オツネントンボの『お常さん』
朝起きて収穫作業を済ませ、調整して直売店に出荷する。そこそこの売上は上げておりますが、全国でも最低ランクの山形県最低賃金で働く長男『ポン太郎君』の時給に満たない金額であります。この製品は売れ筋だから、増産体制で取り組みますと行かないのが生モノを扱う農業の痛いところであります。ましてやご近所のスーパーが3月で閉店してしまい、売れ筋商品、需要量、単価というものが未だに手探り状態…量目を増やし、単価は下げて様子見をしておりますが、中々手応えがつかめません。例えば「葉大根」…以前のスーパーでは売れましたので、煮て嵩減りしないように少々多めに袋詰めして、ひと袋納品してみたものの売れない。これは売れるはずだからと7月末までのハウスの空きスペースに大量に種まきさせた後だからさてどうしよう?ダメ元でもうひとつ納品してみたらふたつとも売れた…万事そんな感じであります。『おらだの農協』の集荷力と販売力に頼れば、こんな苦労も無いのだろうけれど、残念、『おらだの農協』は、蔬菜類には力を入れていないのであります。大量に作っても捌く場所が無いから、多品目少量出荷で売上を確保する…反面、収穫作業や調整作業が煩雑化して、作業効率が上がらない。一年毎のデータが物を言うと考え、今は我慢のしどころとジッと耐えております。
旧高畠第一中学校の校庭の桜…主は居ない。
友人『ノロ社長』は、長男『ポン太郎君』の成長を認めてくれた。強風小雨の中でも、『夢屋農場長』の手配りした仕事をコツコツを直向きにこなしております。他人に言われるまでもなく、彼のこの一年間の成長ぶりは目覚しいものがあります。(親父が息子を褒めるのも気が引けますけれど^^;)何とか成長の証に報いてあげたい。本来なら春闘(ベースアップ)の季節でありますから…4月より最低賃金並みの時給に10円アップすることを約束いたしました。(本音では60円ほど上げたいのですが、売上が伴わないので気持ちだけ^^;)
新型コロナウイルスの影響による需要の低迷で高級食材が軒並み値下がりしているとか。高級食材にも取り組みたいところですが如何せん技術力がまだ伴わない。『おらだの農協』に出荷予定の主力であるキュウリにしても、今後の学校給食のあり方次第では、大きく値崩れする可能性もある。小さな『お百姓さん』にもジワリジワリと新型コロナウイルスの影響が予想される状況となっておりますよ。春の恵みである「タラの芽」に小さなオツネントンボの未成熟成虫が止まっておりました。世に「極楽蜻蛉」というお気楽な生活者をからかう言葉がありますが、彼女たちは厳しい冬を成虫の形態で越冬します。本来は、温度格差の少ない水中で越冬する方が合理的とも考えられますが、長い年月を掛けて獲得した彼女なりの越冬方法であります。そこには何らかの合理的な理由があるに違いない。厳しい冬を乗り越えれば、暖かい春が来ると信じて、今はジッと我慢の子でいることにしよう^^;