私は年金生活のまもなく73歳になる身であるが、5歳若い家内と共に過ごしているが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たったふたりだけの家庭となっている。
そして私たち夫婦は、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。
こうした中で、70代の三年生して、心身共に自立し健康的に生活できる健康寿命を意識して、
確かな『生きがい』と『健康』、そして『気力』を持続できるように、
ときおり願いながら、殆ど毎日歩いたりしている。
そして私は、これまで人生の多少の難題も乗り越えてきたので、
何とかなるわ、と楽観的な人生信条のひとりである。
しかしながら、過ぎし年の2015年(平成27年)5月初旬、
松谷明彦・著作の『東京劣化 ~地方以上に劇的な首都の人口問題~』(PHP新書)を購読し、
震撼させられたひとりであった。
新書のカバーにある解説として、
《・・地方の集落の消滅を危惧する声が高まっているが、
これまでの政策の方向性を変えれば、日本の農業や集落を維持する術(すべ)はある。
むしろ、地方よりも東京のほうが、より急激な変化に見舞われると考えられる。
東京の高齢化は、すさまじい。
2040年には、2010年に比べて高齢者が143.8万人増加する。
1.5万人減少する秋田県とは対照的だ。
その結果、東京の貯蓄率は低下し、インフラが維持できず、都市がスラム化するおそれがある。
年金の給付水準は大幅に引き下げられ、その結果多くの高齢者が家を失い、
老人ホームが新たに100万床以上必要になると考えられる。
ならばどうするか。
人口減少問題の第一人者が、欧州の事例も参考にしながら、現実的な処方箋を提案する。・・》
そして帯カバーの裏面には、
■地方は「消滅」しない
■貧しくなる東京
■オリンピックの狂騒の後に残るもの
■日本経済を支えたビジネスモデルの終焉
■1950年代の産児制限が急速な高齢化の原因
■公共賃貸住宅を大量につくれ―――財政への影響は問題なし ・・など9つ命題が明記されていた。
こうしたことを立ち読みした私は、やがて到来する東京劣化を学びたく、買い求め、精読した。
私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住み、生家も近く、
この地域に結婚前後の5年を除き、68年近く住んでいる。
このような関係で地元はもとより、都心には幼年期の頃から行ったりし、
そして学生時代、やがて社会人になってサラリーマンで精勤すると、都心にある本社で奮戦したり、
定年後の年金生活の中でも、ときおり都心に行ったりしている。
そして私は、《・・貧しくなる東京・・》は都民のひとりとして、
無力ながら悲嘆し、ため息を重ねて、著作者の松谷明彦さんから多々教示された・・・。
人口減少が起因とする日本のこれから多大な影響を動顛しながら学んだりした。
《・・日本の喫緊の課題を、改めて整理するなら4点に分けられる。
1つは、言うまでもなく出生数の減少だ。
2つ目は、高齢者の激増。
3つ目は、勤労世代(20~64歳)の激減に伴う社会の支え手の不足。
そして4つ目は、これらが互いに絡み合って起こる人口減少である。
まず認識すべきは、社会のあらゆる場面に影響をもたらす、これら4つの真の姿だ。・・》
そして私の甘い希望的な予測などは、吹き飛んで怜悧に学んだりしてきた。
このような心情を秘めてきた私は、先程、ネットの【マネーの達人 】で、
『 あと8年も経たないうちに必ず訪れる「2025年問題」
~報道されないリアルな将来とは~ 』と題した見出しを見てしまった。
この記事は、エスピーウェイ代表で経営、医療コンサルタントをされている原 彰宏さんが寄稿された記事で、
【マネーの達人 】の『社会保障』に2017年9月18日に配信され、無断ながら転載させて頂く。
《・・あと8年も経たないうちに必ず訪れる「2025年問題」~報道されないリアルな将来とは~
■人口減と超高齢化社会
政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏が警鐘を鳴らす「2025年問題」を、
「これから10年間で、日本の人口は700万人減ります。
15歳~64歳の生産年齢人口が7000万人まで落ち込む一方で、
65歳以上の人口は3500万人を突破する。
2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、
国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、
人類が経験したことのない『超・超高齢社会』を迎える。」
と説明しておられます。
人口減は経済成長の足かせになることを意味していて、超・高齢化社会加速は、
社会保障制度の疲弊を意味します。
疲弊ならまだしも、破綻の危機があると指摘されています。
人口減に関しては、東京オリンピックが終わったあとでも
現在と同水準の人口を維持できるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と、愛知・沖縄・滋賀のみで、
青森・岩手・秋田・山形・福島の東北各県や、中国、四国の大半の県は、
軒並み1割人口を減らすと見られています。
都会と地方の格差は、広がるばかりです。
地方の人口減少の深刻化、地方の悲鳴が聞こえてきそうです。
■少子化問題はさらに深刻です
先進国には、社会の高齢化はつきものです。
成熟した先進国は、社会の高齢化は受け入れなければなりません。
問題は少子化の方です。
これは対策を講じている国とそうでない国では、未来予想は大きく変わってきます。
アメリカのように、人口減少を移民政策でくい止めている国もあれば、
フランスのように、出生率改善と向き合っている国もありますが、
日本は少子化対策に関しては、全くの無策と言っていいほど、何の対策もとられていないのが現実です。
それは選挙の投票行動と関係していて、高齢者は投票に行きますが、
日本の若者は投票に行かないことにより、政治家の関心が、
どうしても高齢者対策に偏っていることに、問題があるとも言われています。
少子化は、そのまま生産人口の減少につながり、
それは国の税収減として表れ、国の経済発展にも悪影響を及ぼします。
つまり2025年問題は「人手不足」と「お金がない(財政危機)」ということなのです。
■働き方の変化
若者が減り、高齢者が増えると、働き方が変わると言われています。
生産年齢人口が減り、税収が減るイメージはありますが、
労働力人口が高齢化することにより、労働の質が変わることが予想されます。
厚生労働省のデータによれば、2000~2010年の10年間で、
事務職や工業系技術者は14%、農家や漁師は30%、また土木作業者や建設技術者は40%も減っていて、
一方で、介護関係職員は倍以上に増加し、葬儀関係者も1.5倍に増えています。
この傾向は、2025年までに、ますます加速すると言われています。
若者が減り、老人が増えることは、何かを作る仕事に携わる人が減り、
介護や葬儀に携わる人が激増するという見方もできそうですが、
それでも介護にかかわる人手不足が解決するわけではありません。
むしろ、これからますます深刻になっていくと思われます。
生産年齢人口の減少、労働力人口高齢化を補うのがAI、
いわゆるロボット技術だとすれば、なんとなくうなずける気がしますね。
「1億総活躍」とか「働き方改革」という大号令は、
なんか生産年齢人口減少を意識した話に思え、
国民の労働の質を改善する話では、ないような気がしますよね。
人口減と移民問題は、常に一緒に語られますが、
移民受け入れは、「安い労働力の輸入」という側面がどうしても離れず、
この観点から、今の労働者は淘汰されることが想像されます。
☆これから生き残れる労働者とは…
海外労働者が増えても大丈夫な働き方、AIにとって代わることができない働き方とは…
労働環境のグローバル化、多様化をネガティブにとらえず、
時代に求められる人材に、自分を変えるという意識を持った人だけが生き残れる、
つまり、ポジティブに発想を変えられるかどうかが、これからの労働者に求められることだと思います。
■認知症
厚生労働省は2015年1月、
「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を発表しました。
この中では、認知症を患う人の数が2025年には、
700万人を超えるとの推計値が発表されています。
これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となります。
認知症高齢者の数は2012年の時点で、全国に約462万人と推計されており、
約10年で1.5倍にも増える見通しです。
社会現象としては、全国民の10人に1人が、程度はともかく認知症になっているようです。
現時点でも、軽度のものを含めれば、
少なくとも820万人が認知症を患っているという厚労省のデータがあります。
国際医療福祉大学教授の高橋泰氏は、2025年には今の1.5倍、
1200万人以上が認知症になっていてもおかしくないと指摘しています。
若年性認知症も増えているようで、
生活習慣病からのさまざまな病気が問題となってくるでしょう。
この認知症の増加は、未来の社会構造に大きな変化をもたらせます。
生産者人口への影響もそうですが、
医療、特に介護の世界の必要性が増し、同時に人手不足も深刻化していきます。
■皆保険制度の崩壊危機、医療機関の破綻続出
その医療・介護の世界も深刻な状況に追い込まれていきます。
すべての国民が等しく医療を受けることができる国民皆保険制度について、
現場の医師の半数が、維持できないと考えているそうです。
人手不足もそうですが、お金がない、つまり国家財政の逼迫が、医療制度を直撃します。
皆保険制度維持のために考えられるのは、
保険料増、窓口自己負担額増、および増税(おそらく消費税)ですが、
これらは国民の負担感が増し、選挙を意識する政治家にとっては、踏み込めない領域のようで、
年金制度改革と一緒で、おそらくは抜本的改革は進まないでしょう。
国民負担増なしで皆保険制度を維持させるには、
医療給付費を抑えるしかありません。
医療給付費抑制は、医療機関経営を圧迫します。
2025年問題は、医療機関の倒産が増えるという側面もあるのです。
皆保険制度維持のために国民負担増、現存する医療機関の淘汰、
さらには外資による日本医療法人M&Aというのも考えられます。
さらに、医療制度維持のために制度そのものの縮小、
つまり、保険適応の対象範囲を縮小することも考えられます。
医療制度の未来像の詳しいことは、別の項目で記事を書いていますので、そちらもご参照ください。
(年金制度よりも「医療制度」の方が深刻 医師の半数が「国民皆保険」を維持できないとの考えを持っている現状とは)
2025年というのは、今まさに行われている、
60歳から65歳への年金支給開始年齢引き上げが、最終段階にさしかかっている頃です。
おそらく、年金の実質的破綻は、誰の目にも明らかになっているでしょうから、
70歳への支給開始年齢引き上げも実行に移されるはずというのが、ある社会保険労務士の方の見解です。
年金をはじめとする社会保障費は、現在の約120兆円から、
2025年には総額150兆円に増えると考えられます。
遅くとも2030年代前半には、年金積立金は枯渇するという話も聞こえています。
消費税1%分の税収は約2兆円、向こう10年で今より15%消費税率を引き上げないと、
年金制度は維持できないという試算もあります。
多くの国民が不安に思いつつ、半ば諦めムードになりかけている今の公的年金制度ですが、
それがいよいよ、「ムード」から「リアル」になっていくときが来るのでしょう。
■格差社会は生ぬるい、大多数が貧困層
移民政策、働き方改革、第四次革命、これらは結果として、今の労働者を淘汰します。
格差社会という言葉では、生ぬるい社会状況になっていることが予想されます。
日本総貧困層、かつての総中流社会という言葉が郷愁になっていることでしょう。
東京オリンピックが終わり、5年の月日が流れた2025年の日本では、
各地でマンションの空洞化がさらに深刻になり、
空き家率も20%を超えているという予想をしている専門家もいます。
不動産神話は崩壊、不動産投資は成り立たない、家を売りたくても買い手がいない、
このような状況を、今の段階では、想像できないかもしれませんが、
人口減少が加速する社会において、不動産流通は厳しいものになるのは、容易に想像できるかと思います。
そこに、日本人総所得の低下となれば、不動産を買える層は限られてきます。
今のような低金利が続いているかどうかも疑問で、インフレが進めば、金利は上昇します。
今までの常識と思われていたライフプランは、成り立たなくなります。
なにより恐ろしいのは、8年後の2025年問題に対して、
政府の対策が見えないこと、報道もされていないこと、
そして、私達国民がほとんど意識していないことなのです。
2025年問題、それは人手不足と財政難です。
そこから生まれるのは、格差社会、社会保障縮小社会です。
■私たちが考えなければならないことは…
賃金上昇なき物価高のコラムでも書いたとおり、これから必要なのは「現金」です。
家庭内フリーキャッシュをいかに多く準備しておくかです。
その現金準備方法は、あくまでも換金性が良いことが条件です。
いつなんどきお金が必要になってくるかわかりませんからね。
場合によっては、制度が変わって、お金が引き出せないことも考えられます。
有価証券のまま保有するよりも、現金にして持っていることが大事かもしれません。
換金性の悪い不動産や生命保険にお金を換えるのは、避けたほうが良いでしょう。
今後の人生設計において強い味方となるのは、投資であることは間違いないと思います。
おそらく運用手法が強力な武器になると思いますが、
投資・運用を行うには、きちんとした勉強が必要で、訓練も必要です。
単に投資信託を買えばよいという話ではありません。
また投資信託で運用するだけでは、とても間に合わない状況になっていくと思われます。
☆最後に
危機感をあおるわけではありませんが、株式投資や為替投資を真剣に学ぶことをお勧めします。
その際、絶対額を意識した投資を考えましょう。
着地点を見据えた投資計画が必要です。
この考え方については、機会があればお話します。
今回は、もうあと8年も断たないうちに必ず訪れる「2025年問題」を意識してもらうためのコラムです。
時間は待ってはくれませんからね…。(執筆者:原 彰宏)・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
読み終わった後、裕福に無縁な私は、溜息ばかり重ねた・・。
そして私がせめて出来ることは、もとより健康でなければ、私でも日頃のささやかな願いも叶わないので、
いつの日にか認知症、或いは脳梗塞などの難病に遭遇したら、
病院、介護施設に迷子になる時代が到来すると、改めて学んだりした。
こうした対策として、ひたすら歩き、ときおり大股で歩いたり、或いは足早に歩くことを
継続することだ、と自身を叱咤激励している。
尚、株式投資や為替投資に関しては、経験のない高齢者は、
大切な老後資金を失くす場合もあるので、私は避けているひとりである。
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