かつてベルギー人作曲家、アダモは歌いました。
「雪は降る~♪ 貴女(チャンス)は来ない~♪」 (原題:Tombe la neige)
貴女(チャンス)が来ないのは降る雪(環境)のためではない。冷たい雪の中を強いて、私に会う必要性を感じないから来ないのであります。風俗・文化が違うとは言え、かの絶世の美男子『光源氏』でさえ、彼女の元へ通ったのであります。雪が降る悪条件の中を、例え約束したとは言え現れない彼女…雪(環境や条件)を怨んではいけません。私に雪の中でも会いに来る魅力が無いのであれば、私は彼女(チャンス)の元へ会いに出掛ければ済むことなのですから^^;
自由主義・自由経済社会では、何人にも機会の均等が保証されていなければならない。教育の義務、勤労の義務、納税の義務といった国民の義務は、裏返せば、教育や就労、収入所得といったものは、その能力に応じて受けるべき機会が均等に与えられなければならないということであって、全ての国民が結果(分配)の均等を保証されている訳ではないということを自覚しなければならないのであります。しかしながら、戦後日本の官僚機構による支配は、「1億総中流社会」という言葉が示すように、自由主義経済国家であるにも係わらず見事な社会主義経済国家を創出してしまった訳であり、富は誰にでも均等に分け与えられるものと国民は誤認してしまったのであります。官僚支配と利権の上にあぐらをかいて来た古き自民党体質を打ち壊すと宣言した小泉政権以降、本来の自由主義経済の波に晒され、就労さえしていれば何とか飯にありつけることが出来たパンピーの間にも格差が生じてしまったのであります。今さらマルクス経済学を持ち出すつもりはありませんが、ある一定以上の格差が生じると国民に暴動が起こっても不思議ではない社会情勢なのではありますが、環境(条件)の不遇を恨み、高見(ひとつまみのセレブ)の足を引っ張ることはあっても、自らが高見に登ろうとする努力もしない…分け与えられることに飼い慣らされた国民像がそこに見え隠れするのであります。
金持ち喧嘩せず…などと申しますが^^;
さて、「マネーゲーム」と称して取り上げた「FX(Foreign Exchange)」でありますが、バーチャルなゲームにさえ私は手を出しておりません。それは、自分自身の性格と能力を今のところ冷静に把握し、自制出来ているからであります。
かつて、『夢屋パチンコ必勝理論』という怪しげな理論を体得した時、ほぼ毎日のように、とあるパチンコ店に通い詰めておりました。店とパチンコ台の傾向をつかむ…必勝理論の第1条であります。私の周囲は「良くそんな時間がある。」と不思議がるのでありますが、「時間が無い。」というのは貧乏人(パンピー)の常套句であります。当然、当時はオッカーの仕事の関係もあって、しっかり買い物と晩飯作りの主夫業をこなし、それから出掛けることもしばしばでありました。重要なのはパチンコを打つことではなく、情報(傾向)をつかむことという信念を持っておりましたので^^;
ここにも実は、貧乏脱出のための重要なサジェスチョンがあるのでありまして、要領の悪い奴、貧乏人(パンピー)は、必ずと言って良いほど「お前と違って忙しい。時間が無い。」と言うのでありますが、お金持ちにも貧乏人にも、一日に割り振られた時間は24時間と平等なのであります。一方は儲けるための法則を探し、もう一方はテレビや酒へと無為の時間を過ごす。身の回りの環境や条件に恵まれていないのでは無く、環境や条件に対応することを怠っているのであります。
さらに、負けず嫌いな私の性格は、バーチャルなゲームであっても負けることが嫌であるから、勝つための法則を探そうとする。「FX」もまた、人間が行う投機行動なのだから、環境要因(経済情勢や企業活動、天候etc.)や内的要因(投機者の心理)といった行動決定要因が把握できれば、偶然のように見える投機行動も一定の法則性を持った必然の行動として捉えることが出来るのではないだろうかと考える…その行動決定要因を分析するためにまた「FX」にのめり込む…結果、回りが見えなくなるのであります^^;
有名な「孫子の兵法」の根底には「戦わずして勝つ。」という思想が貫かれております。「戦わずして」とは、手を出さないということでは無く、まずは内政(条件)を整え、力(能力)を蓄えること。さらには無駄な戦いによる消耗を極力避けるということであります。そして、いざ戦う場合は、兵力を最大限に発揮させるために「死地に陥れて、然る後に生く」すなわち背水の陣を敷くのでありますが、自分の性格と能力の無さ(戦力)を冷静に分析した後で、次は、ギャンブルに手を出してはいけない人について考察してみるのであります。(続く^^;)