夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

白寿まで生き抜いた作家・野上弥生子さんの食生活を初めて学び、恐れ入りました、心の中で呟(つぶや)き・・。

2017-09-14 15:48:47 | ささやかな古稀からの思い


                                                 
先程、ときおり愛読しているネットの【ダイヤモンド・オンライン】を見ていたら、
【 白寿まで生き抜いた野上弥生子、抹茶とお菓子が朝ご飯代わり 】と見出しを見た・・。

私は過ぎし年、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)の秋に、
大学を中退して、アルバイトとか契約社員をしながら映画・文学青年の真似事を
4年ばかりし体験し、あえなく敗退した身である。

こうした中で、もとより作家・野上弥生子さんの上梓された数多く作品を読んだりしてきた・・。
今回、《・・白寿まで生き抜いた野上弥生子、抹茶とお菓子が朝ご飯代わり ・・》の標題に、
どのような御食事の生活をされていたのか、つたない私でも好奇心に誘惑されて精読してしまった。

この記事は、小説家・料理人の樋口直哉さんが、綴られた寄稿文であり、
【ダイヤモンド・オンライン】に2017年9月14日に配信され、無断であるが転載させて頂く。

《・・白寿まで生き抜いた野上弥生子、抹茶とお菓子が朝ご飯代わり

              

死の直前まで旺盛に仕事に打ち込んだ作家がいた。
明治、大正、昭和を生き抜き、多くの作品を世に残した野上弥生子である。


弥生子は1885(明治18)年に大分県で生まれた。
1900年に上京し、明治女学校に入学し、高等科の頃に、その後夫となる野上豊一郎と出会う。

卒業後、2人は結婚。漱石山房(さんぼう)に出入りする夫から
山房での話を聞いた弥生子は、小説を書き始め、
ついに1907年、夏目漱石の紹介で「ホトトギス」に処女作『縁(えにし)』を発表する。

それからの彼女は3人の子どもを育てながら、小説家として旺盛に作品を発表していく。
戦前の作品として『海神丸』や『真知子』、
戦後では『迷路』などがあるが、最も有名な小説といえば『秀吉と利休』が挙げられる。

豊臣秀吉=権力者と千利休=芸術家の対立と矛盾、葛藤を描いたこの小説を発表した時、
彼女は77歳になっていた。


99歳で亡くなる直前まで、仕事を続けた彼女の作品を形容するには
知的という言葉が最も適切に思う。

重層的な視点と格調高い文体は、深い教養に裏付けられたもので、能などにも造詣が深かった。

             

その仕事を支えた食生活は、どんなものだったのだろうか。

対談の中で彼女自身がこう語っている。

〈私は朝ご飯は、いただきません。
その代りにお抹茶を大服で二杯がぶがぶ飲んで、お菓子をたくさん食べて、それでお仕舞い。

お昼は、牛乳を二合に有り合わせの果物を食べるくらい(中略)

ただ晩だけは、ご飯を食べるから、どこかでお招(よ)ばれすると、
恥ずかしいみたいに、たくさん食べますよ〉


抹茶は、茶葉に含まれる栄養を余すことなく摂取できる優れた食品で、
最近は海外でも注目されている。

また、含まれるカフェインが体にいいか悪いかについては賛否両論あるものの、
常識的な量を摂取する限りにおいては、問題ないと考えられている。

昼の牛乳は、お茶に含まれていないカルシウムを補い、果物はもちろんビタミン類などが豊富なので、
夕食に十分なタンパク質と炭水化物を摂取できれば、
1日トータルでは、栄養バランスの優れた食生活を送れるはずだ。

その証拠に彼女は晩年になるまで、病気らしい病気をしたことが、なかったそうである。


人間はいつまで仕事ができるのか。
弥生子の人生が教えてくれる答えは「死ぬまで」である。

未完に終わった小説『森』は、明治女学校での日々のことを描いた自伝的小説だった。
彼女は最後に始まりの場所に戻っていったのだ。
まるで大きな円を描くように。


参考文献/『野上弥生子全集 別巻二』 野上弥生子・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした

             

私は東京オリンピツクが開催された当時、作家・瀬戸内寂聴さんが改名する前の晴美さんの名で、
『夏の終り』の作品を読み、感銘して、やがて知人などに絶賛したりした。

周知の通り、瀬戸内寂聴さんは数多くの作品を公表されて、
95歳の御高齢になられた今でも、作品を上梓されている稀な御方でもある。

確か瀬戸内寂聴さんは、50年前の頃、文藝雑誌に於いて、
御高齢になられた野上弥生子さんのように、いつまでも作品を書き続けたいわ・・
このような主旨の文が、私は今でも心の片隅に残っている。

今回、野上弥生子さんの食生活を初めて学び、恐れ入りました、
と拙(つたな)い人生航路を歩んできた私は、心の中で呟(つぶや)いたりした。


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