私が結婚した頃は、民芸店でぐい呑みを買いはじめ、
家内が茶事をしていたので、家内の茶碗などを見ていると、
次第に焼き物に関して興味が深まった。
家内とデパートに行った時、酒器コーナーに寄り、手軽な価格のぐい呑みを購入した。
40歳の私の誕生日に、家内から弐合徳利とぐい呑みを手渡れた・・。
備前であったが箱書きを読んだ後、徳利とぐい呑みに触れ、肌触りを確かめたりした。
『俺好みだょ・・だけど、高かったのじゃないの・・』
と私は言った。
『・・』
家内は微笑んでいてばかりだった。
後で知ることになるのだが、この頃の私の年収の数パーセントだった。
この時以来、家内と旅行に行った折、その地の焼き物に魅せられた場合、
程ほどの値段の徳利、ぐい呑みを買い求めた。
家内から言わせれば、だものですよ、と言われても私は気にしなかった。
私は晩酌をしているので、その日に応じた徳利、ぐい呑みで辛口の純米酒を呑んでいる。
料理も食器により、味も美味しさも倍増させる力を秘めているので、
私なりに大切にしている時である。
ときには、梅の咲く頃は、白梅の花びらを台所ある白い小鉢の小ぶりに、
お酒を注(つ)ぎ、そっと浮かべて呑んだりしている。
私は極く普通のサラリーマンであったので、
決して高価な徳利、ぐい呑みには手にすることは出来なかったが、
私なりの文化のひとときと思ったりしている。
家内が茶事をしていたので、家内の茶碗などを見ていると、
次第に焼き物に関して興味が深まった。
家内とデパートに行った時、酒器コーナーに寄り、手軽な価格のぐい呑みを購入した。
40歳の私の誕生日に、家内から弐合徳利とぐい呑みを手渡れた・・。
備前であったが箱書きを読んだ後、徳利とぐい呑みに触れ、肌触りを確かめたりした。
『俺好みだょ・・だけど、高かったのじゃないの・・』
と私は言った。
『・・』
家内は微笑んでいてばかりだった。
後で知ることになるのだが、この頃の私の年収の数パーセントだった。
この時以来、家内と旅行に行った折、その地の焼き物に魅せられた場合、
程ほどの値段の徳利、ぐい呑みを買い求めた。
家内から言わせれば、だものですよ、と言われても私は気にしなかった。
私は晩酌をしているので、その日に応じた徳利、ぐい呑みで辛口の純米酒を呑んでいる。
料理も食器により、味も美味しさも倍増させる力を秘めているので、
私なりに大切にしている時である。
ときには、梅の咲く頃は、白梅の花びらを台所ある白い小鉢の小ぶりに、
お酒を注(つ)ぎ、そっと浮かべて呑んだりしている。
私は極く普通のサラリーマンであったので、
決して高価な徳利、ぐい呑みには手にすることは出来なかったが、
私なりの文化のひとときと思ったりしている。