夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

認知症、改めて悲惨な実態、私は動顛しながら学び、やがて涙を浮かべて・・。

2017-09-06 15:52:19 | ささやかな古稀からの思い

先程、ときおり愛読している【NEWS ポストセブン 】を見ている中で、
『 認知症行方不明者は年間1万5000人 死亡で発見も多数 』と題した見出しを見てしまった。

私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活のまもなく73歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後39年を過ぎた古ぼけた一軒屋に住み、ささやかに過ごしている。

私たち夫婦は、子供もいないので介護などは頼れる人はいなく、
いつの日にか介護を要する身となった時は、介護施設に入居するか、或いは自宅でするか、
漠然としながらも思案し、ときおり私たち夫婦は話し合ったりしている。
        
ここ数年、私が何よりも恐れていることは、認知症となり、自身が正常に自覚をできないことである。
私は親戚の方、知人の方とか、本などで認知症の悲惨さを少しばかり学んだりし、
たとえば私が認知症となり、介護をしてくれる家内の身を案じるとたまらない真情となる。

或いは逆に家内は認知症となり、私が看病する場合も同様である。

認知症の本人は介護して下さる方も解らず、
何よりも介護する方は、看病する張り合いがないと思われるからである。

このような私は、やはり認知症に関して、気になり記事を精読してしまった・・。

          

この記事の原文は、『週刊ポスト』の2017年9月15日号
に掲載された記事のひとつであり、
関連の【NEWS ポストセブン 】に9月4日に配信され、 無断ながら転載させて頂く。

《・・認知症行方不明者は年間1万5000人 死亡で発見も多数

嘘だろ。たった10分、コンビニへ買い出しに行っただけなのに──。
さっきまで、妻はテレビを見て笑っていた。

夕飯のおかずと飲み物を急いで買ってくるくらいなら、大丈夫だろうと思っていた。

テレビはついたまま。飲みかけの湯飲みからは、
まだほんのり湯気が立っている。
座っていた座布団は凹んだままで、温もりが残っている。
携帯も財布も、外出する時にいつも履く靴もそのまま。

認知症の妻だけが、いなかった。


それでも、その時は“すぐに保護されるだろう”と思っていた。
70すぎの女が、自分の足で遠くに行けるはずがない。



だが、違った──。2年経っても、3年経っても、妻は見つからなかった。
ニュースで「高齢女性の遺体が発見された」と聞くたびに、心臓が波打つ。

“妻でありませんように”。そう祈る一方で、
最近では“遺体が妻だったら楽になれるのに”と頭をよぎるようにもなってきた。


「消えた人」であれ、あるいは「待つ人」であれ、こんな《悪夢》が、
数年後の日本では、誰の身にも現実に起こり得るのかもしれない。

          

警察庁が発表するデータは衝撃的だ。
昨年1年間で全国の警察に届け出があった行方不明者のうち、
「認知症」を患っていた人数は1万5432人。

前年に比べ26.4%も急増した。
増加ペースは年々上がっており、今や行方不明者全体のおよそ2割を占める。

介護施設情報誌「あいらいふ」編集長の佐藤恒伯氏がいう。

「団塊の世代が全員75歳以上になる2025年以降は、さらに問題は深刻化するでしょう。
全国の至るところで、どこからやってきたか、自分が誰かもわからない認知症患者が
徘徊する社会が現実のものになるかもしれないのです」


「Aさんは、デイサービスの合間、ちょっと目を離した隙に玄関から抜け出した。
風の強い冬の日で、所持金もない。
遠くに行けるはずがないと思ったので、近隣を重点的に探していました」

ところが数時間後、Aさんが発見されたのは、
施設から約10㎞離れた大井埠頭(品川区)の桟橋だった。

「埠頭までは、幹線道路や運河に架かる橋をいくつも渡らないと辿り着けない。
強風の中、どうやってたどり着いたのかは、ご本人も説明できない。
足がパンパンに腫れていたので、徒歩だったのでしょう。
セーター1枚の部屋着姿で、体は冷え切っていた」

Aさんのようなケースは、“季節外れの服装”で第三者が、異変に気づくことができる。

          

厄介なのは、周囲が気づきようがない場合だ。

別の施設関係者がいう。
「Bさん(70代女性)は、いわゆる“まだら”の状態で、
会話も成立するから、普通のおばあちゃんにしか見えません。

その日、お迎えに行ったら自宅は、空っぽ。
自転車に乗らない方なので『徒歩にて移動』と通報したのですが、
発見された時には、なんと持ち主不明の自転車を押していた。

顔写真を持って、目を光らせていた隣町のケアマネさんのおかげで、奇跡的に見つかった」

前出・佐藤氏がいう。
「認知症の行方不明者は、届けが出た当日から、数日の間に見つかっているケースが大半です。
ただ、昨年も471人が死亡した状態で見つかっています。
決して少ない数字ではない」

命にかかわる問題にもかかわらず、対策は難しい。

「突然、普段と行動パターンが変わって、いなくなってしまう人もいる。
入所している施設で職員から“大人しくてあまり手が掛からない”と思われていたCさんが、
突然いなくなったことがあった。

翌日に見つかった時は、10㎞以上離れた場所で、うずくまっていたのです。
履いていたのは、施設のサンダル。
いきなり、普段とは全く違った“力”を発揮してしまうことがあるんです」(同前)・・》

          

この後、この記事の下段に関連記事として、
『介護業界に衝撃施設から抜け出して凍死、賠償2870円』と題された記事を読んでしまった。

この記事の原文も、『週刊ポスト』の2017年9月15日号に掲載された記事のひとつであり、
関連の【NEWS ポストセブン 】に9月4日に配信され、 無断ながら大半を転載させて頂く。

《・・介護業界に衝撃施設から抜け出して凍死、賠償2870円

介護業界では「施設を抜け出すこと」を意味する「離設」という言葉がある。
介護施設情報誌「あいらいふ」編集長の佐藤恒伯氏は
「中規模程度の施設なら、月に1回は離設の事案がある」という。

プロの職員が目を配っていても、行方不明者は出るのだ。

2016年9月、介護業界関係者に衝撃が走った。
デイサービス施設の非常口から抜け出した76歳の女性が、
3日後に施設から1.5㎞離れた畑で、凍死した状態で発見された。

遺族が、施設の責任を問うた訴訟で福岡地裁は
「施設職員は、女性に徘徊癖があることを認識しており、見守る義務があった」
として施設側に2870万円の支払いを命じた。

介護保険では、施設に「身体的拘束等の原則禁止」を求めており、
部屋の施錠などについても、抑制すべきとの考え方がある。

拘束は許されないが、いなくなったら責任を取れ──
急増する認知症の行方不明者は、介護現場にも暗い影を落としている。・・》

          

私は読み終わった後、暗澹たる思いが増して、涙を浮かべていた・・。

現代でも、到来する2025年になれば、私たち世代はもとより、団塊世代の人々も、後期高齢者となり、
この中には数多くの御方も介護となる中、一部の御方には、やむなく息子か娘にすがる在宅介護の生活が予測される・・。

そして長きに介護生活になれば、今まで過ごしてきた健康な時の日常から予測できなかった、
まさかの出来事が介護する御方、介護される御方も展開され、たとえ親子でも愛憎が増ていく日常・・。

こうした現象を予言した方は、作家・有吉佐和子さんの『恍惚の人』であり、
1972年に新潮社から「純文学書き下ろし特別作品」として出版され、
この当時に私は読み、動顛させられた作品である。


本作品は認知症などで、高齢者介護に奮闘する家族の日常が的確に表現され、
介護医療の困難を提示した作品でもある。

そして在宅介護が家族でままならなくなった時は、やむなく介護施設にあずける・・。

こうした中で、たとえば認知症患者の当人が介護施設から抜け出して、徘徊する中、
関係者より発見されたり、或いは行方不明となる。

介護施設としては、認知症患者の当人が介護施設から抜け出して、徘徊することを防止する為に、
施設内で認知症患者に対して、人として尊厳を尊重しながらも、拘束する状態度合が問われる命題である・・。


このようなことも思い重ねて、私は暗澹たる思いとなり、涙を浮かべたりした。


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