夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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9年後の「2025年問題」を改めて学び、プラス思考の71歳の私でも、溜息を重ねて動顛して【下】

2016-03-27 18:59:10 | ささやかな古稀からの思い
今朝、朝食後に愛読しているネットの【現代ビジネス 】を見ている中で。
【 「2025年問題」をご存知ですか?~「人口減少」「プア・ジャパニーズ急増」・・9年後この国に起こること 】
と見出しを見て、私は「2025年問題」を注視しているので、とクリックして読んだりした。

やがて9年後の「2025年問題」を改めて学び、プラス思考の71歳の私でも、溜息を重ねて動顛したりした。

この記事の原文は、『週刊現代』2016年3月26日・4月2日合併号に掲載されて、
【現代ビジネス 】に3月27日配信された記事のひとつであり、無断ながら転載させて頂く。
          
《・・人口の20%が「後期高齢者」になり、単純労働に就くのは移民と外国人。
医療と介護の安心は根底から覆る。

街に人があふれ、子供たちが教室にぎゅうぎゅう詰めで授業を受けた、古き良き日本は二度と戻らない。
増えてゆく空席を、言葉の通じぬ人々が埋めてゆく。
カネも絆も失った私たちは、どうなるのか。
            

☆10人に1人はボケている

「このまま無為無策で過ごせば、日本はとんでもない事態に見舞われます。
社会保障の破綻、際限のない増税といった山積みの問題が、10年足らずで一気に表面化するのです」
こう警鐘を鳴らすのは、政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏だ。

およそ1世紀も増え続けてきた日本の人口が、昨年ついに減り始めた。
「これから10年間で、日本の人口は700万人減ります。
15歳~64歳の生産年齢人口が7000万人まで落ち込む一方で、65歳以上の人口は3500万人を突破する。

2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、
国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類が経験したことのない『超・超高齢社会』を迎える。
これが『2025年問題』です」(前出・松谷氏)

東京五輪が終わったあと、日本の姿は、今とは大きく変わっている。
現在と同水準の人口を維持できるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と、愛知・沖縄・滋賀のみ。
青森・岩手・秋田・山形・福島の東北各県や、中四国の大半の県は、軒並み1割人口を減らす。

働き方も、大変化に見舞われる。
厚生労働省のデータによれば、'00~'10年の10年間で、
事務職や工業系技術者は14%、農家や漁師は30%、また土木作業者や建設技術者は40%も減っている。
一方、介護関係職員は倍以上に増加し、葬儀関係者も1・5倍に増えた。
この傾向は、2025年までにますます加速する。
            

若者が減り、老人が増える。
何かを作る仕事に携わる人が減り、介護や葬儀に携わる人が激増する。
もはや、国全体が老境に入ってしまったような状態だ。

しかも・・。
「現時点でも、軽度のものを含めれば、少なくとも820万人が、認知症を患っているという厚労省のデータがあります。
それに基づけば、2025年には今の1・5倍、1200万人以上が認知症になっていてもおかしくありません」(国際医療福祉大学教授の高橋泰氏)

全国民の10人に1人がボケている。
そんな国が成り立つのか、という疑問がわいてくるが、あと9年で画期的な対策が見つかるとも思えない。
特別養護老人ホームには、順番待ちの長い列ができ、認知症の特効薬ができる気配もない。
もはや策は尽きている。
            

☆病院がどんどん潰れる

経団連の榊原定征会長は、ついに
「移民に頼らざるを得ない。ドアを開けに行かないといけない」と明言。
自民党も特命委員会を今月設置し、まさに移民受け入れの議論を始めようとしている。

移民や大量の外国人労働者を受け入れた2025年の日本が、どんな国になるかについては後記で詳述するが、
ひとつ言えるのは、その「劇薬」をもってしても、事態は好転しないということだ。

2025年、まず医療がパンクする。
厚生労働省の推計によれば、2025年の医療保険給付は総額54兆円と、現在より12兆円以上増える見通しだ。
衰えゆく日本の国力で、とうてい賄える額ではない。

「破綻シナリオ」を回避するために、国は医者と病院を減らしにかかっている。
患者は確実に増えるにもかかわらず、である。

NPO法人医療制度研究会副理事長で、外科医の本田宏氏が言う。
「今、全国で病院の身売りや倒産が相次いでいます。
実は日本の医師数は、先進国最低レベルです。
医者がいなければ、治療できない。治療できなければ、医療費が膨らむこともない。
つまり、医療費を抑えるため、医師の数を減らし、病院の数も抑えているわけです。
            

'13年には、埼玉県で25ヵ所の病院を36回たらいまわしにされて、患者が亡くなる事件もありました。
地域の病院が減ってゆくと、こうした事件が全国で多発するでしょう」

9年後、全国の入院患者数は138万人(1日あたり)を超えている。
だが、全国の病床数は今でさえ、それに足りない134万床で、今後さらに減らされる見通しだ。
確実に、数万から数十万人の病人が、病気にかかっても入院できなくなる。

少し体調が悪いくらいで、いちいち病院に行くな。
いや、行きたくても行けない—それが常識になるのだ。


介護も同様である。
介護保険制度が設けられた'00年に比べ、現在、介護関連の職につく人の数は、およそ4倍にも膨らんでいる。
それでもまだまだ、人手が足りそうにない。

前出の高橋氏が言う。
「これからの日本は、地方の人口は減ってゆきますが、大都市圏では人口はあまり減らず、同時に高齢者が激増します。
首都圏では、高齢者人口はおよそ1000万人にも達するでしょう。
おそらく2025年を待つまでもなく、あと数年で、首都圏の介護施設は足りなくなります。
『介護クライシス』と懸念されている事態です。

誰にも介護してもらえず、自宅で放置され、亡くなる人が急増する。
『このまま東京にいたらまずい』と考え、地方に移住する高齢者も出るでしょう。
しかし、移住できない大多数の人々は、厳しい状況に追い込まれる」
            

☆年金なんて出るわけない

さらに、多くの国民が不安に思いつつ、半ば諦めているのが、年金の行く末だ。
2025年にも、年金制度そのものは残っているだろう。
だが、その内実が、「破綻同然」の水準にまで崩壊しきっていることは間違いない。

長年、年金を研究してきた、社会保険労務士の大曲義典氏が分析する。
「年金をはじめとする社会保障費は、現在の約120兆円から、2025年には総額150兆円に増えると考えられます。

しかし、'14年に厚生労働省が行った将来予測は、
『現役世代の賃金はこれから毎年上がり、10年後の保険料収入は40兆円に達する見込みだ。だから年金は破綻しない』
といった、実態からかけ離れた仮定が満載で、明らかに『絵に描いた餅』でした。

現実的な値をもとに計算すると、遅くとも2030年代前半には、年金積立金は枯渇します。
『所得代替率(現役時代の給料と年金支給額の比率)50%を死守する』という政府の目標も、おそらく叶わないでしょう」

年金破綻を防ぐには、2025年まで、経済成長と毎年1・5%ずつの賃金アップを同時に達成しなければならないという。
だが日本人の平均賃金は、もう20年間も連続で下がっており、しかも働き手は減る一方だ。
            

「かくなるうえは、消費税増税しかない」というのが財務省の理屈だが、
消費税を1%上げても2兆円しか税収は増えない。
10年足らずで15%も消費税を上げるというのは、とてもじゃないが、ムチャな目標である。

「2025年というのは、今まさに行われている、60歳から65歳への年金支給開始年齢引き上げが、
最終段階にさしかかっている頃です。
おそらく、年金の実質的破綻は、誰の目にも明らかになっているでしょうから、
『70歳への支給開始年齢引き上げ』も実行に移されるはずです」(前出・大曲氏)

ただでさえ、物価や賃金の変動に合わせて給付額を減らす「マクロ経済スライド」で、
2025年には今の8割前後まで、年金給付額が減っている。
それに加えて、残念ながら現在の50代から下の世代は、
「ようやく年金がもらえると思ったのに、まだ待たされるのか」と嘆くはめになるのだ。

介護の人手は足りず、病院に行ってもすぐに追い返される。
認知症の高齢者が、わずかな年金を握りしめて、閑散とした街中を歩き回る—後記では、
そんな「絶望の国」と化した、未来の日本で起きる悲劇を見てゆこう。
            

☆プア・ジャパニーズも急増 日本の治安はニューヨーク以下になる

中国人に乗っ取られる。
「中国農村部の貧しい人々の間では、日本神話は健在です。
日本のコンビニなど、単純労働の職場で働けば、中国の何倍も収入が得られる。
病院に行くにしても、中国のように2~3日並ばされることもありません。
日本が本格的に、外国人労働者を受け入れる方向に舵を切れば、移民の問題は当然出てくるでしょう」(産経新聞中国総局特派員の矢板明夫氏)

政府や財界は、安上がりな労働力を求めて「外国人労働者受け入れ」に前のめりになっている。

これから、元気に働ける日本人の人口は、右肩下がりに減ってゆく。
それならば、過酷な単純労働にも文句を言わず、人件費も安い外国人労働者を雇えばいい—。

経営者の間にはそんな風潮が広がり、
すでにコンビニや飲食店の店員など、サービス業の現場はアジア系の外国人労働者が席巻している。
介護の現場も、間もなくそうなる。

「一方で、今は日本経済が中国に比べて良くないため、
中国のエリート層は日本に魅力を感じなくなり、渡航する人も減っています。
彼らにとっては、日本に行くよりも、中国にいるほうが儲かるのです」(前出・矢板氏)

ついこの間まで、日本人の多くは「日本人であれば、無条件に中国人よりも豊かだ」と思い込んでいた。
しかし、上海の物価が、東京の物価を優に上回る今、その認識は完全に時代遅れだ。
            

貧しい日本人は、貧しい中国人と同じ条件で働かなければならなくなった。
2025年には、そうした日本人がひとつの階層を形作り、
アメリカの「プア・ホワイト(貧しい白人)」ならぬ「プア・ジャパニーズ」と呼ばれているだろう。

'05年から'15年の10年間で、外国人労働者の総数は34万人から90万人に激増した。
うち最も多いのは中国人で、32万2500人あまり。
以下ベトナム人が11万人、フィリピン人が10万6500人、ブラジル人が9万6600人と続く。
このペースが続けば、2025年には140万人を突破する計算だ。

今、彼らの多くが住んでいるのは、高齢化が進んで、年々空洞化している郊外の団地である。
東京都区部郊外のニュータウン・高島平団地に約30年住む、ジャーナリストの浅川澄一氏が言う。

「現在、高島平団地の高齢化率は50・2%に達しています。
1万5000人あまりの住民のうち、7600人が65歳以上と、まるで日本社会の縮図です。
'70年代初めの開発当時に入居した世代が、そのまま年をとり、60~80代を迎えているわけです」

日本人の夢が詰まったニュータウンは、今や「オールドタウン」と化した。
2025年までには、少なからぬ住民がいなくなっているはずで、
入れ替わるようにして、多国籍の外国人労働者が流れ込んでゆく。

地域紙「高島平新聞」の調べによると、現在、同団地に外国人は約900人住んでおり、団地の子供の6・5人に1人は外国人だという。
            

☆治安悪化は避けられない

高島平団地の近隣には、日本の看護師資格をとるために、来日した外国人向けの日本語学校がある。
そこに通う留学生は、地域のボランティアなどにも積極的に加わり、住民の信頼を得ている。

しかし、数ある日本語学校の中には、事実上の「寄せ場」と化しているところもあるのが実情だという。

外国人労働者問題に詳しい、ジャーナリストの出井康博氏が言う。
「急増しているアジア系の外国人労働者は、その多くが日本語学校に通う留学生です。
ただ、学校には在留資格を得るために籍だけ置き、目的は出稼ぎ、という人も少なくありません。

彼らはブローカーに『日本に来れば、簡単に月20万~30万円稼げる』と騙され、
家や土地を担保に、学費など200万円近くを借金して来日する。
ブローカーが日本語学校と組んで、彼らを食い物にしているのです」
            

☆傷害・窃盗・大麻・地下銀行

首都圏の周辺には、すでに「外国人労働者の街」と化しているエリアもある。
昨年上半期、外国人の刑法犯検挙件数は6610件。

刑法犯全体の4%未満と、これだけを見ると必ずしも多いとは言えないが、
実はベトナム人の犯罪件数が、前年同期比で36%も急増している。

民家を改造して、大麻を栽培する。
本国への違法送金を格安で請け負う「地下銀行」を運営する・・その手口は、単なる傷害や窃盗だけにとどまらない。
物価の安いベトナム出身の労働者が、低賃金で過酷な労働をさせられ、
耐えきれずに犯罪に手を染めるケースが増えていると考えられる。

「アジア系外国人労働者の中には、徹夜の肉体労働など、労働条件のよくない仕事に携わる人も多い。
また、日本人の人手不足もあって、『留学生のアルバイトは週28時間以内』という法律の規定も、全く形骸化しています。
日本語学校の学費の支払いを逃れようと、退学して不法就労に走る者もいる」(前出・出井氏)

東京五輪が終わり、5年の月日が流れた2025年の日本では、
各地でマンションの空洞化がさらに深刻になり、空き家率も20%を超えている。
            

半ば打ち捨てられた郊外のマンションや団地へ、
中国の貧困層のみならず、東南アジアでも賃金が安いベトナムやカンボジア、バングラデシュなどからの外国人労働者が
住むようになる・・彼らに日本語は通じない。

「日本に出稼ぎに来る外国人が、皆日本語を勉強し、社会に溶け込む努力をするとは限らない。
そういう人々が集まって、外国人だけのコミュニティがあちこちにできてしまうのです。

中国でも、北京など都市部の建物には、窃盗防止のため、必ず金属の防犯ドアが付いていますが、
日本にはそうした設備がないところも多い。
外国人犯罪集団からすれば、日本は犯罪天国に見えるでしょう」(前出・矢板氏)

移民という「最後の手段」に手をかけた日本。
2025年の治安は、年間に東京の2・5倍の殺人事件が起き、34倍の強盗事件が起きるニューヨーク以下に
悪化していてもおかしくない。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

今から9年後の2025年は、私が81歳、家内は76歳となり、共に後期高齢者となる。
果たして、この頃は亡くなっているか、或いは年金生活を何とか過ごしていると思われるが、
確かなことは、現代より社会状況が悪化していることは、何かとプラス思考の私でも、
今回の記事を精読し、溜息を重ねて動顛したりした・・。

住まいも老朽化した今の一軒家に住んでいるか、やがて大病となり病院探しの迷子になるか、
或いは介護の身となり介護施設の迷子になるか、こればかりは予測がつかないが現状である。

何よりも困惑させられるは、働いて下さる諸兄諸姉の方達と思案させられた・・。

昨今、国税庁による「民間給与実態統計調査」に寄れば、1人あたりの年間平均給与は、継続的に下がり続け、
平成16年には438.8万円だったのが、平成26年には415.0万円と知ったりした。

ここ10数年は、民間会社は短期に成果が問われる時代の中、常時リストラともいわれたりして過酷な時代になり、
多くの会社は正社員は6割、契約社員、アルバイトなどは4割、と知り、深く憂いたりしてきた。

私は何かと働いて下さる現役の諸兄諸姉に注視するのは、もとより日本の社会保障制度の年金、医療、介護の基盤は、
高齢者が使う費用は、その時の現役世代が保険料や税で負担する財政方式(賦課方式)を取っているので、
働いて下さる現役世代の諸兄諸姉が、その時の高齢者を支えている現実からでもある。

こうした中で、少子高齢化が増す社会となり、年金、医療、介護などの社会保障費は膨張し、
やむなく年金の削減、医療、介護の見直し改定が実施されてきた。
            

そして14年の平均寿命は女性86.83歳、男性80.5歳と大幅に伸び、
健康寿命も女性は約74歳、男性は約71歳で、
晩年期の難関として、健康寿命から平均寿命までは、女性が約12年、男性が約9年となっている現実がある。

こうした中で、14年簡易生命表による生存率に寄れば、90歳時点でも女性の48.3%、男性の24.2%は、
95歳時点でも女性の24.4%、男性の8.7%、お元気な方もいる。

このような状況の中、40兆円の医療費は65歳以上が半分以上を占め、
やがて25年には約50兆円に達すると予測されている。

何よりも年金だけとっても、2000年に現役世代3.6人で1人の高齢者を支える状況から、
25年には現役世代1.8人で1人の高齢者を支える事態が到来する。
                       

不幸にして生活保護を受けられる方は、国家予算の約3%前後となり、
14年度は過去最高の2.8兆円となり、162万世帯で217万人と私は学んだりした。
この中で、高齢者は半分を占める、と知ったりした。

今回の記事を読み終わった後、漠然としながらも、
生活保護を受けられる方を除外した上、団塊の世代の晩年期は、もはや自分で守るしかない、と私は思惑を深めている・・。

そして私は何よりも認知症が怖く、殆ど毎日ひたすら自宅周辺にある遊歩道、小公園を歩き廻ったしている。

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コメント (2)
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9年後の「2025年問題」を改めて学び、プラス思考の71歳の私でも、溜息を重ねて動顛して【上】

2016-03-27 12:48:08 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅に住む年金生活の71歳の身であるが、
昨年の5月初旬、松谷明彦・著作の『東京劣化 ~地方以上に劇的な首都の人口問題~』(PHP新書)を購読し、
震撼させられたひとりであった。
               

新書のカバーにある解説として、
《・・地方の集落の消滅を危惧する声が高まっているが、
これまでの政策の方向性を変えれば日本の農業や集落を維持する術(すべ)はある。

むしろ、地方よりも東京のほうが、より急激な変化に見舞われると考えられる。
東京の高齢化はすさまじい。
2040年には、2010年に比べて高齢者が143.8万人増加する。
1.5万人減少する秋田県とは対照的だ。

その結果東京の貯蓄率は低下し、インフラが維持できず、都市がスラム化するおそれがある。
年金の給付水準は大幅に引き下げられ、その結果多くの高齢者が家を失い、
老人ホームが新たに100万床以上必要になると考えられる。

ならばどうするか。
人口減少問題の第一人者が、欧州の事例も参考にしながら、現実的な処方箋を提案する。・・》

そして帯カバーの裏面には、
■地方は「消滅」しない
■貧しくなる東京
■オリンピックの狂騒の後に残るもの
■日本経済を支えたビジネスモデルの終焉
■1950年代の産児制限が急速な高齢化の原因
■公共賃貸住宅を大量につくれ―――財政への影響は問題なし  ・・など9つ命題が明記されていた。

こうしたことを立ち読みした私は、やがて到来する東京劣化を学びたく、買い求め、精読した。
                    

私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住む年金生活の身であるが、
生家も近く、この地域に結婚前後の5年を除き、66年ばかり住んでいる。

このような関係で地元はもとより、都心には幼年期の頃から行ったりし、
そして学生時代、やがて社会人になってサラリーマンで精勤すると、都心にある本社で奮戦したり、
定年後の年金生活の中でも、ときおり都心に行ったりしている。

そして私は、《・・貧しくなる東京・・》は都民のひとりとして、
無力ながら悲嘆し、ため息を重ねて、著作者の松谷明彦さんから多々教示された・・・。


たまたま私は当時の3日前、ネットでニュースなどを見たりした中で、
ビジネス総合情報誌として名高い『プレジデント』の配信して下さった記事のひとつとして、
『 東京の高齢化にどう備えればいいか 』と題された見出しを見た。

そして過日の『プレジデント』2015年6月1日号に掲載され、
『東京劣化 ~地方以上に劇的な首都の人口問題~』を上梓された松谷明彦さんの寄稿文と解り、
この配信して下さった記事を、たまたま私は改めて精読を深めたりした。

精読後、基本的な要旨は、『東京劣化 ~地方以上に劇的な首都の人口問題~』と同一であるが、
今後の都心、そして首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に多大な影響、
やがて日本各地に影響が波及するので、共有致したく、無断であるが転載させて頂く。
          
《・・
★平均3人を産まねば「1億人維持」は無理

人口減少が始まって10年になる。今後も日本の人口は減り続ける。
そして人口減少で最も大きな影響を受けるのが東京だ。
だが、多くの人は、この事実から目を背けている。

たとえば政府は昨年6月に示した「骨太の方針」で50年後の人口を1億人に維持するという目標を掲げた。
安倍晋三首相も今年4月の国会答弁で「1億人は維持していきたい」と発言している。

そのため少子化対策などに力を入れるとしているが、これからの人口減少はすでに確定している事実である。


今後50年で子どもの数は半分以下になる。
なぜなら50年後までに子供を産む可能性の高い25~39歳の女性が半分以下になるからだ。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によると、
この年代の女性は25年後までに37.1%も減少する。
その大幅に減少した女性が次の世代を産む。50年後には55.1%の減少が見込まれている。

このような急激な少子化は日本特有のものだ。
国際連合の人口推計で今後50年の25~39歳の女性と子どもの増減を比較すると、
フランスでは前者が4.2%増で後者が8.4%増、イギリスでは5.2%増で13.7%増、
アメリカでは23.0%増で21.9%増。

これに対し、日本は女性が55.1%減で、子どもが53.0%減である。

理由は戦後まもなくの大規模な産児制限にある。
人工妊娠中絶などを主な手段として、年間出生者数を約4割(約100万人)も減少させた結果、
いびつな人口構造が現れた。
          

日本が欧米先進国のようになだらかな人口構造へ戻るためには、あと50年以上かかる。
それまでに日本では女性と子どもの激減、そして急速な高齢化が立て続けに起きる。

結婚するかしないか、子どもを何人持つかという選択は、人々の価値観によるものだ。
2013年時点の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の平均数)は1.43だった。
人口維持には2.07まで引き上げる必要がある。

しかし女性の生涯未婚率は30年以上前から上昇を続けており、試算では2040年には30%近くに達する。
一方、既婚女性(有配偶女性)の合計特殊出生率は40年以上、2.0+アルファーで安定している。

つまり女性が子どもを産まなくなったわけではなく、結婚をしない女性や子どもを持たないと決めた女性が増えているのだ。
政府の目標を達成するには、既婚女性が平均で3人程度を産む必要がある。
それは非現実的であり、非民主的だ。
          

★東京は30年後には「超高齢化」する

こうした人口の変化で深刻な影響を受けるのは地方ではなく大都市である。
地方の高齢化は既にピークを過ぎており、今後、人口変動は落ち着く。
一部で議論されている「地方の消滅」は杞憂に過ぎない。

これから東京などの大都市では、「人口がたいして減らない」
「これまで大量に流入した若者が歳を取り、高齢者が急増する」
「全国的な少子化で流入する若者が激減する」という三重苦が始まる。

人口が減らないため、行政サービスや公共インフラへの需要は減らない。
そこで高齢者が急増すれば、医療や介護への負担で財政支出が急激に膨張する。
さらに流入する若者の激減で納税者は減り、税収は低迷する。大都市は未曾有の財政難に陥る。

特に東京の高齢化の規模はあまりにも巨大だ。
社人研によると、2010年時点で、東京都の65歳以上の高齢者は約268万人。
これが2040年には約144万人増え、約412万人となる。

増加率は53.7%に達する。
この結果、これから首都東京の「劣化」が起きると予想される。
          

★「高齢者難民」が発生。東京はスラム化する

劣化の第一は、東京の「スラム化」である。
人口減少高齢社会では、経済成長率が低下する。
さらに働いて貯蓄できる人の比率も下がるため、貯蓄率も大幅に低下する。

このような局面では、道路や上下水道といった公共インフラを計画的に整理縮小する必要がある。

ところが東京では人口の減少が小幅にとどまるため、大胆な整理縮小ができない。
それどころか2020年の東京オリンピックに関連して、インフラの新規投資が膨張している。
今後は既存インフラの維持や更新すら困難になるのに、貯蓄を使い果たそうとしている。

大量の「高齢者難民」が発生する可能性も高い。
東京の高齢者の約4割は借家住まいだ。
近い将来、年金制度が事実上破綻し、給付水準が引き下げられれば、家賃が払えなくなった高齢者が街にあふれ出す。

経済成長が衰えれば、民間によるインフラ整備も期待できなくなる。
再開発は行われなくなり、老朽化した商業ビルは、取り壊されず廃墟になる。
また鉄道の沿線人口が減れば、路線は廃止・短縮される。

鉄道が来なくなれば郊外の住宅地は価値を失い、ゴーストタウンになるだろう。

経済成長を上向かせるには、東京の経済を国際化・高度化する必要があるが、
それでも大量の失業が発生するだろう。1950年代後半から1970年代初頭に東京へ流入した第一波は、
製造業に組み込まれ、熟練労働者に成長した。

しかし1980年代や2000年以降に流入した第二波、第三波は、
流通業などに就いた人が多く、高度なスキルを持つ人は少ない。
これは政府と企業、そして労働者自身が、職業教育を軽視し、安価な労働力を追い求めたツケでもある。
           
        
ではどうすればいいのか。
ひとつの提案は、「高齢者難民」を防ぐために、耐用年数が200年程度の公共賃貸住宅を大量に建設することだ。

民間の賃貸住宅は20~30年程度で建築費を回収する必要があるため家賃が高い。
だが国や地方自治体であれば超長期の借金ができる。
耐用年数が200年程度で、維持補修費が他の集合住宅とさほど変わらないものを建てる技術はすでにある。

土地は区役所の上や公共遊休地などを活用する。
建築費の回収期間を200年に設定すれば、家賃は月額2万~3万円程度に抑えられるはずだ。

人口減少高齢社会は資源減少社会だ。
限られた資源で社会を維持していくためには、世代を超えて資源を管理する必要がある。
年金は現役世代の稼ぎ、つまり「フロー」に頼る仕組みだが、公共賃貸住宅は世代を超えた「ストック」の資源になる。

民間の商業ビルにも「ストック」の管理という視点が有効だろう。
個々の対応ではスラム化は防げない。

東京にある商業ビルの台帳をつくり、新規建設の調整や建て替えの指導を行う。
資源を適正に管理できれば、企業活動の持続性も高まる。

東京の劣化を防ぐうえで、これから必要になるのは変化を恐れないことだ。
今後の人口減少高齢社会では、働く人の比率が低下するため、
1人当たりの財政支出は増えるが、税収は増えない。
           
         
このため財政再建を達成するには、人口の減少に比例して財政規模を縮小させるしかない。
言い換えれば、年金や社会福祉、公共サービスなど、
これまでと同じ社会構造では成り立たないということだ。

経済にも同じことがいえる。
米国では、各業界の概ね3分の2、欧州では半分程度が、外国企業だ。
だが日本では、いずれの業界も国内企業がほとんどだ。

東京の国際競争力を高めるには、日本企業に外国人を呼ぶのではなく、
東京に多数の外国企業を呼び込むような「開国」が必要だろう。
そのためには日本経済全体の構造改革も求められる。

東京の劣化は、2020年の東京オリンピックの数年後には兆しが見えてくるだろう。
対策を急ぐ必要がある。
祭りの後で悔やんでも、最早手遅れなのだ。・・》
注)記事の原文にあえて改行を多くした。
          

私はこの寄稿文を読み終わった後、やがて到来する都心の情景は、
1970年代のニューヨーク市の街中の荒廃した状景に思いを重ねてしまった。

戦後、1950年代まで政治、外交、軍事、経済、文化など世界を牽引してきたアメリカが、
1960年代の中頃より、ベトナム戦争の泥沼化の中、やがて推進派と反対派で昏迷し、
そして経済は低迷し、何よりもアメリカ人の心まで疲弊させた。

こうした深刻な経済状況の中、ニューヨーク市も財政悪化となり、
建物、道路、橋、地下鉄、水道、ガス、電気などの社会基盤の補修もままならず、荒廃していった。

こうした中で、裕福な人たちは市の財政が破綻し大増税が始まることを恐れて、
市の住民の13%に相当する約100万人が、市から流出した実態を思い馳せたりした。

この当時のニューヨークの荒廃した情景を的確に表現した映画があり、
マーティン・スコセッシ・監督の『タクシードライバー』(1976年)である。
          

やがて到来する都心は、都民の裕福な人たちは。都政の高負担・低福祉に険悪して、
香港、シンガポール、カナダなどに移住してしまうと、私は妄想を重ねたりした。

そして残された都民の大半は、益々財政悪化の中、高負担・低福祉に従属した生活を
余儀なくされて過ごされる・・。

こうした中で、《・・財政再建を達成するには、人口の減少に比例して財政規模を縮小させるしかない。
言い換えれば、年金や社会福祉、公共サービスなど・・》削減、低下は、
過ぎし年のニューヨークは大胆な政策もとで、称賛されるほどに甦(よみが)ったが、
果たして都民、周辺の人々は、特に享受してきた高齢者は、耐えられるかしら、と危惧したりした。

このように何かとプラス思考の私でも、このような悲嘆な到来を思案したりしてきた。

            《つづく》

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