一期一会という言葉がある。
平たい表現で
「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい。」
旅に出ると、このような気持ちでその土地に接しようと心がけるゆきたんくである。
そのため、その瞬間に良いと思った光景にはシャッターを切っている。
ところが、いざホームページにまとめようとなると、使えない写真も相当ある。
構図の良い悪いではない。
改めて見て、そんなに心が動かない写真である。
ここで改めて思う。
独りよがりでも良い。
旅に出る時には、その訪問する場所についてできる限りの予習をしておこうということだ。
それは狭い範囲でも良い、深く心に残る場所にしようという努力だ。
ここに一枚の写真がある。
マーローのハイストリート
バッキンガムシャーのマーローという街である。
現地時刻、20時過ぎ。それも12/25である。
日本のようにクリマスパーティーと称して夜中まで騒ぐことはない。
イギリス国教会(キリスト教で教義はカトリック同様と言ってよい)の信者が、聖なる夜を家庭で祝っているのだ。
さて、なぜマーローにたどり着いたのかって?
マーローのハイストリートに立つゆきたんく
ロンドン・ヒースロー空港からはレンタカーでヘレフォードシャーのキングトンを目指す予定だった。
レンタカー屋さんで借りたナビが曲者だった。
というか予習不足だったのだ。
日本のナビは目的地がはっきりすると、交通手段を示したり、最短時間のコースを示したりする。
イギリスのナビは、日本でいう高速道路のМ道路を優先的に示すのではないということだ。
だんだんとA道路、B道路と走る最高速度の遅い道路にいざなうのである。
ちなみにイギリスの制限速度は
M道路(Motor Way) 70miles/ h (112km/h)
片側2車線以上のA道路 70miles/h (112km/h)
その他のA道路 60miles/h (96km/h)
B道路 30miles/h (48km/h)
で、時間がある昼時だったらばB道路が景色を楽しむには最高の道路と言われているようだ。
そんな訳でB道路に誘われたが冬のヨーロッパで真っ暗である。
景色を楽しむどころでなく、途中休憩をした街がマーローだったのである。
帰国して写真整理をしていて、「あぁ、ここにはまた行くことはないだろうなぁ。」なんて思うことはよくあるのだ。
なぜ、ここでマーローの話を書くかって?
次の地図を見ていただきたい。
マーローの衛星写真。下側ピンクのマークが写真でゆきたんくが立っている場所
写真上の方にもピンクのマークが見える。
ゆきたんくが立っていた場所から400mほどのところだ。
これが、今夏の旅の予習で新に発見した場所だったのである。
知っていれば寄っていた。
しかし、結果的に知らなかったのであるからしょうがない。
マーローという街は、マイク・オールドフィールド氏ゆかりの街だったのである。
上のピンクのところにある住居は1987年にマイク氏が住んだ家だったのだ。
成田→ヒースローに12時間半。
待ち時間とか、空港までの時間とかヒースローからマーローまでの時間を入れると丸一日は寝ていないのだ。
きっと、事故を起こさないようにとファンを守ってくれたのだと考えたい。
航空写真左上がマーロー、右下がヒースロー
マーローは一期一会の街だったのか。
心が動かなかった写真に、今心が動いている。
もう一度行ってみたい。