昨夜は、出稼ぎ先の離散会でありました。役職を同じくするオジサンたちの親睦会なのでありますが、ややお疲れモードのオジサンなので腰が重い。腰が重いから飲み会が少ない…結果、親睦会費は貯まる一方なのでありますが、『夢屋国王』が会計幹事を引き受けた本年度は、パ~っと遣っちゃうのであります^^;
皆が納得する使い方をすれば良いだけで、貯め込むことを目標にしたお金では無いのですから、少々リッチな気分の離散会に仕上げましょう。普段は決して飲まないであろう「サントリー山崎」や「鬼の涙」などという少々お高めの焼酎も手配させて頂きました。珍しく夜中目覚めることもなく、ぐっすり眠り、朝の5時過ぎに露天風呂でサッパリ…やはり、お金持ちは湯船から溢れ出るほどのお湯を惜しげもなく使い、手足を伸ばしてもまだ有り余る檜の浴槽に浸かる位の贅沢をしなければならない。などと、自分勝手なお金持ちの基準を妄想するのでありました。
宿の廊下に掲げてあった詩をひとつ
念ずれば 花ひらく .
苦しいとき 母がいつも口にしていた このことばを
わたしもいつのころからか となえるようになった .
そうしてそのたび わたしの花が .
ふしぎと ひとつひとつ ひらいていった 眞民
祈りを捧げるような砥部焼きの傍に添えてあった詩は、愛媛県砥部町の癒しの詩人と呼ばれる「坂村真民さん」の作品のようであります。こうした癒し系の詩に触れながら、金儲けの算段をするとは何事だ…とは言え、お金はあっても邪魔にならないから、折角のんびりとした朝を迎えた時は、しっかりビジネスモデルを精査するのであります。
旅館の売店で見つけた「ラ・フランス」のアイスミルク。乳固形分10%以上(内、乳脂肪分3%以上)と規定されております。家で留守番をするオッカーへのご機嫌伺いのお土産には最適でありましょう。販売者はJA天童、製造者は北海道美唄市の㈱美唄農産物高度利用研究所と表示されております。貧乏人の憧れハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)のアイスクリームにも値段的には肩を並べる350円であります^^;
酔い覚めの甘みを欲した身体には、少々物足りなさを感じてしまいました。パッケージのデザインも折角のラフランス絵をロゴ文字が邪魔している。画像からは読み取れませんが『蔵王ラ・フランスアイス』などと書かれてあるのでありますが、天童市と蔵王に何の係わりも無いのであります。我が在所の高畠町もかつては梨の生産量日本一だったこともあるのですが、そのほとんどが加工用のバートレット種でありました。洋ナシが座った女性の後ろ姿(裸婦)をイメージさせる形状であるのに対し、ラ・フランスは見てくれが悪い。当時はバートレットの受粉樹として使われ、果実は一部の愛好者に親しまれていたに過ぎませんでした。流通技術や冷蔵保存法が進歩してミカンや洋ナシの缶詰需要が少なくなり、加工所は姿を消し、見向きもされなかったラ・フランスの食感や香りが見直されるようになったのでありますが、如何せん高畠町のラ・フランスは皆、古木となってしまったのであります。しかし、このアイスミルク…350円も取る割には、満足感に欠けるのであります。確かに果肉は使っているのですが、小さ過ぎて見つけられない。香料も使ってある。本物志向を売りにする『夢屋加工所』の商品としては、インパクトに欠けるのであります。
申し訳ないが、農協という商社の商品開発能力は、どこかアカ抜けないのでありまして(関係者の方が見ていらっしゃったらご免なさい。)加工品に回さざるを得ない規格外の果実が発生することは仕方ないことであり、付加価値をつけて販売する努力に対しては敬意を表するものの、高級品(アイスミルクで350円ですから…)を扱う意識が、規格外加工品のイメージから脱却しきれていないのではないでしょうか。ちょっとばかりがっかりしてしまいました。しかし、敵失は見逃さない『夢屋国王』は、本物志向のアイスミルクの企画開発計画を『黒革の手帳』に書き込むのでありましたとさ。