることは無くなった。
写真撮る時頭痛はするが体調は回復傾向。
道が下り坂になり、そろそろ山小屋に着くのではないかと歩いていると、前方から話し声が聞こえてきた。
すると薄っすらと山小屋らしき建物が、白いガスの向こうに見え出した。
やれやれ、ほっとした。
到着期限の15時に20分ほど早く到着。
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仙丈小屋から仙丈ヶ岳山頂までは20分とあった。
当初予定では小屋にザックを置いて、山頂往復するつもりだったが、この体調では無理だろう。
数十m先の山小屋も見えないガスの中だ、どうせ何も見えない。
明日の朝、体調と相談して登ることにしよう。
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